60年代、70年代へタイムスリップ:Valentin Ducielへのインタビュー (NSFW)

2017-04-08

記憶に残るヒッピー運動にインスパイアされたValentin Ducielの素晴らしい写真は見飽きることがありません。Valentinの時代を超越する大胆な作風とシンプルなもののなかにも美しさを見出す能力は彼の作品を唯一無二にしています。このインタビューではValentinがこれからの展望と、Bob DylanとThe Kinksが彼の作品に与えた影響について明かしてくれました。

こんにちは、Valentin!ロモグラフィーへようこそ。ご自身を一言で表すとどんな方でしょうか?

ロモグラフィーのウェブマガジンをご覧のみなさま、こんにちは!今回はこのような機会を頂けて本当に嬉しく思います。自分を表す一言は思いつかないけど、友達が言うには僕は生まれる時代を間違ったか過去人だと言われています。Marty Mc Flyみたいなね。

あなたは60年代/70年代の文化やファッションに強い情熱を注いできますね。これらの時代はあなたの写真スタイルにどのように影響したでしょうか?この時代のなかで一番惹かれるのはどの部分ですか?

私がこの時代で何よりも大好きなのはすべてが非常にフォトジェニックで魅力的なところと、前進し世界を変えようとする思想、それに自由を求める人たちの熱狂があったところです。バラ色の時代とはいえませんでしたが、思想の波が押し寄せていてヒッピーやロックンロールなど何でもありの時代でした。この時代の歴史は本当に印象的でファッション、アート、音楽、映画など、どの分野においても素晴らしいインスピレーションの源となっています。私は若い頃からBob Dylan、The Stooges、Hendrix、The Birds、The Kinksといった60年代の音楽の虜でした。

アナログに惹かれる理由はなんでしょうか?またフィルムで学んだことのなかでもっとも価値のあることはなんですか?

私がアナログ写真を好むのはシンプルでダーティーな部分があり、ランダムだからです。現像されるのを待っている時間は本当にわくわくします。旅行中にフィルムを撮り終わったら鞄の中にしまい込んで、現像するのは旅行から帰るまで待たなければいけません。コンピューターもバッテリーもなく、その瞬間だけに集中する自由があるのです。そしてフィルムを現像してプリントされた写真を受け取ると、まるで魔法のようにもう一度旅行している気分になれます。私はアナログ写真から完璧なものが必ずしも美しいとは限らないということを学びました。これによって私は身の回りの世界について再考し新しい見方をできるようになりました。

60年代や70年代からの影響の他にはどのようなものからインスピレーションを貰っていますか?作品の制作過程について聞かせてください。

西部劇でも最近のものでも映画が大好きで、インスピレーションの源となっています。色や筋書、動きが非常に興味深い要素なんです。良い本も想像力を掻き立ててくれるのでたくさんのインスピレーションを貰うことができます。作品の制作方法については決まっていることはありません。その一瞬、情景、空気、光が一つに結びつく瞬間を撮影します。私自身が被写体に介入するのではなく、逆にそれらに依存しているのです。

写真をやりたいと気づいたのはいつのことでしょうか?それが趣味ではなく生活のための仕事になったのはいつですか?

写真を始めたのは、傷心し大きな疑問とともにマンチェスターに引っ越した2年前のことです。それからすぐにカメラに夢中になりました。私は心底働くことに向いていないと思っていたので、情熱に身を任せて生きようと決めたんです。いまでも十分に生活費を稼げているとは言えませんし、特にフィルム写真だけを実践しているとそれはとても難しいことですが、同時にモチベーションにもなります。人生の目的はお金を稼ぐことではなく、自分のしていることに誇りを持って幸せに感じることだと思います。

あなたは独学で写真を学んでいますね。自分で写真を学ぶことの利点はなんですか?同じように独学で学ぶ写真家のみなさんへなにかアドバイスはありますか?

独学で学ぶための前提条件はありません。ただ情熱と好奇心をもって決断するだけです。独学は私にとっては最良の選択肢でした。写真学校に入学して一日中それについて話していたいとは思っていませんでしたし、そうしていたらきっと写真に飽きてしまっていたでしょう。独学では学校のように制約やルールに縛られることなく自由でいられます。独学で学ぶ写真家の人へのアドバイス?心のままに自分のスタイルに従って、写真と技術を学んでください。

写真のルールで破りたいものはありますか?

はい、もちろん!お願いだから、広告の神様には古いインスタグラムのフィルターを使うのはやめてフィルム写真を使ってほしいです。他は写真以外の分野でも同じように、何よりも強い経済的な苦境以外には破るべきルールは特にありません。私はただ喜びや幸せ、酔いや旅の心地よさで私たちを満たしてくれる写真をもっとたくさん観たいだけなんです。最近では芸術、特に写真は虐げられています。世界が美しいもので溢れすぎているというのも少し悲しいものです。

作品では美しい自然や風景に囲まれた人々を撮影することが多いですね。自然のどのようなところにインスパイアされますか?

自然はいつでも時を超えて美しく、ワイルドでパワフルです。言葉では表現できない素晴らしさを与えてくれるんです。自然は私の心を掻き立て、本物であり続け、そして与えてくれたものに対して決して見返りを求めない偉大な存在です。

いま活動中のプロジェクトや今後のご予定についてお聞かせいただけますか?

現在はパリにいるのですが、自然を撮影するのに最適な場所とは言えません。幾つかのブランドのためにアナログ写真と、スーパービデオの撮影もしています。お金が貯まったらすぐにでもアメリカに行って、映画スタイルとともに遠く忘れ去られたアメリカのアメリンディアンズのドキュメントシリーズを撮影したいです。

Valentin Ducielの人生の一日はどんなですか?

典型的な一日ですか?自惚れているように聞こえるかもしれませんが、なるべく同じような日を繰り返さないようにしているんです。実際、朝はあまり遅くまで寝すぎないようにして、なるべく早く友人たちと街の狂乱から離れるようにしています。午後にはパリで一番安いバーに入り浸って呑みながら笑っています。結局はそれこそが人生の目的なんです。


記事内の写真はすべてValentin Ducielの許可を得て掲載しています。彼の活動についてもっと知りたい方は InstagramFacebook もチェックしてみてください!.

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