冬のおとぎ話:Michela Riva × Daguerreotype Achromat Art Lens

2017-03-10

写真は現実を記録するだけでなく、ミステリアスな世界へと誘ってくれる強力なツールでもあります。比喩表現を用いた芸術は、まったく新しいシチュエーションや魅力的な意味を構築するための最適な手段となります。

そんな比喩的・視覚的な芸術に魅了された写真家 Michela Riva は、ロモグラフィーの Daguerreotype Achromat Art Lens の幻想的な芸術的精神をユニークな方法で解釈し、美しいおとぎ話のようなポートレートを写してくれました。

写真家: Michela Riva
モデル: Martina @ Be Nice
スタイリスト: Alessia Alessio-Vernì
メイク: Cecilia Carbonelli
撮影アシスタント: Daniele Riva
衣装: BOOGALOO Vintage and more
撮影地: Val Rosandra, Trieste
使用カメラ: Nikon d7000

こんにちは、Michela!簡単な自己紹介と写真への想いをお聞かせください。

こんにちは。私の名前はMichela。33歳でイタリアのトリエステ出身の写真家です。私の父方の祖父が熱心な画家・写真家で、芸術への情熱は彼から受け継ぎました。彼は子供の頃から私に絵を教えてくれて、8歳の頃には初めてのアナログコンパクトカメラをくれました。私は絵は凄く上手かったのに、写真は絶望的に下手だったんです!フォーカスのあっていない写真や、露光オーバー、真っ黒の写真、ランダムに撮影したような特定の被写体の写っていないものなど、何枚も失敗を重ねていました。才能がないと思ったので、しばらくはアーティスティックな写真は諦めて家族旅行や特別な時にだけカメラを持ち歩くようになりました。

私が20歳のころ、DeviantArtに掲載されている美しい作品(好きなアーティストはたくさんいますが、なかでもLara Jadeの初期の作品)に感銘を受けて、私はもう一度写真に挑戦してみることを決めました。それから、風景写真やセルフポートレート(他に被写体がなかったので)を撮影し始めたんです。始めてのコンパクトデジタルカメラでは満足する写真もありましたが、多くの場合は思うような結果にならなくてイライラしていました。だけど2011年に初めて一眼レフカメラを購入してから、すべては変わりました。私はそれからどこに行っても常に撮影し続け、夜はPhotoshopを使って撮影した画像を編集し、SNSで作品を共有し、専門家からフィードバックをもらいました。約一年半後には、初めての仕事に就き、それ以来一番好きなことを仕事として続けています。

ご自身の写真スタイルについてどう考えますか?また、それはどのように発展してきたでしょうか?

ずっと絵画に影響を受けています。旅行に出かけたときは自然や街の景色を撮っていましたが、それから複雑な編集作業を施した写真よりももっとシュールレアリスムの絵画に近いイメージを撮影するようになりました。その目的は現実そのものを写すのではなく、私の目や感情を通した世界を表現することです。それから、街中の自然なポートレートから、ファインアートやファッションフォトグラフィー(現在のメインジャンル)などの計画的なポートレートへとだんだん移行していきました。

クリエイティブな精神を持続させる方法はなんですか?普段はなにからインスピレーションを貰っていますか?

私は夢見がちでよく現実を忘れて空想の旅をするんです。それはどこでも起こることで、電車のなかやお気に入りの音楽を聴いているとき、街や公園を散歩しているとき、絵画を観ているとき、映画を観ているとき、本を読んでいる途中にだって起こります。目を開けたままで次の写真の物語の主人公や設定、雰囲気など細かなディテールを想像するんです。私の写真のプロジェクトはすべて、そのようなビジョンから生まれます。残念ながら、心に浮かんだものすべてを実現することはできませんが、それは夢を現実化するような美しい体験なんです!

お気に入りの写真家は誰ですか?

私の一番好きな写真家はAnnie Leibovitz、Tim Walker、Peter Lindberg、それとPaolo Roversiです。伝説的な写真家たちなのでその素晴らしさは改めて説明するまでもないと思いますが、彼らの作品は本当に世界的に価値のあるもので見るたびに感動してしまいます。いま成長してきている写真家のなかでは(既にプロとして活躍していますが)、Emily SotoとLara Jadeが気に入っています。彼女たちがまだ駆け出しのころからのファンで、いつもインスピレーションや元気を貰っているんです。

まだ写真を始めたばかりの方へ、作品を通じて物語を伝えたり人を感動させたりするためのアドバイスはありますか?

