【これさえ読めばOK!】フィルムカメラをはじめるには?
フィルムカメラに興味はあるけれど、一歩踏み出すに至っていないあなたへ、カメラの選び方から現像に出してSNSにシェアするまでの方法をまとめました。まずはこれさえあればOK!というチョイスも掲載。一緒にフィルムカメラをはじめましょう!
まずは一連の流れ。スマートフォンの場合、カメラを起動→ボタンを押して撮影→カメラロールで確認 という操作になりますね。
フィルムカメラの場合は基本的に、
①フィルムをカメラに装填
②撮影
③フィルムを巻き上げ:撮影したフィルムをパトローネ(フィルムのケース部分の名称)へ戻す作業
④フィルムを現像所へ出して現像&スキャン/プリント
⑤スキャンデータをCD-ROMやスマホ転送してもらいデータを確認
以上のステップを踏んで、撮影した写真を見ることができます。現像するまで確認できないドキドキもありますが、仕上がった写真を見た時の喜びもひとしお。早速カメラ選びを始めましょう!
カメラを選ぼう
まずはカメラを手に入れましょう。カメラによって使えるフィルムのサイズが違います。まずは一般的な 35mmフィルム対応のカメラ を手に入れるのがベターでしょう。(参考▶︎ 35mmフィルムとは? )
35mmとはフィルムの大きさを示しており、他に小さな110フィルムや、大きな120があります。詳しくは「フィルムを選ぼう」の項目へ。
ちなみに
・フィルムのサイズが大きい=画像を焼き付ける面積が大きい=引き伸ばしても画質が良く滑らかな写真
・フィルムのサイズが小さい=画像を焼き付ける面積が小さい=引き伸ばすとザラザラし粒子感のある写真 になります。
カメラの種類
カメラの種類は大きく分けて、 レンズ付きフィルム 、 コンパクトカメラ 、 一眼レフカメラ の3種類と言えるでしょう。
レンズ付きフィルム・コンパクトカメラは、基本的にカメラさえ手に入れればOK。一眼レフカメラは、ほとんどがレンズ交換可能なため、カメラとレンズの両方を選ぶ必要があります。カメラ屋さんによっては、オススメの組み合わせで販売しているところもあります。
ポラロイドやチェキでおなじみの「インスタントカメラ」もフィルムカメラですが、今回は省いてお話を進めていきます。
持ち運びや、どんな写真を撮りたいかということを考えて、自分にあったカメラを探してみましょう!
具体的なカメラの機種については、下記のマガジンも参考にしてくださいね。
▶︎ 初心者におすすめなコンパクトフィルムカメラ10選 【作例紹介】
↓↓ここから先は種類別にもっと詳しく知りたい方へ、メリットデメリットを簡単にご紹介!次へ進みたい方は「フィルムを選ぼう」へ飛んでください。↓↓
◾️レンズ付きフィルム
すでにフィルムが装填されていて、手にしたらすぐに撮り始めることができるカメラのこと。様々なフィルム会社から発売されています。基本的にカメラごと現像所に持っていけばOKです。ロモグラフィーのSimple Use Cameraは繰り返し使えるので、フィルムを取り出して現像所へ出してくださいね。(参考▶︎ Simple Use Film Camera:使い方・フィルム交換方法 )
メリット
- 気楽にフィルムカメラを始めることができる。
- 軽くてフラッシュも内蔵の機種が多いため、曇りの日や夜も撮影できる。
デメリット
- 基本的に一度しか使えない ※Simple Use Cameraを含め、繰り返し使えるものもあります。
- 室内・曇りの日など光量が少ない場所ではフラッシュが必要不可欠。(絞りやシャッタースピードを変えられないため。)
◾️コンパクトカメラ
小型のカメラのこと。「自動露出」という光を感知して自動的に絞りやシャッタースピードを調整してくれる機能をもったものや、すべての設定を自分で行う「マニュアル式」まで様々。レンズ付きフィルムから一歩進んでみたいときはコンパクトカメラがいいかも!
メリット
- 手軽に入手することができる。
- 機能や見た目など、様々なメーカーで生産されていたため、選択肢が多い。
デメリット
- 中古カメラの場合、電気系統の故障していることがある。
自動の機能が故障していると、シャッターすら切れないことも多々あります。ものによっては部品不足等の要因から、修理ができないことも。カメラ屋さんでもジャンク扱い(検品されていないため安価なもの)や、ネットオークション等で購入を検討している場合はご注意を。初めての1台はカメラ屋さんで相談して、メンテナンスされたカメラを選ぶと安心。
◾️一眼レフカメラ
カメラの中にあるミラーの反射を利用して、レンズを通して見える像をファインダーから確認することができるシステムを搭載したカメラ。基本的にレンズとカメラはバラバラです。
メリット
- ピント合わせがしやすい。
- 1台のカメラでも、環境によって画角など好きなレンズに換えることができる。
- 基本的にマニュアル操作が可能なものが多く、撮影の感覚をつかみやすい。
- フル機械式なら長持ち。故障しても修理できる場合が多い。
デメリット
- 重い。
- カメラの他にレンズの選択・購入の必要がある。
- カメラとレンズが同じメーカーでも、同じマウントでないと装着することができないので注意。(マウントアダプターを使えば、違うメーカーのレンズを装着することができるようになるので、まずは調べてみましょう!)
