ミクロとマクロの世界: 「MINI.PIC」のJennifer Hirschmannへのインタビュー

フォトグラファーであり、ファッションアシスタントのJennifer Hirschmannはとてもユニークなインスタント写真を撮影します。彼女はインスタント写真のなかに素敵な景色を収めると、それを撮影した環境に写真を重ねます。こうすることで、「写真が撮影された環境を観客により深く知ってもらう」のです。

今回はLomo'Instant Wide とFujifilm Instax 210による作品と一緒に、 彼女に "instant-gram" ページ(@mini.pictakes )の背景についてインタビューしました!彼女が用いるドロステ効果と新しいプロジェクトについてもお話を聞いてみましょう。

左から順に: "Birds of a Feather", Fujifilm Instax 210. "Party Foul Round 1", Fujifilm Instax 210. "Flower Power", Lomo'Instant Wide. Photo Credit: mini.pic

私の作品について

私はフリーランスの写真家とファッションアシスタントをしています。出身はスイスですが3歳でフロリダ、13歳でイギリスに引っ越しました。大学ではスタジオアートと心理学を専攻し、それは後に写真家と雑誌のファッションアシスタントの仕事につながりました。写真に興味を持ち始めたのは11歳のときで、簡単なフィルムカメラを使って暗室での現像も学びました。そこでは自分の作品を現像するプロセスを学び、芸術の技術的側面への理解を深めました。16歳の誕生日には一眼レフカメラをもらって、それから10年間はデジタルばかり撮影していました。デジタル技術の急速な進歩にともない、私は撮影にかける時間が短くなり、より多くの時間を撮影後の編集作業にあてるようになっていることに気が付きました。インスタント写真の魅力はシャッターを押す前にすべての準備や設定を終えて、それ以上修正することのできない完璧な写真を排出するところです。インスタントカメラでの撮影には、なんでも可能なデジタルカメラを利用した後でぜひ挑戦してもらいたい、特有の制限があります。インスタントの撮影は私に細かいところを気にしがちな性格をやめて、不完全性を楽しむことを教えてくれました。

写真的心理学

「美しいものは自ら気を惹こうとはしない("Beautiful things don't ask for attention.")」

今日の急速に変化する文化のなかでは、私たちは周囲で自然に生まれている素晴らしい物事に対してどんどん無関心になっています。日常生活の中で常にたくさんの視覚情報を処理しなければならないために、小さな出来事を見落としがちになっているのです。私自身も「大きなイメージ」にしか目を向けていませんでした。このプロジェクトでは、その「大きなイメージ」を構成する小さな要素を見直す必要がありました。

左から順に:"No Parking", Fujifilm Instax 210. "Monochrome", Fujifilm Instax 210. "Oasis", Fujifilm Instax 210. "Pink Ladies", Lomo'Instant Wide. "Garden Grape", Lomo'Instant Wide. Photo Credit: mini.pic

mini.picについて

mini.pic は私がアメリカ合衆国の永住権発行を待っている間の、なにか創作活動をしていたいという想いから生まれました。それはちょうどロンドンでのファッション雑誌の仕事を終え、学校の卒業を控えている夫がいるフロリダへ移り住んだときのことでした。急速に変化する都市の中心から静かなビーチタウンへ引っ越したことで、私は偶然にも、デジタルカメラの練習を一旦休んでインスタントカメラの可能性を探求する機会を得ることができました。人生と仕事の折り返し地点で、私は不思議なくらいインスタントフィルムのノスタルジックな魅力に惹き込まれていったのです。

お気に入りのmini.pic写真

『緑の渓谷』 これは私が初めてLomo'Instant Wideで撮影して「おぉ!」と思った写真なんです!

