中判カメラ: ゾーンフォーカス用に自分だけの距離測定機を作ろう

2012-11-28

新しいカメラBelair X6-12を注文したときに、その90mmレンズの被写界深度の浅さが気になりました。もしかしたら、焦点が合わずに大事な120フィルムが無駄になってしまうかも。そう思ってこのとてもシンプルで、なおかつ色んなゾーンフォーカスカメラに対応できる距離測定機を作る事にしました。

Credits: simonh82

中判カメラで撮った写真は素晴らしいですよね。驚くようなレベルでディテールを伝えてくれます。ロモグラフィーの新しいカメラBelair X6-12は、6×12フォーマットにも対応しており、その機能性に思わずヨダレがでちゃいそうでした。でも実は、中判カメラにも欠点があるんです。中判カメラには、より焦点距離の長いレンズを付けたくなりますが、じつはそうすることによって、被写界深度が浅くなってしまうのです。もちろん、それをクリエイティブに利用することもできますが、ゾーンフォーカスカメラの場合は、思った所にピントの合っていない失敗写真になってしまうことが多いのです。

Shallow depth of field from medium format film

このテクニックに取りかかる前に、ちょっと復習してみましょう。距離測定機とは、その名の通り撮影者と対象物の間の距離を正確に測る事ができます。写真の世界では長い間使われてきており、どのように写るのか予測できないカメラでも、そのピントを計算することができます。これは、固定焦点やゾーンフォーカスを採用しているすべてのロモグラフィーのカメラにもあてはまります。

固定焦点レンズは、その過焦点距離(この距離を超えるとすべて焦点が合うという距離)において機能するようにデザインされています。そのために固定焦点レンズは A)被写界深度を深くするために、非常に広角のレンズにする B)絞りを小さくして、被写界深度を深くする C)1mほどの短い焦点距離にする。この3つのどれかを採用することで、対象まで近すぎることさえなければ、すべてにピントが合うようにできています。

ゾーンフォーカスカメラでは、シャープな結果を得るために実際にピントを合わせる必要があります。これが得意な人もいるでしょうが、私はいつも、どこかピントが合いきっていない写真が撮れてしまいます。Belair X6-12の90mmレンズでは、F8に設定したときの被写界深度は15cmほどです。背景をボカしたポートレートにとっては最適であるといえますが、もし、正確にピントを合わせなかった場合は、せっかくの人物がボヤけてしまうと言えるでしょう。

この問題を克服するための、このシャレた距離測定機はあなたの目と、まっすぐ伸ばした腕を使い対象との距離を三角法を使って測ります。普通の距離測定機に比べるとそれほど正確とは言えませんが、実際にかなり近い値がわかりますし、適当にとってピンぼけになることも防げます。

さて、この距離測定機を作るには、次のようなものが必要です。
*メジャー
*手伝ってくれる友だち
*プリンターとパソコン、PDFを扱えるソフトウェア
*プリント用の紙/カード
*カラーペン・・距離測定機を読みやすくするために使用

ステップ 1
左目から、真っすぐに伸ばした左手に持った紙までの距離を測ります。
友だちに手伝ってもらうと簡単でしょう。

Credits: simonh82

ステップ 2
あなたの両目の真ん中の距離を測ります。(友だちに手伝ってもらわないと大変です。)この測定はできるだけ正確に行いましょう。ここでの誤差が、対象までの距離を測るときには大きな誤差となってしまいます。

Credits: simonh82

ステップ 3
そして、この二つの数値をこのスバラシイ サイト に入力するだけ!全部計算してくれます。それ以外に必要なのは、レンズに書いてある焦点距離です、例えば1m,2m,3mそして無限大といったものです。もちろん、必要であればレンズに書いていない距離を入力することも可能です。

ステップ 4
サイトの指示に従って、カードをプリントしましょう。プリントの倍率はきtんと100%にするようにしてください。私はプラスチックカードプリンターを使えたので、プリントして、壁にはっています。