技術面ではとにかく何千回も撮ってみて、失敗から自己判断で学ぶことで常に改善していくことですね。モチベーションの面では、他の人の写真を真似るだけではなく、自分のなかにある表現したい想いが大切だと思います。模倣はオリジナルほど人を感動させる力がないからです。それに、真似した写真が自分自身の表現であるといえるでしょうか。

人を感動させることのできる本物の物語を表現するためには、まず自分自身についてよく知り、内面にある世界観を作品に投影することが必要不可欠だと思うんです。どれだけたくさんの「いいね」を貰えるかは問題ではありません。写真を通じて自分だけの特別な表現してください。明日には消えてなくなるかもしれないSNSに左右されるのではなく、自分の信念や気持ちに従うことが大切です。

Daguerreotype Achromat Art Lensで撮影していただいた作品について説明していただけますか?

今まで使ったことの無いレンズだったので、事前にネットでサンプル写真をみて何ができるかアイディアを練りました。そしてレンズを使ってみた瞬間に、絞りプレートによる素晴らしい光とボケの効果の虜になりました。どうすればより効果的にそれを利用できるか考えた結果、蝋燭を使うことにしたんです。それからムードボードを作り、頭のなかで物語に生命が宿るまでアイディアやインスピレーションを集めました。私はAlessiaに連絡し、このプロジェクトに参加してもらうことにしました。彼女は昔からよく協力してくれている、トリエステで素敵な古着屋さんのオーナーもしている人です。今回はスタイリストとして協力してもらい、写真に写っている素晴らしい衣装をつくってくれました。メイクを担当してくれたのは旧友であり素晴らしいメイクアップアーティストのCeciliaです。美しいモデルのMartinaは私の冬の物語の主人公として際立ったエレガントさと繊細さを表現してくれました。

私はチームで、特に信頼できる仲間と一緒に働くのが大好きなんです。全員の個性が素敵なハーモニーになるし、よく知る仲間となら他の人の考えてることがすぐにわかるからです。なによりそれぞれの才能と想像力がプロジェクトに影響して、「私の」ではなく「私たちの」作品となってくれることが素敵です。

私の兄弟のDanieleはセット(何度か皮に落ちそうになりながら、すごく重い鞄を運んでくれました:P)、撮影風景の動画撮影、編集のアシスタントをしてくれました。私はまだ動画制作をはじめたばかりで学ばなければならないことがたくさんありますが、初めて一緒に動画を撮影したのはいい体験でした(普段は彼が動画を撮影して私は写真ばかり撮っています)。いまは動画にも力を入れたいと思っていて、写真と同じくらい惹かれています。

レンズをはじめて見たときの印象はいかがでしたか?独特なデザインは撮影にも影響したでしょうか?

初めてレンズをみたときはただ美しさに感動しました。こんなにゴージャスなレンズは今まで見たことがありません。ホームページには昔の時代にインスピレーションを受けた写真も載っているように、私はビンテージ好きなんです。だから、このレンズの昔ながらの仕様で物語を作ることはよりインスピレーションを刺激してくれるように思いました。デザイン以上に、ビンテージフォトのような幻想的な効果とスペシャル絞りプレートによるボケの効果は私の作品に影響を与えてくれました。

今回はどの絞りプレートを使って撮影しましたか?また、スペシャル絞りプレートも使ってみましたか?

f/2.9の通常絞りプレート、Lumière(ルミエール)プレートのf/4.5、Aquarelle(アクリエール)プレートのf/6.3をメインで使いました。光量が少なかったのでこれより大きい絞り値は使いませんでした(撮影は一年で一番暗い時期の森で行ったんです)。絞りプレートは光の加減や背景、その時に欲しい効果に応じて変えました。こんなレンズを使ったのは初めての体験でとても楽しくてワクワクしました。

このレンズは ロモグラフィーのアートレンズシリーズ の一つです。アートレンズの長所はなんでしょう?またどんな撮影に適していると思いますか?

幻想的でアーティスティックな写真が好きな人、普通のレンズとは全く違う体験をしてみたい人、そして撮影後の編集作業なしで芸術的なイメージを写したい人にぜひオススメしたいレンズです。

ここにご紹介する写真では基本的な色調とコントラストの設定を調整しましたが、編集で元のイメージを変えたり特殊効果を加えるようなことはしませんでした。Daguerreotypeが写したままの魔法のようなイメージを私の作品として自分のやり方でブランディングし個性化したんです。ポートレートに理想的なレンズなので、全身の撮影にも挑戦してみたいです。それに、LumièreやAquarelleの絞りプレートの効果も素敵で本当に驚かされました。それによって、イメージに印象的な雰囲気を与えることができました。

素晴らしい作品を共有してくださったMichelaとチームの皆様、有難うございました!


Michelaの作品をもっと観たい方は彼女の ホームページFacebookInstagram もチェックしてみてください!

2017-03-10 #people #ビデオ lomosmarti の記事

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