"Ferngully", Lomo'Instant Wide. Photo Credit: mini.pic

このショットはフィルム数パック分の写真が私の「トライアル&エラー」フォルダに保存された後に撮影されました。この頃は、クロースアップアタッチメントレンズの「スイートスポット」を見つけようとして失敗を繰り返していました。そんなときにこの小さなシダに遭遇して、「良い写真が撮れるまでここを動かない」と決めたんです。シャッターを押す前には設定と距離を何度もチェックしました。その結果、今までFuji 210で撮ったことのないような繊細で穏やかなイメージを写すことができました。

Lomo'Instant Wideの第一印象

ワイドフレームのインスタントカメラのなかでは間違いなく素敵なデザインです。ほかのインスタントカメラと同様に、カメラの機能や仕様に慣れるまでには練習が必要です。Lomo'Instant Wideはその点で少しFujiのカメラより難しくも感じましたが、それだけ様々な機能とマニュアル操作を利用できるからかもしれません。

よりクリエイティブに「遊ぶ」ことができる点で私はLomo'Instant Wideに惹かれました。例えば、無制限の多重露光、ワイドアングルレンズや接写レンズなどのアタッチメントレンズ、ライトペインティングも可能な長時間露光機能などです。

左から順に:"Great Pyramids", Fujifilm Instax 210. "Detour This Way", Fujifilm Instax 210. "Leftovers", Fujifilm Instax 210. "Full Bloom", Lomo'Instant Wide. "Hello Sunshine", Lomo'Instant Wide. "Spring Has Sprung", Lomo'Instant Wide. Photo Credit: mini.pic

Lomo'Instant Wideで気に入っている特徴

私のお気に入りはクロースアップレンズです。接写だとより個人的で身近に感じるフレーミングで、魅力的なイメージになると感じました。Lomo'Instant Wideは低光量下でも使えるところと長時間露光に惹かれていたので、その機能を使うのも本当に楽しみでした。

Lomo'Instant Wideをはじめて使う方へのアドバイス

インスタントカメラの魅力は撮影したイメージがすぐに写真として手に入る点です。私のアドバイスは、すぐに思い通りの写真が撮れなくても諦めないことです。先ほどもお伝えしたように慣れるまでには少し時間がかかりますが、一度カメラのスイートスポットを掴んだら何枚も素敵な写真を撮れるようになりますよ。

左から順に:"Cattitude". Fujifilm Instax 210. "Beach Day", Fujifilm Instax 210. "Winter Wonderland", Lomo'Instant Wide". "Dreamers and Explorers", Fujifilm Instax 210. Photo Credit: "mini.pic":https://www.instagram.com/mini.pic/

写真のタイトルについて

最初にmini.picを始めたとき、キャプションも色んな楽しみ方ができると思ったんです。私の想いと被写体によって、キャプションはコミカルにもなれば嫌味や皮肉、もしくは観客に意味を考えさせる目的でも利用することができます。タイトルの決め方はその瞬間の思いつきもあれば、精査して決めることもあります。95%は撮影しながら考えついたものですが、残りの5%はフォロワーが考えてベストなものを選べるようにしました。

写真の背景について

いつも自然の中のパターンやテクスチャに興味を持っていたので、ほとんど本能的にこれらを撮影していました。観客に撮影された状況の詳細を提示するための、インスタント写真を撮影場所に重ねるというアイディアは特に気に入っています。作品を観た人たちは、インスタント写真が背景のどの部分を撮影したものなのか想像するのが面白かったとコメントしてくれました。私自身も写真と観客の間に生まれた思いがけない相互作用を楽しんでいます。この手法はまだ他の人の作品ではみていないので、独自のスタイルを確立していければいいなと思っています。

左から順に:"Blast Off" Lomo'Instant Wide. "Me On Neon", Fujifilm Instax, 210. "Parking For Car(t)s Only", Fujifilm Instax 210. "Tiered", Fujifilm Instax 210. "Mirror Images", Fujifilm Instax 210. Photo Credit: mini.pic

今後の予定

現在は植物を彫刻の形に抽象化した二次元シリーズの制作に取り組んでいます。(こちらでこっそりご紹介します!)

"Dyptich", Fujifilm Instax 210. Photo Credit: mini.pic

インスタントカメラの多様性を知ることのできる、異なる撮影スタイルを持つインスタント写真家の作品を特集した本ができたらいいなぁと思います。

"Pastel Petal" series, Lomo'Instant Wide. Photo Credit: mini.pic

mini.picLomo'Instant Wide 、そして新しいプロジェクト sneak peak についてご紹介いただき有難うございました!Jenniferのインスタント写真をもっと観たい方はmini.picのInstagramページ もチェックしてみてください!

