見慣れた風景をカメラのレンズを通して全く違う視点で見てみよう!

2017-04-18

ホルガの使い方を書いた著書『Tricks With A Plastic Wonder』でも有名なLorraine Healyはロモグラフィーのカメラの大ファン!今回はふるさとのブエノスアイレスをいつもとは違う視点から撮影してくれました!見慣れた景色を魅力的に写す秘訣とは?

Lomo’Instant Wide 。ブエノスアイレス。

ブエノスアイレスに帰郷するときはいつも、なにか「新しい」カメラを持っていくようにしてるんです。自分と関係の深い場所をそのカメラでまだ撮影したことがないなら尚更です。繁華街の北方の緑豊かな地域にある母のアパートに辿り着くまでの間は大抵、持って行ったカメラでどんな写真を撮るか考えています。

配管工/鍵屋さん"Belgrano R"の昔ながらの手書きの看板。ブエノスアイレス。

数週間前、同じようにブエノスアイレスに帰った私は真新しい新しい経験に挑戦したんです。それはこれまでに一度も使ったことのない新しいメディアでブエノスアイレスを撮影することでした。使ったのはインスタントフィルムです。私はインスタント写真初心者で、Lomo'Instant Wide用のFuji Instax Wideフィルムを10カートリッジも持って故郷に降り立った時には少し緊張していたくらいでした。移動中にフィルムが熱くなりすぎないか、過度のX線にあたってしまわないか、南半球の真夏の光はISO800のフィルムには強すぎないか、母はフィルムに冷蔵庫のスペースを奪われることを不満に思わないか……。

X線検査や18時間のフライトがフィルムカートリッジをダメにしてしまうんじゃないかと不安でしたが、スキャンは一回だけでもちろん滞在中に使い切るつもりだったので安心しました。何枚かの写真では色が褪せてしまいましたが(上の写真参照)、他は大丈夫だったので撮影の際の設定の問題かと思います。
露出設定を-1にしても露光オーバーになってしまった例

真夏の2月のブエノスアイレスの日差しの下ではISO800しか選択肢のないフィルムは明るすぎるでしょうか?答えはどちらともいえません。大都市である程度撮影したことのある人なら、通りの片側は明るく反対側は暗い影になっていることが多いとに気づくはずです。Lomo'Instant Wideには露出調整ボタンがついているので、日中はいつも設定を「-1」にして撮影していました。それでも光が強すぎる時には直射日光の当たらない時間を選んで再挑戦してみました。もちろんそれができない場合もあるので上に写っているラ・ボカのカミニートエリアのように露出オーバーの写真しかない場合もあります。

上手くいくときには上手くいきます。カフェの中で露出調整もいじらず自然光だけで撮影した写真。

明るさについてもう一点挙げると、生まれて初めてインスタントカメラでフラッシュを使ったんです。アメリカでは夜にインスタントカメラを使う機会がなかったし、そもそもあまりフラッシュを使わない性格なんです。でも、今回はブエノスアイレスのカーニバルに出かけたので、パフォーマンスの準備をする人たち(アルゼンチンでは murgueros と呼びます)をインスタントフィルムで撮影したらどんな写真になるのか見てみたかったんです。暗くなりすぎて写真がぼけてしまったのをみて、今こそフラッシュに挑戦するときだと考えました。

Carnaval de Villa Crespo, Buenos Aires.

主を待っている3着の衣装の写真のように、被写体に十分近flash撮影はとてもうまくいきました。ですが、いざパレードが始まると中心の人物以外は暗くてよく写らなかったように思います。Lomo'Instant Wideでのもう一つの課題は正確なフレーミングが難しい点です。通常の離れた場所からの撮影であれば問題ないのですが、この美しく廃れたシトロエンのような写真の場合には自分のフレーミングの未熟さを感じました。

ビンテージのシトロエン2CV(私の初めての車)、ビジャ・デボートの近くの路上で撮影。

一つ確かなことは印刷された写真をすぐに見れることは何事にも代えがたいことです。アナログカメラマンはデジタルのように撮影後にすぐ確認できる手段を持っていません。ですが、頭のなかに描いたイメージを撮影した数分後にはプリントされた物質として手に入れることができるのは素晴らしいことです。ストリートアートを撮影したときや、持っていたカメラで撮影したほどのジープの所有者に写真のコピーを渡せたときには特にこの素早さに感謝しました。私が彼の「赤ちゃん」の写真を売ったり商業的に利用したりしないと約束すると、彼は寛大に大量の写真を撮らせてくれました。

コスタリカのジリボンストリートのそばにあるこの一角を好きにならない人がいるでしょうか?何年も前のことを知っている「エスタンシエラ」、素晴らしいストリートアート、そしてその壁の赤い部分には地元の聖人Gauchito Gilの小さな祭壇があります。

余談ですが、母は冷蔵庫のスペースを奪っていたインスタントフィルムについて何も文句は言いませんでした。彼女は私が帰るたびに冷蔵庫に不思議なものが現れるのに慣れてきたようです。黒い布に包まれたカラー赤外線フィルムの箱や35㎜、120のクロムやカラーネガフィルムなどなど……少し箱が増えたくらいでは何も変わらないですよね?

ラ・ボッカのコミュニトエリアではもともと鮮やかな壁の上にステンシルで描かれたストリートアートがありました。
アルゼンチン音楽では伝説的なLuis Alberto Spinettaは彼の名を冠した鉄道のトンネルの下に壁画として残り続けています。コフラン、ブエノスアイレス

Lorraine Healy (@lorrainehealy) は太平洋岸北西部在住のアルゼンチン人ライター兼フォトグラファーです。プラスチックカメラの大ファンで、 Holgaで素敵な写真を撮るテクニックを掲載した『Tricks With A Plastic Wonder』の著者でもあります。同著は Amazon.comのeBook からもご購入いただけます。

2017-04-18 #gear Lorraine Healy の記事

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