はじめての二眼レフ中判カメラ: Yashica Mat-124G

2017-03-12

Holgaの撮影テクニックを紹介した著書『Tricks With A Plastic Wonder』でもお馴染みのLorraine Healy。今日は彼女がお気に入りの二眼レフカメラYashica TLRとの冒険を紹介してくれます。

数年前、友人であり師匠でもある Sharon “Shoe” Shoemaker に中判フォーマットに移行するべきだといわれたときには、それが何であるかもわかっていませんでした。当時、私は35㎜フィルムかKodak Fiestaに使うために人気のあった127フィルムしか使ったことがありませんでした。その言葉がきっかけで中判カメラを探し始めたのですが、2002年には古いアナログ機器のまとめ売りが流行っていたんです。おすすめのカメラを見て、私が6歳くらいの子供だった頃に祖父や叔父も似たようなカメラで撮影していたことを思い出しました。どのブランドかは忘れてしまいましたが、それは二眼レフカメラでした。私はYashicaのものが気に入ったので購入しました。ただ蛇腹に惹かれてVoigtlander Besselerの蛇腹カメラも買いましたが、それで撮影することはありませんでした。

Antique Store in Buenos Aires, Argentina. Yashica TLR.

二眼レフのファインダーのイメージは左右が反転してるなんて知っていますか?私は知りませんでした!思い通りのイメージを構成出来るようになるまでには時間がかかりましたが、コツを掴むとこのカメラに夢中になりました。もちろん今でも使い続けています!

Sestiere San Polo in Venice. Yashica TLR.

Yashica Mat-124 Gは1970年から1986年に製造された、Yashicaによる最後の二眼レフでした。あまりスピードのあるカメラではなくてレンズはYashinon 80mm f3.5~22(約50㎜相当)、シャッタースピードは1~1/500秒とバルブモードです。フィルム圧板をスライドさせるだけで220フィルムも利用できます。まだ何本か220フィルムを持っていますが、私のカメラでこのフィルムを使えるのはこのカメラだけだと思います。

Two images of the beautiful village of Cesky Krumlov, in the South of the Czech Republic. Yashica TLR.

すぐにYashicaをもって撮影旅行に出かけると、どこに行っても同じことが起こりました。街中で写真を撮っていると、カメラをみた同年代の人やもっと年上の人たちが父親や叔父、祖父が使っていた二眼レフについて嬉しそうに話し始めるんです。話のきっかけを作るには何よりも二眼レフカメラが一番ですね。まるでみんな自分自身を止められないみたいでした。Yashicaは彼らを過去に引き戻してくれる存在で、きっとデジタル化されていない古き良き時代を思い出させてくれる彼女に話しかけずにはいられないのです。

Burano, near Venice. Yashica TLR.

ブエノスアイレスのカフェで店内を撮影しているときには、また別の出来事が起こりました。私は透明人間になってしまったんです!カフェの外を歩いていた男性が私を見つけて、カメラのレンズ越しにフォーカスを合わせている私の顔をのぞき込んできたんです。彼はすぐに私から遠ざかって、友達との会話に戻っていきました。これはまさに私が望んでいたことでした。ビジネス、経済、政治、もしくは“fútbol(サッカー)”など会話が飛び交う「いつもの光景」です。それから私はYashicaをテーブルにセットして、好きなだけ撮影し、アングルを変えたときにはフォーカスを合わせなおしました。6cm×6cmの大きめのネガサイズのおかげで構成に失敗しても、あとから余計に写り込んでしまったテーブルや椅子を編集で削除することができたんです。

Two quiet scenes at my most favorite café in Buenos Aires, the Argos, now sadly gone.

YashicaはISO400しか利用できないので、感度800以上のフィルムは試したことが無いんです。ですが、正確なフィルムのISO情報で光度計を読み取ればきっとうまくいくはずですよ。

Burano, near Venice. Yashica TLR.

このカメラは凄く気に入っているのですが、ここ数年は車での旅行でなければ持っていきませんでした。1.1キログラムもあるので、昔のように首からぶら下げるのはもちろん、カメラ用のリュックに入れたとしても一日中持ち運ぶには重すぎたんです。なので、不本意ながらこのカメラで撮影する機会はあまりありませんでした。最近、カメラを開くためのホイールが動かなくなってしまったので、CLA(清浄、潤滑、調整)に出したんです。地元のカメラのマジシャン・Dougが元通りに直してくれました。eBayをみていると、似たようなカメラは状態の良いもので大体¥25,000~¥30,000くらいの価値があるようです。私の経験ではこのカメラで最高のイメージを写したいなら、信頼できる修理人にCLAを依頼するための予算も考慮しておく必要があるでしょう。

Père Lachaise Cemetery, Paris, shot with expired film. Yashica TLR.

技術情報:

フィルムフォーマット 120 / 220
イメージサイズ 6cm x 6cm
重量: 2lbs, 6.8oz (1,100g)
レンズ: 3群4枚 Yashinon 80mm f3.5-22(50㎜相当)
フィルターサイズ Bay I (Bayonet type I) 30mm
焦点距離: 3.5' ~ infinity
シャッター: Copal SV
シャッタースピード B, 1-500
ビューファインダー: TLR
露出計: CdS (match needle)
ASA設定範囲 25-400


Lorraine Healy (@lorrainehealy) は太平洋岸北西部在住のアルゼンチンのライター兼フォトグラファーです。プラスチックカメラの大ファンで、 Holgaで素敵な写真を撮るテクニックを掲載した『Tricks With A Plastic Wonder』の著者でもあります。同著は Amazon.comのeBook からもご購入いただけます。


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