2017-02-19 #ニュース #people Azin Teimoori の記事

【25周年アニバーサリー限定エディション】Lomography生誕25周年記念として Lomo LC-Aシリーズのカメラが限定デザインで登場!ブラウンの本革に25周年アニバーサリーのロゴが入ったスペシャルなエディションです。オンラインショップまたは直営店Lomography+にて販売中。限定生産なのでお早めにどうぞ!

関連商品

Lomo'Instant Wide

Lomo'Instant Wide

世界で最もクリエイティブなinstant wideカメラとレンズです!ハイクオリティの様々な機能が搭載のLomo’Instant Wideならば、誰でも美しく奇抜で目が回るような瞬間を、クリエイティブにスーパーワイドにシャープで完璧に捕らえることができます。

コメントはまだありません

他の記事を読む

  • 愛と若さ、そして人生:Paolo Raeliへのインタビュー

    2017-02-25 #people Ivana Džamić の記事
    愛と若さ、そして人生:Paolo Raeliへのインタビュー

    Paolo Raeliはイタリア/オランダのフォトグラファーで、友人たちと過ごしている瞬間から物語性溢れる作品を生むことに長けています。今回のインタビューでは、彼の魅力的な作品の背景やインスピレーションの源、写真が彼の人生に与えた影響について聞いてみました!

    2017-02-25
  • John Voulgarakisが写したアテネの街並み

    2017-02-27 #people #places charlie_cat の記事
    John Voulgarakisが写したアテネの街並み

    ギリシャのフォトグラファー・John Voulgarakisはきっと前世でも写真に関わっていたに違いありません。このインタビューで、彼はLC-Aに対する情熱とギリシャの危機が芸術シーンに及ぼす影響を語り、愛するアテネの街並みを案内してくれました。

    2017-02-27
  • ★Yiyiu × Lomo'Instant Automat Glass:雨のなかでガールズデート

    2017-04-07 Lomography の記事
    ★Yiyiu × Lomo'Instant Automat Glass:雨のなかでガールズデート

    香港を拠点とする写真家 Yiyiuは Lomo'Instant Automat Glassを連れて友達とデートへ!あいにくの雨で天気は最悪だったけど、素晴らしいポートレートを披露してくれました!彼女が撮影した写真とインスタント写真についてのインタビューを大公開。

    2017-04-07
  • ショップニュース

    Revolog フィルム 種類によって様々なユニークな効果が現れます!

    Revolog フィルム 種類によって様々なユニークな効果が現れます!

    緑の発光体やイナズマ、引っ搔き傷などのユニークなエフェクトが現れるRevologフィルム。刺激的な写真が撮りたい方におすすめ!

  • "Llama Fur" - Daguerreotype Achromatで撮影されたミュージックビデオ

    2017-11-17 #ニュース #people #ビデオ florinegarcin の記事
    "Llama Fur" - Daguerreotype Achromatで撮影されたミュージックビデオ

    フランスのフォトグラファー、そして映像作家でもある Diane Sagnier。彼女は過去6年以上にわたり、ロモグラフィーのレンズやカメラを使って撮影を続けています。今回彼女が撮影したのは、Jackie Moontanのミュージックビデオ!

    2017-11-17
  • LomoAmigo:Müge YıldızがLomoKinoで撮影した映画 『Life is Flux』

    2017-03-02 #people #ビデオ nural の記事
    LomoAmigo:Müge YıldızがLomoKinoで撮影した映画 『Life is Flux』

    アーティストであり映画監督のMüge Yildizの作品は世界各地で上映されています。今回はロモグラフィーのLomoKinoを使った作品を制作した彼女に、プロジェクトとLomoKinoでの体験についてインタビュー を行いました!

    2017-03-02
  • 果実と変人:LomoAmigo Eva Zar

    2017-03-14 #culture #people #places Katherine Phipps の記事
    果実と変人:LomoAmigo Eva Zar

    アーティストでありフォトグラファーのEva ZarはSNSに投稿された写真からは感じることのできない、親密で壊れやすい瞬間を探求します。彼女の風変わりで気まぐれなスタイルはヨーロッパとニューヨークいずれにおいても雑誌社やブランドからの注目を集めています。今回は彼女にLomoAmigoとしてLomo'Instant Wideによる作品をご紹介して頂きました!

