フィルムをスキャンするにはどんなスキャナーを購入したらいいの?

DigitaLIZAを使ってのスキャンをお考えならば、フラットベッドタイプのスキャナーをご購入下さい!というのが1つの回答です。

でもスキャナーにどんな種類があるのか、どんな注意点があるのかをご存知ない方の為に、新しいものから従来のスキャナーまですべてのスキャナーについてこれからガイドをお話しいたします。

私たちはアナログのフィルム写真が大好きです。でも時には、Spinnerなどの特殊フォーマットの場合のように、気軽にラボにプリントや、データ化を依頼できないなんてことも。わずかな人しか暗室をお持ちで自分で印画紙にプリントできる人はいないでしょう。
そんな時、あなたはスライドフィルムで撮影しますか?友達とだけリビングルームでプロジェクターを使ってしか、見せ合うことができませんか?そうではないでしょう。このような時、写真をスキャンするという方法が必要です。これは、スキャンするための総合的なガイドになるでしょう。新しいものから従来のスキャナーまですべてのスキャナーについてお話ししたいと思います。

スキャナーの種類

あなたがスキャナーの購入を決める時、基本的に3種類の選択があります。
この3つは互いに、長所と短所があります。詳しい商品仕様の保証はできませんが、私は、この3つのカテゴリーのスキャナーを個人的な経験からお話いたします。あなたが使っているカメラとフィルムに加えて、スキャンする形によって、どんなスキャナーを選べばいいのかをご考慮頂くことができます。下の写真は、クリアですばらしい状態にスキャンされたスライドです。

1 : フラットベッド・スキャナ

背面光ユニットがあるフラットベッド・スキャナは、スキャナー界のダークホースです。それはよく、過小評価されがちです。私の持っているフラットベッド・スキャナはEpson 4490というモデルです。これは、蓋にライトがあり、2種類のフレームマスクが付属しています。このような仕組みのスキャナがいろんな種類の会社から販売されています。
こういった仕様のスキャナーは、フィルムのスキャンが可能です。 ここ5年程で、スキャナーは大きな進歩を遂げました。このEpsonのスキャンは4800 dpi(後程詳細をご紹介します)で自然にスキャンします。このタイプのスキャナがほとんど典型です。ほとんどのプリンターは、300dpiほどでちょうどよく動きます。このdpiで、35mmネガは 21×14 inchのプリントができます。これは、上記の100%の大きさのイメージです。

長所

私の経験上、フラットベッドタイプのスキャナがあなたに最適でしょう。これらのスキャナは、スライドフィルムもネガフィルムを小さなトラブルでハイクオリティーのファインアートプリントにスキャンすることができます。
35mmネガをスキャンする時、あなたはたいてい数コマでカットされた2本のネガをセットし、すぐに全てのコマのネガを簡単にプレビューすることができるでしょう。
これらのスキャナー多用途性もまたすばらしいです。別のトレイで、35mmと同じように中判フィルムのフォーマットもスキャンすることができます。Epsonのこのトレイは、6cm x 12cm のサイズもスキャンをすることができ、Holga WPも、Holga 3Dもスキャンすることができるサイズです。いくつかのスキャナは、4x5 のネガや、それ以上さえもスキャンできるトレイが付属しています。また、この種類のスキャナのほとんどは、通常のドキュメントもスキャンすることができます。市販のフラットべッドスキャナは、100~200USDで購入することができます。
これは6x12 cmのHolga wide and pinholeカメラで撮られたネガをEpsonのスキャナでスキャンした様子です。

短所

フラットベッド・スキャナの最も大きい難点はコントロールです。調整可能でない部分が生じることがあります。 露出が正しいネガとスライドに関しては、これは問題ではありません。もしあなたが、極端な影やハイライトなど追加の詳細が欲しい時は、多少のトラブルに出くわすかもしれません。 同様に、もしあなたが撮影した写真に写った状態の露出以上に適正を求めているのであれば、こちらもトラブルがあるかもしれません。

また、フラットベッド・スキャナを使用するときに、多くの人々が「ニュートンリング」というものが現れるという別問題を経験することがあります。これは、スキャナのガラスにネガが触った時にできるレインボーカラーのだ円形です。この修正方法については後程お話しましょう。どんなイメージが見えるのか、ニュートンリングが生じている写真を拡大してお見せします。

