モノクロ写真に学ぼう: モノクロの魅力とは?
6 Share Tweetモノクロ写真のいいところは、ただクラシックでかっこよく見えるだけではありません!実はモノクロ写真は、撮影技術にもいい影響を与えてくれるって知っていましたか?
世の中で尊敬されている代表的なカメラマンのなかには、自主的であれ、カラーフィルムがまだなかったためであれ、モノクロ写真だけを撮っている人も多く存在します。
Lomographyはそんなモノクロ写真を、カメラ初心者にも挑戦してほしいと願っています。何故か?そこにはたくさんの理由があります。
まずは校正、かたち、視覚化に集中できる
はじめに、これは決してカラー写真への批判ではありません!しかし、写真から色がなくなることは、カメラマンの成長にも違いを与えます。カラー写真の場合には、カメラマンも観客も、主題やイメージそのものよりも色に目がいってしまいがちです。 Bryan Appleyard(ブライアン・アップルヤード) への あるインタビュー(英語) のなかで、有名なモノクロ写真家の Sebastiao Salgado(セバスチャン・サルガド) はカラーフィルムへの嫌悪を示し、「色そのものが一種の嘘である」と皮肉的に表現しました。
サルガドは次のように語っています。
「自分のカラー写真を見たとき、私は写真のなかの人の個性や尊厳よりも色に興味を惹かれてしまいました。どうすれば私は人に注目し、彼らを私の物語にすることができるのか。また、どうすれば写真のなかに物語を感じないでいられるのか?もちろん、モノクロは一つの抽象概念です。しかし、最も明るい白と最も暗い黒の間にはグレーがあります。そして、このグレーこそが、私が写真を撮ったときに思い描いていたものなのです。」
モノクロ写真は「白」と「黒」以外は、グレーの色度しか存在しません。そのため、写真の良しあしは構造によって決まるともいえます。
それは撮る人にとって、色以外の部分(たとえば陰影部分の利用など)に集中することを教えてくれるのです。それにより、カメラマンは必然的に違ったものの見方をするようになります。
Tobias Key(トビアス・キー) は Picture Correct(英語) で 次のように述べています。
「色が無ければ、構成とかたちが良い写真を撮るために重要な手段となる。抽象的なもののかたちや様子を見る方法を学ぶことは、のちに良い写真を構成するために役立つだろう。学ぶということは良い習慣をつくることで、モノクロ写真はその習慣をつくるのに有効だ。モノクロから写真を始めたカメラマンは、構成に強くなる傾向がある。目を惹くような鮮やかな色を使えないので、強い作品をつくるためには構成が主要な技法になるからである。」
光を操る:明度とコントラスト
モノクロ写真から学ぶことのできる最も重要なテクニックの一つは、光と影です。アーティストが油絵を始める前に鉛筆によるデッサンをマスターしなければならない理由も同様です。モノクロ写真と違い、カラー写真は色調の明度を色と錯覚させます。モノクロフィルムで撮影することで、カメラマンは感度、シャッタースピード、光量による光と露出の変化、そしてそれがどのように写真に影響するかを必然的に学ぶことになります。
フォトグラファーの David Geffin(デイビッド・ゲフィン) は Fstoppers(英語) で次のように述べています。
「美しい金色の時間を捉えることが出来きず、光を失うことによって、より周囲の光の方向や量、質に集中するようになるでしょう。こうして学んだ、光のさまざまな要素を読み解き利用する方法は、ビデオやスタジオでの撮影にも利用できる素晴らしい技術となります」
その他のモノクロ写真の良さ
モノクロが簡単に「クラシック」で「ヴィンテージ」な印象を与えてくれることは、いうまでもありませんが、モノクロ写真を撮ることにはほかにも魅力が溢れています。
写真家の Scott Strazzante(スコット・ストラザンテ) はイメージの調子とストーリーを観客に簡潔に気付かせています。
※以下、 Peta Pixel より引用
「プロやレベルの高いアマチュアによるモノクロ写真の利用は、毎日とどまることをしらないイメージの流れにさらされている観客を少しの間、立ち止まらせる手段になります。カメラマンが観る人の注意を惹くためには、そのモノクロのイメージは観客の目を惹く価値のある内容でなければなりません。モノクロ写真の場合、カメラマンは興味を惹く要素を補うために、赤いシャツや黄色い車を組み入れることができないので、瞬間が非常に重要になります。」
カメラマンのなかにはモノクロ写真はイメージをピュアにすると考える人もいます。フォトジャーナリストとして有名な David Burnett(デビッド・バーネット) はこのように述べています。
※以下、 Peta Pixel より引用
「色が持つかなり多くの潜在的に注意を惹く要素(同様に不思議に感じさせるもの)を取り除いた『白黒』には、基本的な原理が確かにあります。『白黒』は場面をよりシンプルで、すぐに受け入れられるものに変えてくれます。そして、それは観客が深く観察しなくても理解できる程度の純粋さを保っているのです。30年かけて、いたるところに遍在する色で育った人たちが、モノクロ写真に同じ印象を抱くかどうかを確かめてみるのも面白いかもしれません」
David Geffin もまた、モノクロ写真は感情を強調させると付け加えています。
「色の情報に邪魔されることなく、だれかの顔を見たり、瞳をのぞき込むことは、あなたの主観に強い感情的な結びつきを生むでしょう。必ずしもいつもそうであるとは限りませんが、もしあなたも私のように、カラー写真よりも白黒写真のなかの人物により強い結びつきを感じるのであれば、これがその理由かもしれません。色がないことで、それは純粋にあなたと被写体との結びつきになるのです。」
あなたにとってモノクロ写真はどんなものですか?コメント欄で是非あなたのお話をきかせてください!
また、 Lomographyのオンラインショップ でも多様なモノクロフィルムをご用意しておりますので、興味を持った方はぜひチェックしてみてください。
2016-09-14 Ciel Hernandez の記事
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