名作は近場で生まれる?ご近所フォトのススメ

2016-02-23 2

皆さんは自分の地元で写真を撮っていますか?何もないから撮る気にならない?それは実にもったいないです。見慣れた平凡な日常風景の中に素敵な題材はたくさん溢れています。そしてアイデアやテクニック、フィルムを使い分けることでそれらは一層輝いたものになります。今回は、私hodachromeのこれまでの高評価作品の中から、身近で撮影されたものをピックアップして説明とともにご紹介したいと思います。

皆さんはふだんどんな場所で写真を撮っていますか?海外や観光地等、魅力的な自然や建造物があふれる場所に行けばもちろん素敵な写真を撮ることはできます。では皆さんの地元・ご近所はどうですか?「何もない」、「特に面白いものはない」、「ゴミゴミしてるだけ」、「ただの田舎」、そんな風に思っている人もいるかもしれません。でも、写真は気軽にいつでもどこでも楽しめるもの、見慣れた平凡な日常風景の中にも実は素敵な題材はたくさん溢れています。そしてそれはアイデアやテクニック、フィルムの選択次第でとても輝いたものになります。
ということで今回は、私 hodachrome のこれまでの高評価作品の中から、ごくごく身近で撮影されたものを特にピックアップしてその説明と共にご紹介したいと思います。

著者のお住まいプチ情報

岐阜県東部の小さな町。周囲は山に囲まれた自然の豊かな環境。気候は穏やか。夏は暑く冬寒い、雪少なめ。海はなし。四季折々の自然はまんべんなく触れ合える。目立った観光スポットはなし。

それでは、そんなどこにでもある平凡な街を舞台にした数々の名作(?)を、その撮影データや具体的なロケーションと共に見ていきましょう。


作例1

  • タイトル:「scrappy」
  • カメラ:Lomo LC-A+
  • フィルム:Selfmade Redscale400(ネガ現像)
  • テクニック:多重露光(2回)、スプリッツァー使用

【説明】
運転中にたまたま見つけたスクラップ置き場にて。無造作に積まれた自転車の山が退廃的でそこに魅力を感じ思わずカメラを向けました。仕事中でしたが次のチャンスはないと思い泥だらけの地面に寝そべって撮影。(Like総数1,217個、2012年Most Popular Photos 5位獲得)


作例2

  • タイトル:「Chuo Freeway」
  • カメラ:Lomo LC-A+
  • フィルム:Kodak Elitechrome100(クロス現像)
  • テクニック:多重露光(2回)、長時間露光(各約10秒)

【説明】
自宅からの近さは今回のセレクションでも随一。高速道路上にかかる橋の上から夜間に撮影。高速道路にかかる橋はあちこちにありますが撮影できる場所は意外と見つけるのが難しい。この写真きっかけで世界中のロモグラファーが同様の撮り方をするようになりました。(Like総数880個)
※詳細はこちらの記事にて
「夜の世界を幻想的に写し取る」


作例3

  • タイトル:「Both sides of the daily life」
  • カメラ:Lomo LC-A+
  • フィルム:Kodak Portra 800(ネガ現像)
  • テクニック:多重露光(2回)、フィルム両面露光(EBS)

【説明】
フィルムの両側からそれぞれ露光するという個性的なテクニックで評判を呼んだ作品もきっかけは地元から。何気ない踏切近くの光景ですが色合いの違いや人物の組み合わせがちがうことで不思議な世界に早変わりします。(Like総数349個)
※詳細はこちらの記事にて
「Exposing Both Side of the Film (EBS)によるシンメトリー写真の撮り方」


作例4

  • タイトル:「flower wheel」
  • カメラ:Holga
  • フィルム:Selfmade Redscale800 (ネガ現像)
  • テクニック:多重露光(4回)、自作スプリッツァー使用

【説明】
Holgaによる高評価写真も実は地元が多め。地元の遊園地の観覧車を二回撮った後その近くに咲いていた小さな花を二回露光。レッドスケールフィルムのため独特の赤に染まりました。(Like総数465個)


作例5

  • タイトル:「Psychedelicious」
  • カメラ:Lomo LC-A+
  • フィルム:Kodak EBX100
  • テクニック:多重露光(2回)、フィルムスープ、スプリッツァー使用

【説明】
サイケなアナログテクニック「フィルムスープ」による作品群も地元で調理(?)されたものが多い。予想外の結果をもたらすため二度と撮れないようなものを撮るより地元の被写体のが実は向いている。見慣れた風景が一変しました(Like総数378個)
※詳細はこちらの記事にて
「フィルムを調理しよう!フィルムスープの方法」


作例6

  • タイトル:「青の彼方へ into the twilight zone」
  • カメラ:Lomo LC-A+
  • フィルム:Lomography Cine400 Tungsten Film (ネガ現像)
  • テクニック:多重露光(2回)、スプリッツァー使用