ステップ 5
油性のマーカーペンで色をつけて、距離のちがいをわかりやすくしましょう。

Credits: simonh82

距離測定機を使う
この距離測定機を使うにはまず、カードを左手でもち腕を真っすぐに伸ばします。そしてカードを左目でみます。カードの左端の上に測りたい物(対象物)をもってきたら、左目を閉じて、右目でカードを見ます。そうすると、対象物はカードの内側に移動するはずです。メモリのどこにあるのかを見てみましょう。それが対象物までの距離になります。左、右と何度か片方の目で見直してみて、腕が動いていないか確認しましょう。

壁にかかっている飾りまでは2mです。

もし、ちょうど二つの距離の真ん中に対象物がきてしまった場合は、より近い方の距離を採用したほうが無難です。注意してほしいのは、このカードは定規ではないので、二つの距離の真ん中にあるからといって、そこまでの距離が実際に二つの距離の中間にあるわけではありません。そして、レンズの被写界深度は、焦点の前よりも後ろにおいてより浅くなるので、この場合はより近い距離を採用するほうがいいのです。

上で紹介したウェブサイトでは、オプションによって過焦点チャート(すべてに焦点のあう距離)も作ってくれますので、もしカメラのフォーカスを考えたくない場合はそれを参考にしましょう。しかし、残念なことにこれは6×9フォーマットまでしか対応していませんので、Belairを6×12フォーマットで使用したい方は諦めて下さい。。

おまけのテクニックとして、さらにピントを正確に合わせるためにレンズに新しい距離マークをつける方法を紹介します。
その方法はこちら

ステップ 1
まず、カードを測ることからはじめます。
そのカメラの一番近いピントの合う距離(たとえば1m)から、無限大までのカード上の距離を測ります。
注意!左端から測る訳ではありません!

Credits: simonh82

ステップ 2
メジャーをつかい、レンズのピントを1m(最短距離)から無限大まで動かしたときの距離を測ります。この場合は2.7cmでした。

Credits: simonh82

ステップ 3
2.7を4.7で割ります。そうすると0.57という値がでてきます。この値をつかって計算し、レンズに新しい距離マークをつけます。

ステップ 4
もし、1.5mという距離マークをつけたい場合、カードの1mから1.5mまでの距離を測ります。1.5cmでした。そこで、1.5×0.57をします。そうすると0.86cmになります。これを実用的にするために、切り上げて0.9cmとします。

ステップ 5
メジャーを使い、1mのマークから0.9cmの距離にあるところを測り、そこが新しいマークの場所となります。他にも距離マークをつけたい場合はこの手順を繰り返します。私のDianaでは、1,5mにピントを合わせたい場合は2-4mの距離マークのところにいる人たちの一番最初の人のところに合わせればいいということがわかりました。

Credits: simonh82

遠くの距離のマークを作るよりも、より近くの距離マークを加える方が簡単でなおかつ重要になります。これは、より近い距離のほうが、レンズにある距離マーク同士の間が離れますし、また被写界深度も浅くなるからです。

どう?便利でしょう?

2012-11-28 #gear #tutorials #medium-format #uk-mf #tipster simonh82 の記事
翻訳 keni

他の記事を読む

  • Lubitel Garelly: 色の魔法

    2016-02-11 #gear lomographymagazine の記事
    Lubitel Garelly: 色の魔法

    じっとしていられず、想像にふけることは人類が持つ特性です。そして物事をどのように見るのか、何を見るのかによって、「本物」というものはその人によって解釈されます。空想家が景色をみれば、辺りは一面夢見るキャンバスに。それは真実なのか、空想なのか。どちらにせよ写真家には科学の力であなたが見たものを着色する術があります。あなたの目で見る、夢のような景色に近づけるフィルムというものが。逆に夢など見ない現実主義の写真家は、フィルムを通して世界を見ることで、記憶にある景色を夢の大地に変えることができます。それが色とフィルムの魔法。写真写りの良い最適な被写体は、色が誇張されることによって美しさが際立ちます。フィルム写真の楽しみはそんなところにあるのではないでしょうか?

