Fantôme Kino Black and White ISO 8 Film:撮影と現像に関するアドバイス

アナログ写真好きの皆さんを応援することが、ロモグラフィーの大事な役割の1つ。新しい Lomography Fantôme Kino Black and White ISO 8 Film(ファントムキノフィルム) が、モノクロ写真や自家現像を楽しむきっかけとなれば嬉しいです。今回はこのフィルムでの撮影、現像、そしてスキャンを行う際のアドバイスをお話します。

Photos were taken by © Banyong Ngamwilai and © Dannah Gottlieb

Fantôme Kino B&W フィルム は、Berlin Kino FilmPotsdam Kino Film に続く、全く新しいロモグラフィーのKinoフィルム の一員です。低いISO感度で、フィルム・ノワール時代にタイムスリップしたような深い陰影を描き、感情を揺さぶるようなシーンをドラマティックに写します。

撮影

ISO感度が「8」なので、適正な露出での撮影が重要になります。感度設定をマニュアルで操作ができるカメラ、絞りを自由に変えられる被写界深度が浅いレンズを選ぶと、よりスムーズに撮影が楽しめます。
既にFantôme Kinoフィルム でテストシュートしていただいたフォトグラファーからのヒントをご覧ください。

  • カメラのISO感度設定を8にする。
  • カメラのISO感度設定を変えられない場合は、露出計を使用して適切な感度設定になるように調整します。
  • 一番明るいレンズを使用し、絞りを開放にします。
  • ミラーロックアップの機能があるカメラの場合、振動を最小限に抑えられるのでスムーズに撮影ができます。
  • 三脚や、シャッターレリーズを使うと、より鮮明な写真が撮影できます。
  • 晴天時屋外に相当する光量を推奨します。
Photos were taken by © Banyong Ngamwilai, © Dannah Gottlieb, © Alfred Gerke, © Adrian Bilek

実験的な撮影を試してみると、いかに Fantôme Kino B&W film が多彩な表情を見せてくれるかに驚かされるでしょう!しかし、そのISO感度の低さから、撮影時の光量をしっかりと確認しましょう。

現像

モノクロフィルムの良さは撮影だけではなく、自家現像がしやすいのも魅力的ですよね。自家現像の場合、様々な方法を楽しむこともできます。

今回は5種類の現像液をご紹介します。それぞれ仕上がりが少し異なるので、自分に合ったスタイルを見つけるのも楽しいですよ。準備や攪拌の方法は、現像液の製造元が推奨する手順に従ってください。

  • D-96: standard 希釈 20°C 6分30秒
  • Kodak HC 110: B 希釈 20°C 7分
  • Ilford Ilfosol 3: 1+9 希釈 20°C 10分30秒
  • Compard R09: 1+50 希釈 20°C 8分
  • Tetenal Ausgleichsentwickler: standard 希釈 23°C 9分

D-96Fantôme Kino B&W film にオススメと言えます。ハイライト部分の細部の描写を、美しく保ちつつも、このフィルムの特徴であるコントラストの力強さを失いません。D96は、Kodak社がかつて製造していた現像液ですが、CineStill、もしくはBellini製のものでも同等の結果を得ることができます。

D96: standard 希釈 20°C 6分30秒

Kodak HC-110 自家現像の際に良くつかわれる現像液です。HC-110でFantôme Kino film を現像すると、ドラマチックなコントラストを得ることが出来ます。写真にポップなテイストを与えたい方は是非チャレンジしてみてください。

Kodak HC 110: B 希釈 20°C 7分

Ilford Ilfosol 3 美しい粒子感とコントラスト、影の部分のデティールを驚くほど繊細に描きます。写真をソフトな、ムーディーな雰囲気に仕上げたいのならIlford Ilfosol 3がオススメです。

Ilford Ilfosol 3: 1+9 希釈 20°C 10分30秒

Compard R09 Rodinalの代替品として使用できます。細かなディテールとシャープネスを保ち、程よい粒子感が残せます。細部にこだわりたい方にオススメです。

Compard R09: 1+50 希釈 20°C 8分

Tetenal Ausgleichsentwickler コントラストのバランスが良く、自然光下での撮影、ルポタージュ、また芸術写真の現像にも適しています。オールラウンダー向きな現像液と言えるでしょう。様々な撮影条件、スタイルにも適用しています。

Tetenal Ausgleichsentwickler: standard 希釈 23°C 9分

自宅での現像に不安がある方も心配いりません!白黒現像を受け付けてくれる現像所を探して、現像可能か確認してみましょう。初めて現像する場合は、この現像レシピを参考に伝えるようにしましょう。※現像可能な現像所はコチラ

撮影、現像についてご不明点ございましたら、help@lomography.jpまでお問い合わせください。

プリント

Fantôme Kino Film は、光と影のバランスをどう捉えるかでプリント後の写真の表情が変わってきます。このフィルムのきめ細かい粒状感は、写真を大きくプリントしても細部の美しさを失うことはありません。様々なフィルターを活用することで、仕上がりも劇的に変化するでしょう。実際にプリントすることで、フィルム写真の醍醐味をお楽しみください。

Photos were taken by: © Nopawach Gajajiva, © Edward Conde, © Richie Duque, © Hamish Gill, © Adrian Bilek, © Marja Nikolcic

スキャン

スキャンしてデータ化する場合でも、Fantôme Kino Film が描く、ハイコントラストで印象的な細部の表現を楽しむことが出来ます。きめ細やかな粒状性により、スムーズでノイズの少ないスキャンが可能です。ここでも様々な設定でのスキャンに挑戦することで、自分好みの結果に出会えるはずです。


Fantôme Kino B&W のレシピはいかがでしたか?Kinoフィルムシリーズ で撮影された写真は、是非 #heylomography のハッシュタグをつけてSNSにシェアしてみてくださいね!みなさまの素敵な投稿を楽しみにしています!

2020-03-27 #gear #ニュース #チュートリアル cheeo の記事

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