2:フィルムスキャナ

専用のフィルムスキャナーは、アナログからデジタル変換へのネクストステップです。
この言葉が、洗練されすぎて聞こえていたらすみません。でも、フィルムスキャナーはまさに高性能です。
私が使ったことがあるこのカテゴリーのスキャナーは、Nikon Coolscan IVです。今となってはこのスキャナーはすっかり古いですが、本質的な部分はまだ適合範囲内です。フィルムスキャナーは、実際にレンズで焦点のフォーカスを実行し、より高い解像度のイメージを作成します。 ほとんどが、数コマでカットされたネガ全体を一気にスキャンし、自動的に処理します。一般的に、ハロゲンライトを装備しており、スキャナー内のフィルターを使って明暗度、彩度などを自動調整することができます。

こういった仕様は、あなたによりたくさんのコントロールを与えます。Nikonのスキャナーは、実際ハロゲンライトを使っていませんが、3つのLEDライトを使っています。時間がたっても、明暗度は弱まらないでしょう。この3つに分かれたLEDは、それぞれの異なった色がカラーバランス、彩度、ほかの調整などを可能にします。以下はCoolscan IVでスキャンしたイメージです。

長所

フィルムスキャナーは正確です。それは、露出や色彩など、スキャンの処理上の使い手の完ぺきなコントロールを受け入れます。読み込み方式や、ガラスプレートの不足は、ネガの歪みは問題でないことを意味します。
論理的に、フラットベッドスキャナーは、本来フィルムをスキャンする為には作られていません。フィルムスキャナーは、専用ですので、もっとよい働きをするでしょう。スキャナーの品質という意味ではなく、あなたはフラットベッドスキャナーよりもフィルムスキャナーの方がより良い結果を得ることができるでしょう。

短所

フィルムスキャナーの主な問題は、扱いにくいことです。フラットベッドスキャナーは、使い方が簡単です。今使っているフィルムスキャナーのソフトウェアでさえも、スキャン前によくマニュアルをよく読むににこしたことはないでしょう。レベルや、カーブの使い方を知ることは、露出と色調の調整の為に大切です。

また、ほとんどのフィルムスキャナーは、35mmフィルムの為に設計されています。中判フィルム用のスキャナーは少し高価でしょう。よい35mm用のスキャナーは、200~数千ドルくらいで手に入ります。

3:ドラム・スキャナー

正直にいって、これはばかばかしい程高価なので、私は、あまり話すつもりはありません。ドラムスキャナーは素晴らしいクオリティーのクレイジーな程の高解像度を生み出すために、レーザーと光電子増倍管を使います。光電子増倍管は、前記のようなスキャナで使用されるCCDチップよりはるかに敏感です。それらは、実際に液体のチューブであなたの写真を取り付けます。それはかなり激しい処理です。 あなたが、お金に有り余っているようでしたら、ドラムスキャナーを所有する業者にネガを送ってみて下さい。35mmネガの1つのフレームにつき、20~30ドル程、中判フィルムネガのフォーマットなら40~50ドル、6×12のネガなら100ドル以上かかるでしょう。

スキャナ選びのもう一つのポイント

私は、解像度とダイナミック・レンジがスキャナーにとって一番大切な面だとはいいたくありません。しかし、 この数値が最も目に見える違いをユーザーに引き起こす要素です。 スキャンに使用する時、これらの条件を取り崩すつもりでいます。詳しいことの前に、2つの事をお話ししておきます。
1) ほとんどの現代のスキャナーは、十分な解像度以上と、かなりのダイナミック・レンジを持っています。
2) スキャナーは実際と見合った値段が付けられています。だから、安価なスキャナーを手に入れた時は失敗することもあります。失敗した時はいつでも「失敗は成功の元」ということわざを思い出して下さい。

解像度

解像度については、デジタルカメラをご存知な誰もが知っているでしょう。それはまた、高い確率で、スキャナーのパッケージや、POPに書いてあります。もうすでにお話ししているように、市場にあるほとんどのスキャナーは、十分な解像度の機能があります。3000dpi以上の解像度があれば、どんなものでも大丈夫です。多くのスキャナーは、補正がありますので、気を付けて下さい。 補正はスキャナーは求められている画素数を推測し、ピクセルを構成するので、特に問題はないので気にしなくて構いません。次の写真は、 中判フィルムで撮ったイメージを100%の大きさでトリミングしたものです。Epson 4490ならばネガと同じ解像度で、 6×6cmのネガは10000画素以上の大きさのスキャンを生み出すことができます。