    2017-03-14
  • ショップニュース

    全てがクラシカルなポートレイトレンズ

    全てがクラシカルなポートレイトレンズ

    Lomography New Petzval Lens は85mmのポートレイトレンズ。周辺のボケが渦巻くように現れ、中心の被写体へ視線を惹き付ける画を写し出します。Nikon FとCanon EFの2種類のマウントでご用意があり、こちらのマウントに対応するデジタル及びアナログカメラに対応しています。オンラインショップではその他のマウントアダプターやフィルター各種を取り揃えています。

  • ★Lomo'Instant Automat Glass : マクロなインスタント写真の世界へ

    2017-03-22 Lomography の記事
    ★Lomo'Instant Automat Glass : マクロなインスタント写真の世界へ

    Lomo’Instant Automat Glass Magellan にクローズアップ・アタッチメントレンズを装着した場合の最短焦点距離は10cm。シャープでマクロなインスタント写真を思う存分楽しめるアクセサリーです!でも、いざ撮影しようとなると10cmっていったいどのくらい...?と思う人も多いはず。そんなときに便利な方法があります。

    2017-03-22
  • Solène Ballesta:Daguerreotype Achromat が描く朝霧のなかの物語

    2017-02-28 #ビデオ mpflawer の記事
    Solène Ballesta:Daguerreotype Achromat が描く朝霧のなかの物語

    Solène Ballestaは15歳から写真を始めたパリの写真家です。Solèneの作品は観るものを魅惑的な世界へと惹き込みます。今回、彼女はDaguerreotype Achromat Art Lensを使って、朝霧のなかで誰かを待っている美しい女性の物語を描いてくれました。インタビューとともにお楽しみください。

    2017-02-28
  • The Smoking GunsがLomo'Instant Automatで写す晴天のロサンゼルス!

    2017-06-22 #gear lomographysoholondon の記事
    The Smoking GunsがLomo'Instant Automatで写す晴天のロサンゼルス!

    The Smoking GunsというDJデュオとしても良く知られるIrainaとSam。彼らはロモグラフィーのソーホー店のすぐそばにあるソーホーラジオでのレギュラー番組も持っているんです!今回ロモグラフィーでは二人にLomo'Instant Automatを渡して、雨ばかりのイギリスとは正反対の晴れ渡るロサンゼルスへの旅行をインスタント写真に収めていただきました!

    2017-06-22
  • ショップニュース

    あなたの大切なひと時を円形に閉じ込めて...

    あなたの大切なひと時を円形に閉じ込めて...

    170度の魚眼レンズで見る世界。いつもよりも、より一層愛らしく!動物の顔をアップで撮影して、デカ鼻のユニークな写真も面白い!

  • フィルム写真で描くティーンの苦悩:Alia Wilhelm

    2017-09-30 #people lomographysoholondon の記事
    フィルム写真で描くティーンの苦悩:Alia Wilhelm

    Rookie Mag はディープで、先進的で、それでいて皆が持つパーソナルな思いや問題を扱ったティーン向けのウェブマガジン。 Alia Wilhelm は Rookie Magに寄稿するロンドンのフォトグラファー。今回ロモグラフィーのフィルムで撮影をした彼女に、フィルム写真の楽しさ、そして作品のテーマであるティーンの苦悩について聞いてみました。

    2017-09-30
  • Neptune Convertible Art Lens Systemの第一印象:Guen Fiore

    2017-05-25 #gear #people lomosmarti の記事
    Neptune Convertible Art Lens Systemの第一印象:Guen Fiore

    Guen Fioreはイタリアの若い写真家。クリエイティブな写真とポートレートを専門とする彼女に Neptune Convertible Art Lens Systemで晴れ渡るローマを撮影してもらいました!彼女の作品とともに、このレンズを初めて使った感想を聞いてみましょう!

    2017-05-25
  • アナログプリントと東京の街 :写真家 あしだち なお

    2017-11-18 refallinsasaki の記事
    アナログプリントと東京の街 :写真家 あしだち なお

    東京の街で様々な青年たちの姿を切りとった写真集 "boys in tokyo sentimental" は、写真家の あしだち なお さんによるもの。写真に写る青年たちだけではなく、それぞれの街の個性が捉えられていたのが印象的でした。アナログプリントや紙の写真が大好きだと語る彼女は、先日紙にまつわるイベント『Paper Bazaar』を開催したばかり。今日はそんな彼女に、アナログ写真の魅力について語っていただきました!

    2017-11-18