【説明】
冬場は撮るものが少なくネタに困るのですが、地元の公園でちょっと面白い写真が撮れました。深く計算等せずその場のインスピレーションを大事にして二回撮影。公園内の歩行者用トンネルと近くの落葉した木を重ねました。冬でも、地元でも面白い写真が撮れるものだと改めて実感した一枚(Like総数121個)


作例7

  • タイトル:「オルタナの道 -alternative way」
  • カメラ:Lomo LC-A+
  • フィルム:Lomography LomoChrome Turquoise XR 100-400 (ネガ現像)
  • テクニック:多重露光(2回)、スプリッツァー使用

【説明】
ロモグラフィーの個性的なフィルム「LomoChrome Turquoise」を使った多重写真。新フィルムはテスト段階ではご近所で試すのが一番。色合いの変化を楽しむためそれぞれのショットで服装を変えています。地元の牧場ですがいろいろと登場する便利な舞台。(Like総数92個)


作例8

  • タイトル:「夏日夢 -purple daydream in summer」
  • カメラ:Lomo LC-A+
  • フィルム:Lomochrome Purple XR 100-400 (ネガ現像)
  • テクニック:多重露光(2回)

【説明】
世界を紫に染めるロモグラフィーのネガフィルムLomochrome Purpleによるテスト兼実践的な撮影はごく身近な場所にて。自転車で自宅から3分の歩行者用トンネルに出向き撮影後、車で5分移動して休耕田のひまわりを撮影。移動時間・距離もコンパクトなエコな撮影。(Like総数107個)


作例9

  • タイトル:「花隧道 -Flower Tunnel」
  • カメラ:Holga
  • フィルム:Selfmade Redscale800 (ネガ現像)
  • テクニック:多重露光(3回)、長時間露光(トンネル内)

【説明】
トンネルを使った多重露光は一時期ハマったお気に入りのテーマ。そしてそれらの多くは地元で実践されました。季節ごとに様々な花々とトンネルとを重ねてきました。どの街でもトライできそうなテーマです。(Like総数598個)


作例10

  • タイトル:「green snow」
  • カメラ:Lomo LC-A
  • フィルム:Kodak EBX (クロス現像)
  • テクニック:長時間露光、ストロボ発光

【説明】
最後に大雪の写真を。私の地元はそんなに雪の降る地方ではないのですが、それでもたまにドカンと降ります。このときは年に一回あるかないかの大雪だったのでチャンスを逃すまいと仕事帰りに大急ぎで地元のダム湖沿いに向かいました。クロス現像のため独特の色合いになりました。(Like総数286個)


いかがでしたか?
どれも特別な場所ではないですが、アイデアやテクニック、そしてフィルムや現像方法をいろいろ使い分けることで、写真は面白いものへと変わっています。

ちなみに、私が地元で写真を撮る上で意識していることは主に次のような感じです。

1 常に周囲に目を配る
運転中や仕事中、散歩中など、常に周囲に目を配り、気になるものがあったらチェックしておきます。近場ということはまた来ることができる場所。後日時間のあるときに撮りにくることができます。

2 アイデア・テクニックをフルに生かす
見慣れた街なので普通に撮ってもなかなか面白くはなりません。なので自由な発想・アイデア、そして幅広いテクニックを用いて撮ってみましょう。

3 実験しまくる
何か面白い撮り方を思いついたときは地元でまずはトライしてみます。実験のつもりがそのまま名作になることもアリ。

という感じです。
私の場合、田舎という関係上、自然を生かした写真が多くなりますが、皆さんの街では皆さんの街なりの個性が出せるはずです。都会なら都会なりの面白さ、港町なら海を生かした写真、雪国なら冬景色、などと。私もそうですが、他人の素晴らしい写真を見ていると、自分の環境の不遇さを嘆いてしまうことがあると思います。でもカメラというツールは見たまんまを写すだけではありません。アイデア次第でいくらでも面白い写真を生み出すことができます。そしてこのロモグラフィーの世界はそんな願いを叶えるのにうってつけの場所です。様々な個性的なカメラやフィルム、そしてこれまで培われてきた独創的なテクニックの数々etc。ぜひ、これらのツールと皆さんのオリジナルなアイデアを引っさげて、皆さんの「愛すべき平凡な地元」を面白い写真で彩ってみてください♪
Be lomographic!

最後に、私の地元で撮られた他の代表作をご覧ください(^-^)/


Author: hodachrome山本穂高
岐阜県出身のカメラマン。2007年にトイカメラの代表格であるLomo LC-Aと出逢い、その魅力の虜となる。世界のロモグラファー・フォトグラファー達と研鑽を重ねながら、国内外を問わず写真展への参加、写真集・グッズ販売、写真講座・ワークショップ等、幅広く活動する日々を送る。


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2 Comment

  1. steamtug1959
    steamtug1959 ·

    Sehr gut !!!!

  2. shunta
    shunta ·

    ナイスな記事、ありがとうございました。とても参考になりました。Thank you!

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