    2016-02-11
  • 遠くを写したロモグラフ

    2016-01-26 lomographymagazine の記事
    遠くを写したロモグラフ

    被写体に近寄って近距離で撮影することをロモグラフィーでは提唱しています。しかし、それは皆さまに面白い写真をとってもらうようなひとつのアイディアのようなもの。みなさんご存知のように、遠距離の撮影も素晴らしい結果を残します。あえてメインの被写体から離れて小さく写したものや、風景写真など、イリュージョンを引き起こした写真たちをご覧ください。遠くを写すことの美学を感じましょう。

    2016-01-26
  • 【テクニック記事】期限切れフィルム、その魅力と特徴にせまる

    2016-11-12 #ニュース hodachrome の記事
    【テクニック記事】期限切れフィルム、その魅力と特徴にせまる

    皆さんは期限切れフィルムを使ったことがありますか?その写りは、色褪せていたり粒子が荒かったりコントラストが低かったり等々、本来の品質ではないその結果にがっかりした人や、またそこが気に入ったという人もいるかもしれません。今回はそんな期限切れフィルムの魅力的(?)な世界とその特徴をhodachromeが説明していきたいと思います♪

    1
  • ショップニュース

    Revolog フィルム 種類によって様々なユニークな効果が現れます!

    Revolog フィルム 種類によって様々なユニークな効果が現れます!

    緑の発光体やイナズマ、引っ搔き傷などのユニークなエフェクトが現れるRevologフィルム。刺激的な写真が撮りたい方におすすめ!

  • 【レビュー】Lomo LC-Aシリーズ特集① ~LC-A+編~

    2016-11-17 #gear #tutorials lomographyplus の記事
    【レビュー】Lomo LC-Aシリーズ特集① ~LC-A+編~

    Lomographyの代表的なLC-A+シリーズ。2016年現在はLC-A+、LC-Wide、LC-A120がシリーズの現行品として、フィルムカメラを再び盛り上げてくれています。このカメラをじっくりと紹介したいと思い、直営店スタッフによるマガジンシリーズの連載をスタート!まずは、フィルムカメラ初心者のみなさんや、「カメラそのもの自体触ったことがない!」という方にもオススメのLC-A+を特集します!説明書には載っていない細かいポイントまでご紹介するので、既にLC-A+をお持ちの方もご一読ください。

    2016-11-17
  • 写真の中の「ペア」

    2016-01-29 lomographymagazine の記事
    写真の中の「ペア」

    何か二つ一組のものに遭遇したとき、なんだか特別に感じ思わず写真に収めたということはないですか?また、偶然ふたつのもの、二人、二羽、二匹がそろって並んで写っていた、なんてこともちらほら。写真を見返していてそんな運命のいたずらのような1ショットを見つけるのも、また趣深いですね。この記事ではそんな何かの「ペア」が写り込んだ写真をご紹介します。

    2016-01-29
  • オーガニック?!カメラを発明したAdam Donnelly & David Janesko

    2016-04-20 #people Ciel Hernandez の記事
    オーガニック?!カメラを発明したAdam Donnelly & David Janesko

    クレイジーな発想や、異次元の考えは時にして発明へと繋がる。いや、むしろ発明とはそういったものである。Adam DonnellyとDavid Janeskoが発明した超自然派カメラ "Site Specific Cameras(現地生産型カメラ)" はそういったところから生まれたと言っても過言ではありません。

    2016-04-20
  • ショップニュース

    あなたの大切なひと時を円形に閉じ込めて...

    あなたの大切なひと時を円形に閉じ込めて...

    170度の魚眼レンズで見る世界。いつもよりも、より一層愛らしく!動物の顔をアップで撮影して、デカ鼻のユニークな写真も面白い!

