フォトグラファー アチトシヒロ × Neptune Convertible Art Lens System

普段は広告やポートレイトを主に撮影しているフォトグラファーの アチトシヒロ さん。今回は個人の作品をアーティスティックに仕上げたいということで、Neptune Convertible Art Lens Systemを使って撮影していただきました。そしてレンズの感想や、写真を始めたきっかけをインタビューしました!


Name: アチトシヒロ
Web: www.edenlamp.photo
Instagram: edenlamp_photo
Lens: Neptune Convertible Art Lens System

model: 伊藤歌歩

── こんにちは、アチさん!簡単に自己紹介をお願いします。

フォトグラファーのアチトシヒロです。最近では広告の撮影をちらほら、若手俳優さんの宣材など人物の撮影をしながら作家としての作品づくりを始めています。

── どういったきっかけで、写真を撮り始めたのですか?

あんまり覚えていないのですが、高校時代の生活がきっかけかもしれません。高校生のときに映画にハマって、岩井俊二監督の「花とアリス」や石川寛監督の「tokyo.sora」をはじめ色々な邦画作品をテスト勉強が疎かになるくらい観ていました。そこから視覚的な表現の分野に興味を持っていって、1番気軽で身近だった写真を選んだんじゃないかなと思います。

── Lomographyのことを知ったのは学生時代の時とお聞きしましたが、ロモとの出会いを教えてください。

実はロモには大学生活でかなりお世話になりました。写真部で活動していていく中で、最初に手に取ったフィルムカメラがロモの Fisheye No.2 という魚眼で撮影できるカメラでした。写真は四角いものだと認識していた自分に、丸く写る魚眼レンズのカメラは新鮮だったんです。学生生活で似たりよったりな時間が流れる日常のなかで新しい発見を与えてくれる存在として重宝していて、よく持ち歩いていました。当時、あんまりメジャーではない表現に面白みを感じていたので、クロスプロセスで写真を撮るときなどもロモにはお世話になっていました。

── 普段はどんなカメラやレンズで撮影されていますか?何かこだわっていることがあれば教えてください。

仕事ではデジタルの最新機材を使っての撮影が多いですが、作品づくりや仕事でも作品性を全面に出して良い撮影ではデジタルカメラにオールドレンズをつけて撮影したり、自作のフィルターを使ってみたり、中判カメラを使ったりと、デジタルもアナログも色々試しながら臨むことが多いです。現場でどれだけ納得のいくものが撮れるか、新しいことができるか常々意識するように努めています。

── 今回撮影した作品のテーマを教えてください。

『KOROMO:衣』というテーマです。

ひとの心の断片が布で可視化されて見える世界。なんてものがあったらどうかな、と思って撮りました。何かに覆われていたり、積み重なっていたり、どこか流動的だったり、見えづらかったりそんな心の有り様を撮ってみたくて。まだまだこのテーマで全然撮り切れていなくて、これから時間をかけて撮っていきたいなと考えています。

このテーマが出てきたきっかけは、自分でも撮影で使う衣装を探すために個人のデザイナーさんがやっているアパレルブランドや巷であんまり見かけない服を取り扱っている古着屋をまわっていた時の人との出会いが大きかったと思います。

ちょうど仕事でアパレルブランドの撮影があった時期とも重なっていたので、その界隈の人や服好きな人から色々話を聞く機会があって、この服は誰々っぽい服だよね、みたく服についての印象を話したり生地の素材感を身近な人や全くジャンルの違ったものに例えて話をしていることが新鮮でした。親しくなってそういった話を聞くにつれて、着ている服がその人自身の在り方を象徴する断片のように意識させられることもあって、人柄との一体感とかそういった内面的なものと通じていることに面白みを感じ、何か表現できないかと思って考えたのがこのテーマで撮るきっかけになったと思います。

── Neptune Lensを使ってみた感想を教えてください。

持ち運びがしやすく気軽にレンズを替えられるので、軽快な気持ちで撮影ができました。マニュアルフォーカスなのでガチガチにピントが合ってないと嫌という人には向いていないかも知れませんが、ピントをずらして微妙な奥行き感や空気感を出したい人やデジタルで撮った写真を最終的にフィルムっぽいトーンに仕上げたい人は試行錯誤して遊びながら試せる面白いレンズだと思います。

── 35mm、50mm、80mm、どのフロントレンズが1番使いやすかったですか?

50mmのレンズです。もともと50mmのレンズが好きというのもありますが、開放f2.8の明るいレンズなのでたぶん1番多く使ったと思います。

── お仕事ではデジタルで撮影することが多いそうですが、フィルムとデジタル、この2つの違いは何だと思いますか?

撮影する際の自由度やリスクなど色々あると思いますが、フィルムはたまに自分の感覚の枠を越えた写真を撮れるような気がします。写真を撮っていると自分が良いと思うものは段々固定されてきてその枠から抜け出せなくなってしまう時もありますが、フィルムは偶然性を呼び込む分、仕上がりのリスクはありますが自分の感覚を再構築するヒントをくれたりと新しい発見があります。最近ではデジタルでも新しい発見ができるように工夫して撮影していますが偶然性の部分は難しいなといつも思っています。

── 最後にメッセージがあればどうぞ!

今年の10月中旬頃にアパレルブランドのumuと都内のギャラリーを借りて合同の展示会を行います。私は写真を展示するのですが、また近くなったら詳細告知するので Instagram など見てもらえたら嬉しいです!

2018-06-28 refallinsasaki の記事

Neptune Convertible Art Lens System

カメラと接続するベースレンズとフロントレンズに分けることで、ショットグラスほどの大きさで持ち運べるレンズセット Neptune Convertible Art Lens Systemがロモグラフィーより誕生。焦点距離35mm、50mm、80mm。3種類のフロントレンズと、絞りの形を変えられるスペシャル絞りプレート。レンズと絞りプレートの組み合わせで様々な撮影が可能です。

コメントはまだありません

他の記事を読む