ミニマリスト・フォトグラフィーへの10のガイド

2012-11-30

Simon BrayによってPhotoTuts+に投稿された記事を紹介します。
何か新しい写真技法に挑戦してみたい人だけでなく、まったくミニマリスト・フォトグラフィーのことを知らない人であっても、情報量とインスピレーションに溢れるこの記事が読んでみたくなるはずです。

筆者 Simon Bray
投稿元 PhotoTuts+

「Less is more」(少ないほど、豊かである)という言葉を聞いた事のある人もいるのではないだろうか。まさにこの言葉こそ、ミニマリズムを表している。ミニマリスト・フォトを突き詰めていくと、極限までシンプルでいて、しかしながら非常に豊かにイメージをとらえる手法であることがわかる。
それではいったい、どのようにミニマリズムを理解し、自分たちの作品に取りいれていけばよいのだろうか?

ステップ 1. ミニマリズムを理解する

ミニマリズムとは20世紀の芸術家によって用いられれ、色や形、ラインや質感などのコンポーネントを最小限におさえる手法である。芸術の世界においては、極限までに主観的な概念であり、それを見る人間に作品の解釈や意味付けなどの余地を残している。

この概念の開放性、つまり解釈のを高く評価する者もいる。もちろん、そこには方向性や欠如や主題の不透明性があり、そこを嫌う者もいる。写真家にとっては、通常、写真が現実世界の瞬間をフィルムに残すという表現方法であるため、これはあまり問題にならない。そのため、私たちはミニマリズムのテクニックを、作品のインパクトをより強調するために用いることができる。

ステップ 2. どこまでもシンプルに

ミニマリズムの表現を理解するためのルールは、「どこまでもシンプルであれ」だ。しかし、これは作品を退屈で面白味にかけるものにしろという意味ではない。思わず見入ってしまうような、印象的で魅力のある主題を選べということだ。主題はその写真のなかで、最も強力なエレメントでなくてはならない。仮にそれがフレームの片隅にあるような場合であっても同じ事だ。

撮影する前に、この一枚に何を入れようとしているのかもう一度考慮しなければならない。そしてまた、何を排除するのかもである。主題の周りの空間が主題をより引き立てる。そこで、より主題にズームするのか邪魔なものを切りとるのかを判断するのだ。

Step 3. 構成

写真のなかの要素を印象的に構成することは、ミニマリスト・フォトにおいて重要なカギである。それによって、写真のインパクトが高まる。ステップ2でも述べたように、何を排除するのかは何を取り入れるかと等しく重要である。主題の組み立てと、空間の使い方を時間を使い考慮すべきなのはこのためである。

この第三のルールはこのためにあり、主題をどのように切りとるかを判断する際に役立つ。印象的な構成はまた、正方形の物体とラインを組み合わせることができる。だが、これについてはまた後ほどに触れることになる。ここでは、力強さをもった形とラインというのは、ミニマリスト・フォトを生み出すということは覚えておいてほしい。

必ず主題に焦点をあて、可能であれば主題を際立たせるように被写界深度を選択する。これによってより印象的な一枚となり、印象を高める事ができる。

ステップ 4. 補色

ミニマリスト・フォトグラフィーに使用される色はハッキリとした明るい色である。そして、それこそがシンプルな写真が目を奪うための、非常に有効なツールとなる。たしかに、多くのミニマリスト・フォトは主題が不足しがちである、しかし実は色によってそれを補っているのである。ここにおいて言えることはthe brighter the better!(明るいほどよい!)である。

色を輝かせるために、その情景にある出来うる限りの光を使うべきである。多くの作品は、主題と背景に一つの色を用いて作られている。しかし、こういった情景はなかなか見つけるのが難しくなる。よって、ひとつの色とその補色の両方、または構成する色のコンビネーションみつけるのだ。

Step 5. 強力なライン

ミニマリスト・フォトグラフィーに使用される色と同じような手法になるが、写真のなかにあるラインの効果は、主題が制限されている際に、イメージにきわめて重要な作用を加えることができる。上でも述べたように、水平や垂直といった力強いラインは、ソリッドな物体としてイメージの中に存在することになり、構成に強さを加える。

