フィルムを調理しよう!フィルムスープの方法

2013-01-24 3

フィルムスープとは、フィルムに化学反応を起こさせてその結果得られる予期せぬ結果を楽しむという試みのことで、ときおり思いがけない面白い作品が生まれることがあります。今までにも多くのロモグラファーが実験し、検証し、そしてレポートしてくれていますが、今回自分なりに試してみた結果を紹介していきたいと思います。

上の写真を見てあなたはどう感じますか?派手!サイケデリック!気持ち悪い!目が痛い!パソコンでいじりまくった!?などさまざまでしょう。好き嫌いはあれど、おそらく大きなインパクトを与えることだと思います。これは、スライドフィルムで撮影した後に「フィルムスープ」をし、その後クロスプロセス処理をして得た結果です。後処理等は一切していません。今回、自分なりにいろいろ試してみて、調理法(?)や感じたことなどをお伝えしたいと思います。

※フィルムスープには失敗のリスクが伴いますので、行う際は自己責任でお願いします。

【撮影について】
人によって異なりますが、私の場合撮影は先に済ませておきます。スープ処理を施すと、フィルムが加熱によって多少デコボコとなり、カメラ内で巻き上げ不良などを起こす可能性があるのが理由のひとつです。
フィルムはネガフィルム・スライドフィルム等なんでもOKです。
露出についてですが、化学変化がネガに強く現れるため、露出アンダーは避けたほうがよいでしょう。経験上ややオーバーめのがよいと思われます。
撮影後、フィルムを巻き戻してキャニスターに収めます。

【用意する物】
・暗室(押入れとかの暗い部屋でOK)
・中性洗剤(家庭用の普通のでOK)
・クリップ数個(フィルムを暗室内で固定するため)
・コンロ(フィルムの加熱用)
・鍋(フィルムの加熱&洗浄用)
・ドライヤー(フィルムの乾燥用)
・タオル・手袋・新聞紙等(洗剤で汚れるので)
・家族の理解(部屋が洗剤臭くなるので…):D

【洗剤について】
洗剤をお湯で溶かした液体を用意しておきます。
分量、水との割合については人それぞれでいいと思いますが、私は通常の洗たく一回分ぐらいの洗剤に対してお湯をコップ一杯分ぐらい入れています。そしてよ~くかき混ぜておきます。

洗剤とお湯を混ぜる

【暗室での作業】
1. 暗室にてフィルムをキャニスターから引っぱり出します。フィルムはカットしないでください。
2. 暗室の壁にクリップをいくつか使いフィルムをまっすぐに固定します。フィルムの乳剤面(感光面)を表にします。(画像参照)

フィルムを壁に固定する

3. 洗剤をお湯で溶かした液体をフィルムにまんべんなくぶっかけます。指に付着させてバシッ!バシッ!とはじいてかけます。適度に強弱(メリハリ)をつけるのがコツ。もちろん真っ暗闇なのでやりにくいですが落ち着いて慎重に!(画像参照)

洗剤をぶっかける

4. かけ終わったらその後少しそのまま放置プレイ(2~3分ほど)。この時間の長さで化学反応の進行具合が変わってきます。
その後フィルムを巻き戻してキャニスターに収めて暗室を出ます。

【キッチンでの作業】
1. 水を入れた鍋にキャニスターを放り込みます。(水の量は4~5cmぐらい)
2. コンロに火をかけ鍋を加熱します。約5分ほど(火力によって変えてください)。目安はボコボコと沸騰し始めたら火を止めて1分ほど余熱程度です。加熱中は、キャニスター内の空気を抜くためにときどきフィルムをかき混ぜてください。(まさにスープをかき混ぜるように!)
※過熱しすぎると現像後のフィルムが平面性のないボコボコした状態になってしまいますので注意!(画像参照)
3. そのあと水をかけて冷やします。(約1分)

コンロで加熱する
過熱しすぎたフィルム(現像後の状態)

【再び暗室での作業】
1. 暗室に行き、フィルムをびよ~んと引っぱり出します。
2. 水を入れた鍋にフィルムを入れ、表面に付着した洗剤成分を軽く指で洗い流します。乳剤面をあまり指で強くこすらないように。
3. その後フィルムを乾燥させます。ドライヤーを使ってしっかり乾かします。パトローネも乾かします。乾いていないとその後巻き戻したときにフィルム同士がくっついてしまいトラブルの原因になります。
ドライヤーを使わない場合は暗袋(チェンジングバッグ)等に入れて乾くまでそのままにしておいてください。
4. パトローネ内も乾き切ったら巻き戻してパトローネに収めます。

ドライヤーで乾燥させる

【現像処理】
現像に関しては通常通りでよいですが、ラボに出す際に、フィルムスープを行った旨を伝えてください。ラボによっては再度洗浄してから現像処理しますので。(現像機、薬品の品質維持のため必ず伝えてください)

以上、行程はこのようになります。

【結果について】
結果についてですが、調理方法が同じ場合でも、同じような結果が得られるとは限らないようです。毎回少しちがった結果が生まれています。フィルムの種類や露出のバランス、被写体によってもちがうかもしれません。
経験上、スライドフィルムによるクロスプロセスが最も予期せぬサイケデリックな結果となりました。いろいろな種類のカメラで試してみるのも面白そうです。
この方法はあくまでも私個人の方法であり、私もまだ経験が十分ではないので、皆さんには自分なりの味付け(?)を加えてトライしてみてください(^^)
結果は大失敗するかもしれませんし、思わぬ素敵な作品になるかもしれません。ぜひ料理を楽しむようなつもりでやってみてくださ~い(^_^)

Enjoy your cooking life!

クロスプロセスによる写真
レッドスケールによる写真

Author: hodachrome山本穂高
岐阜県出身のカメラマン。2007年にトイカメラの代表格であるLomo LC-Aと出逢い、その魅力の虜となる。世界のロモグラファー・フォトグラファー達と研鑽を重ねながら、国内外を問わず写真展への参加、写真集・グッズ販売、写真講座・ワークショップ等、幅広く活動する日々を送る。

2013-01-24 #gear #tutorials #lc-a #experiment #tipster #soup #lc-a #boil # # # # #film-soup #film-soup # hodachrome の記事

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3 Comment

  1. npkishi
    npkishi ·

    お、美味しそう!(楽しそう!)

  2. keni
    keni ·

    現像はどこでも受付てくれるんですかね〜?
    LomoLabは?

  3. hodachrome
    hodachrome ·

    コメントありがとうございます。
    @keni
    返事遅くなってすみません。確認したところLomoLaboでは今のところ受け入れる態勢が整っていないとのことで無理のようです。私がふだん使うラボも受け付けてくれなくて他のラボに依頼しました。現像に出す前にそこが受付可能かどうか確認したほうがよさそうです。

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