ダイナミック・レンジ

ダイナミック・レンジ(機器が処理できる最小信号に対する最大信号の比)は、どれだけ詳細にスキャナーが、ハイライトや影を引き出すことができるかに関連します。フィルムで言うならラティチュード(適正な露出からずれて撮影してもプリントするときに補正できる範囲)です。

フィルムで撮影するのが、最もよいという理由の一つは、フィルムがデジタルより素晴らしいダイナミック・レンジを持っているからです。あなたは、HDR (ハイ・ダイナミック・レンジ)の写真を知っていますか?
白黒フィルムで撮影して、いい感じにスキャンした写真はこれと同じように見えるでしょう。なぜなら、白黒フィルムは巨大なダイナミック・レンジを持っているからです。スキャン処理においてよりよいダイナミック・レンジを利用したいでしょう。ダイナミック・レンジは0 – 4の単位で表され、たいてい「Dmax」と呼ばれています。Dmaxが少なくとも3以上のスキャナーがお勧めです。 次のイメージでお分かりのように、明るく照らされた草のデティールが見えています。 これは、フラットベッド・スキャナーには当てはまらないかもしれません。

スキャンする時のコツ

スキャナーのソフトウェア

スキャンに使うソフトウェアはスキャナー自身と同じくらい重要です。スキャナーのソフトウェアについて面白いのは、よく、スキャナに付属しているソフトウェア以外の、より良い第三者ソフトウェアを購入できるということです。
NikonもCanonも、 付属のソフトウェアがあり、両方ともすばらしい働きをします。Epsonもまた、よいソフトウェアプログラムを持っています。
例えば、VueScanとSilverFastは、スキャナーの為の第三者ソフトウェアです。 両方とも高くカスタマイズすることができます。あなたはスキャナをセットアップして、簡単に自動露出を使用したり、よりコントロールするために活用することができます。

正しいスキャンの方法

正しくスキャンされた写真は、デジカメの写真データと少し似ています。スキャナ自体が基本的に専門化したデジタルカメラのようなものであることを覚えておいてください。もしあなたが、ひねった露出量撮影したならば、アンダーにしたり、すこしオーバーにしたりした調整した方がいいです。

ほとんどのスキャナーのソフトウェアは、レベル・カーブ・カラーバランスについての何らかのコントロール画面があります。これらを絵筆のようにコツコツ調整して下さい。チューニングをしながら、ソフトウェアであなたのイメージのニュアンスを壊さないように注意して下さい。
例えば、レベルパネルのハイライト調整の時は、全てが問題なく見えるように調整キーを持って行き、次に、ほんの少し戻してください。 たくさんの情報を切り取らないで下さい。 ソフトウェア上でかき回せばかき回すほど、実際の写真と違ってくるでしょう。

「フラット」にスキャンする

この「フラット」というテクニックは2つの意味があります。

一つ目のフラット(均一)はコントラスト不足を表現する用語です。 あなたがソフトウェアでスキャンする時、あなたは少しフラットにイメージを見てから、Photoshopや他の専用の写真編集ソフトウェアで調整した方がよいです。フラットなイメージは、コントラストが強いものより詳細を含みます。初めからコントラストを強くしすぎたりすれば、画像の細かい部分のイメージを多く失った状態からスタートしなくてはいけなくなるでしょう。

二つ目の「フラット」の意味は、文字通り、スキャンする時はいつでも、物質的にフラット(平ら)にするということです。ロール状になってる切られてないネガもしくは、数コマでカットされているネガがフラットでないとスキャンが難しくなります。フィルム専用であるフィルムスキャナーはこの問題をクリアにしていますが、フラットベッド・スキャナーは、実際にニュートンリングのような問題が起こります。これを補正するためには、ネガが実際に触れてしまうガラスの部分に特別な細いシートを利用して下さい。