  • Takeshi Sugaによるバンド「Hammock」アルバムアートワーク

    2016-03-22 #ビデオ #people ciscoswank の記事
    Takeshi Sugaによるバンド「Hammock」アルバムアートワーク

    ドリーミーな作風で多くの人を魅了する写真家・菅武志さん。ロモグラフィーの製品を使った作品をWebマガジンでも多数紹介してきました。 そんな菅さんから、写真家としてのキャリア10周年の節目の作品のお知らせが届きました。それは菅さんの作風とも通ずるメランコリックで雄大、幻想的な音を放つアメリカのポストロックデュオ Hammock(ハンモック) とのコラボレーション。4月1日に発売する彼らの7枚目のアルバム『Everything and Nothing』のアートワークです。

    2016-03-22
  • Kate Bellm: LomoChromeフィルムで写し出すサイケデリックなアイスランド

    2015-12-26 #gear #people zonderbar の記事
    Kate Bellm: LomoChromeフィルムで写し出すサイケデリックなアイスランド

    我らがロモアミーゴ Kate BellmはDeyáを拠点に活動するサイケデリックな作風で知られる写真家。ユニークな色の変化が楽しめるロモグラフィーのLomoChrome フィルムは彼女のスタイルにぴったり!彼女はバッグにLomoChrome PurpleとTurquoiseを詰め込みアイスランドへと旅立ち、まるで別世界を写し出したかのような素敵な写真と共に戻ってきました!

    2015-12-26
  • ★Lomo'Instant Automatマスターへの道: 旅人よ

    2016-09-11 lomographymagazine の記事
    ★Lomo'Instant Automatマスターへの道: 旅人よ

    旅の思い出をポケットにしまって、いつでも見れるようにしよう。 Lomo'Instant Automatなら、見た感動をそのまま思い出と共に瞬時に記録できます。

    2016-09-11
  • ショップニュース

    ファインダーを覗くだけでも楽しい!軽量二眼レフカメラ

    ファインダーを覗くだけでも楽しい!軽量二眼レフカメラ

    Lubitel 166+での撮影はとても実験的。上から覗き込むタイプのウエストレベルファインダーを使って思う通りにフレーミングできます。120フィルムと35mmフィルムが両方使えるので、飽きずに創作意欲も存分に湧き上がることでしょう。あなたもロモグラフィーのオンラインショップでLubitel 166+を手に入れて、アナログ写真の代表作を作りましょう!

  • ダゲレオタイプ:科学と芸術、両分野にもたらした功績

    2016-05-10 #ニュース #gear Lomography の記事
    ダゲレオタイプ:科学と芸術、両分野にもたらした功績

    その歴史が始まった日から、写真は常に芸術と科学、両方の試みのためのものでした。少なくとも、ルイ・ダゲールはそうなることを期待していました。ダゲレオタイプがどのように科学の道具になり、どのように写真が芸術へ介入していったのかを覗いてみましょう。

    2016-05-10
  • First Impressions of the Jupiter 3+ Art Lens: Maxime Fardeau

    2016-01-22 #people Lomography の記事
    First Impressions of the Jupiter 3+ Art Lens: Maxime Fardeau

    Maxime Fardeau はフィルム愛好家。たくさんの35mmフィルムカメラとインスタントカメラを持っていて、これまでにLomo'InstantとMInitar-1 Art Lensを使っていただきました。そして今回この記事で取り上げるのは、まだ発売されて間もないNew Jupiter 3+ Art Lensで写した写真と彼の感想です。それではどうぞお楽しみください!

    2016-01-22
  • タイムラインで見る! 2015年に発売されたLomographyの新商品たち

    2016-01-07 #ニュース #gear lomography の記事
    タイムラインで見る! 2015年に発売されたLomographyの新商品たち

    みなさんにとって2015年はどんな年でしたか? Lomographyの2015年はなじみ深いあのアイテムがレンズとして生まれ変わったり、とっても刺激的な1年でした。昨年発表されたカメラやレンズ、フィルムと一緒に2015年を振り返りましょう。 そして今年発表される新商品もお楽しみに!

    2016-01-07