その一枚をより印象的にするために、ラインを使用するという古い格言は、次のような場合にも関係してくる。それは、撮影者がその作品にどんなメッセージを加え、これを見る者に伝えたいのか。どこにラインが引かれているのか、例えば、イメージの中央から端へと伸びる線なのか、もしくは、角から中央に入ってくる線であるのか、撮影者の意図にそうようにラインをコントロールしなければならない。

Step 6. 感触まで伝える

おおくのミニマリスト・アートがそうであるように、ミニマリスト・フォトも、質感と色がベースとなっているのは明らかである。それによって、主題が明確ではないのにも関わらず、見る者の注意を引くのだ。このためには、表面にだけ魅力のあるものだけではなく、そこに内在する意味も必要である。それによってよりおもしろい作品になるのだ。

見ただけで伝わる質感があるかどうか、構成のなかにラインが効果的に使われているかどうかを考慮しなけらばならない。質感を強調するために光を使い、コントラストをつけ、注意してイメージをとらえる。そうすることによって、見るものが、彼らが見ているものを実際に感じる事ができるようになるのだ。

ステップ 7.常に探し求める

ミニマリストの作例をいくつか学んだのなら、毎日自分の周りにあるミニマリズムの作品となりうるべきものを探さなければならない。外にいる時や、でかける際には、空間や色の塊に注意をむけなければならない。そこにはポツンと面白い主題とたっていて、クリアなラインもあるかもしれない。見上げたり、下を見たりして、つねに探すようにすれば、そのうちに見つけ出す事ができるだろう。

はじめのうちは、建造物にある幾何学的な形を探す事からはじめるといいだろう。建造物の外壁には、何度も同じパターンが使われている場合が多く、そしてそれはミニマリスト・フォトの題材によく使われるものでもある。

Step 8. 過程

ミニマリスト・フォトを撮影する過程は、適度にシンプルであるべきである。なぜなら、撮影を重ねることによって、自分が何を生み出したいのかを気付いていくからである。それはシンプルでありながらも、ドラマチックでなくてはならない。もしかすると、より超現実的なイメージを使い実験的に撮影してみたくなるかもしれない。芸術的な観点により、イメージを造り出すと、その対象がもともと持っている状態とはかけ離れたものになってしまうかもしれないが、芸術の一環としては機能するだろう。

しかしながらまた、実際にそこにあるものを用いて、シンプルなプロセス、つまりラインと色を駆使して主題を際立たせるという方法でも構わない。

ステップ 9. ストーリーを伝える

ミニマリスト・フォトのほとんどは、シンプルなラインと色で際立っており目を引くものである。それは芸術的な表現であるとされている。しかし、いったん人に訴えるイメージをとらえることができるようになったのなら、より大きなチャレンジをするべきである。あなたにはミニマリストスタイルの写真を通してストーリーを伝える事ができますか?その一枚は、色や形といったものをそぎ落としながらも、その情景を伝える事ができるものだろうか?

これを成し遂げるためには、光や人々、もしくは動きといったものから、興味を引くものを汲み取れる必要がある。もしあなたが次に何かイベントを撮影するのなら、撮りたい写真を撮り終えたあとに、可能な限り小さな主題を使用して、そのイベントを集約できる一枚を撮影してみよう。そうすると、自分自身を驚かせることができるかもしれない。

ステップ 10. 創造的であれ

おそらくもう、ミニマリスト・フォトの基本理解ができてきたころだろう。そして、ミニマリストイメージをとらえるのに役立ついくらかのテクニックもご理解いただけたのではないだろうか。前にも述べたように、常に出来うる限りの一枚を求め、そしてそれをシンプルなものにしよう。
より注意深くなることが、その秘訣である。

創造的であることを恐れる必要はない。ミニマリズムはあなたにとってよい題材になれるトピックだ。たとえ他の人にはわからなくとも、そこで立ち止まらずに、あなたにとって意味のあるものをみつけ、それを撮り続けよう!

Phototuts+ では、さまざまな写真の分野を学ぶことができます。写真好きなら、Phototuts+にある記事のなかから、役に立つお宝を発見できるはず!そしてなんと、Phototuts+では月に一度ロモグラフィーに関するテクニックも掲載しています。ぜひチェックしてみましょう!

2012-11-30 #gear #tutorials #tips #tipster #lomography #minimalism #phototuts #photography-tips #minimalist-photography plasticpopsicle の記事
翻訳 keni

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