高い品質でスキャンしたい

いつもできるだけ一番高いクオリティーでスキャンしたいと思います。解像度補正は上げずに、最大解像度と最高ビット深度を使って下さい。ほとんどのスキャナーは、24または、48ビットの色情報でスキャンします。
あるサイトは、高いビット深度はよりダイナミック・レンジになると言うでしょう。でも、他のサイトは、ビット深度は、すべてうそだと言うでしょう。どういうことかというと、スキャナがどうやって明確に色の特定の画素を定義するのかということです。基本的に、ビット数が低い古いスキャナーのピクセルは200階調の赤の1つであるということができるかもしれません。新しい高いビット数のスキャナーは、4000階調の赤の1つであるということができるかもしれません。ビット深度が高ければ高い程、色はより具体的になります。

ブロワーを利用する

スキャナーを購入する時、ブロワーも購入しましょう。最新のスキャナーのいくつかはそれぞれネガから埃を除去する為のICEテクノロジーのスキャン技術を持っていますが、初めに埃を自分で除去した方が得策です。
私は、噴出の際の空気を圧迫する細い管がある、Giottos Rocketというエアーブロワーを持っています。電子機器の埃を取り除く為にも使えるので、ブロワーで、キーボードや、デジタルカメラのセンサー、すべてのフィルムにも使えます。無駄にはならないと思います。

その他のスキャン

それでも、スキャナーにかけるお金がない時、または、実験的なことをしたい時、新しい機械がなくてもできる2,3の面白い方法があります。2つはデジタルカメラを必要として、もう1つは通常のフラットベッド・スキャナを必要とします。
3つとも全て、おもしろい結果を生み出すことができるでしょう。

ネガを接写する

私はデジタル一眼カメラ、いくつかのマクロレンズ、ライトボックスを所有しているので、このテクニックはとても簡単です。 この方法はスライドフィルムやネガフィルムを接写レンズを搭載した一眼レフで撮影します。この方法はスライドフィルムか白黒フィルムでうまくいくことが分かりました。なぜなら、カラーネガフィルムは写真編集ソフトでうまく反転しないからです。
フィルムをフラットに保つことが重要です。そして、撮影する時にフィルムにきっちりとフォーカスを合わせることが最も重要です。三脚を使用して行うことをお勧めします。また、フィルムの後ろから透過させた光が、できるだけ均等になるように気を付けて下さい。次のイメージはライトボックスに乗せたスライドのショットです。色とコントラストは少し厳しいのですが、しかしそれは、ウェブ上では問題ありません。もし、4×6以上の大きさにプリントしたいなら、多分何らかの問題があります。

スライドプロジェクターで投影した写真を撮る

このテクニックは単純に「写真」の写真を撮る方法です。あなたの家の古いスライドプロジェクターを取り出して、白い平らな壁に投影して下さい。次に、その写真を三脚台に固定したデジタルカメラで撮影します。 必ず、プロジェクターを安定した面に置きましょう。プロジェクターのファンによって起こる揺れを最小にするために、上にいくつかの本を置いた方がいいかもしれません。
更にアーティスティックにするし掛けとして、レンガの壁やドアのようなテクスチャーに投影してみて下さい。以下のイメージは壁に投影した写真からスキャンされました。色とコントラストは完全ではありませんが、イメージはかなりシャープです。

フラットベッド・スキャナーを使ったテクニック

もし標準的なフラットベッド・スキャナーをお持ちなら、あなたは、ネガをスキャナの上にぽんと置いてしまうこともできます。この方法はいつも完璧に、というわけではないでしょうが、ある種の面白い写真を創り出してくれます。
このテクニックは、古く、劣化したようなイメージを作ります。焦点は合わず、フィルムを屈折する光は、変わった方向に反射したりぼけが生じたりします。次のイメージは、フラットベッドの標準のセットアップでスキャンして、Photoshopで反転させたカラーネガフィルムです。特にカラーネガフィルムは、このテクニックの影響を激しく受けます。

まとめ

「スキャン」は、おびえるようなものであったり、高価であったりはしません。スキャナーは、私と同じようにフィルムをたくさん使うあなたなら、無理なく買える手頃なものであり、むしろ節約になるでしょう。
このガイドがあなたの為のアナログとデジタルの変換に役立ってくれたら幸いです。

この総合的なスキャンのガイドは、オハイオ州シンシナティのCityBeatのフォトジャーナリストである Cameron Knight によって書かれました。

written on 2011-02-04 in #tipster #techniques #spinner360 #digitaliza