いずれもまずはカメラ屋さんで相談したり、カメラ屋さんのオンラインショップで状態を確認して購入するのが安心です。
フォーマットの話
撮影できる写真の形は、長方形だけではありません。基本的な長方形の半分サイズである「ハーフ」、真四角の「スクエア」、長い写真の「パノラマ」など、色々なフォーマットのカメラがあります。
フィルムに書かれている「36枚撮り」といった数字はスタンダードフォーマットの場合を指し、ハーフの場合は36枚 x 2(スタンダードの半分サイズなので)= 72枚、パノラマで長方形の倍のサイズの場合、撮影枚数は18枚となります。
撮りたいフォーマットでカメラを選ぶのもいいかもしれませんね。
フィルムを選ぼう
どんな写真を撮りたいですか?シックなモノクロ写真なら白黒フィルムを、まずとにかくフィルムを始めてみたいという方はカラーネガティブフィルムを選びましょう。
最もスタンダートなチョイスは 「35mm / カラーネガティブ / ISO 400」 です。
フィルムには様々なサイズがありますが、現代は35mmが最も一般的です。120や110フィルムは、お店によって現像ができなかったり時間がかかったりすることもあります。
フィルムの種類はサイズ問わずほぼ一緒。おおまかに分けると下記の3種類があり、それぞれ処理方法が異なります。
- カラーネガフィルム(一般的なフィルム):C-41現像 最も手軽
- モノクロネガフィルム(白黒フィルム): 基本的に現像に数日要する
- ポジフィルム(リバーサルフィルム):E-6現像 現像所によって即日or数日要する
カラーネガフィルムは最もスタンダードな処理方法のため、手軽に使うことができます。一方モノクロやポジは、カラーネガとは違う薬品や機械のため、お店で処理せず外注となることが多く、現像が仕上がるまでに数日かかります。(また現像の項目でお話しします!)
その他、全体的に赤みがかるレッドスケールフィルム、LomoChromeシリーズのような特徴的な色合いになるフィルム、模様が入っているフィルムなど種類は様々。カメラとフィルムの組み合わせは無限大!
フィルム選びに悩んだら、 ロモグラフィーのフィルムガイド もどうぞ!
↓↓もうちょっと詳しい説明↓↓
ISO(感度)ってなに?
ISO(読み方:イソ または アイエスオー)とは、フィルムがどれくらい光を感知するかを表した数字。ASA(読み方:アーサ)とも言う。慣れてきたら撮影する環境やカメラによって使い分けてみましょう。
・ISO感度が低い=光を感じにくい・ほどなめらかな写真=晴れた日向け
・ISO感度が高い=光を感じやすい・ザラザラした写真=暗いところでも撮影できるポテンシャルがあります。(カメラの設定次第!)
これらを表にまとめるとこんな感じです↓
Lomography ColorNegative ISO 100の場合
Lomogarphy ColorNegative ISO 800の場合
詳しくはこちら ▶︎ 基本に戻ろう フィルム感度について
フィルムの種類について
先に少しお話しましたが、35mm以外に使いやすいフィルムとして、110フィルムというとても小さなフィルム、120(別名:ブローニーフィルム・中判フィルム)というロールタイプで大きなフィルムがあります。(その上には大判フィルム、映像用の8mm、16mmフィルムという小さなフィルムなど他にも種類は様々。)
35mmよりはマイナーなので、現像所によって対応していない場合があります。現像所については こちら もご参照ください。
それぞれに魅力があるので、機会があればぜひチャレンジを。
撮影しよう
カメラにフィルムを装填していよいよ撮影!装塡方法は各カメラによって調べると安心です。参考までにLC-A+での装塡方法は こちら 。
撮影は シャッターを押す→フィルムを巻き上げる→シャッターを押す の繰り返し。フィルムの撮影枚数(24枚、36枚など)は若干前後することもあります。大体のカメラが巻き上げレバーが固く巻き上げられなくなった時が、撮り終えた合図です。それまでひたすら好きに撮影しましょう!Don’t think, just shoot!
撮影中の注意
※裏蓋を開けない※
フィルムは光に当たると感光(=光によって化学反応を起こし、もやが入ったり真っ白になるなど)してダメになってしまいます。フィルムを巻き上げるまで、絶対に裏蓋を開けないこと。
ちょっとおかしいな、と思ったらカメラ屋さんに持って行って、暗室で確認してもらいましょう。
↓↓もうちょっと詳しい説明↓↓
明るさを調整したい!
写真が明るすぎて白トビしてしまったり、暗すぎちゃったなんてことがあるかもしれません。そんな時、ゆくゆくでもおさえておきたいのが「絞り」と「シャッタースピード」の関係性。
写真の明るさを調整するには、フィルムに当たる光の量を調整する必要があります。光量を調整するには、絞り(シャッターの穴の大きさ)とシャッタースピード(その名の通り、シャッターを開いておく時間)を設定すればOK。
マニュアルで調整する場合は露出計などを使い、正しい露出で撮影する必要があります。明るすぎたり(露出オーバー)、暗すぎたり(露出アンダー)したら、上の表を参考に調整してみてくださいね。
ざっくりまとめるとこんな感じです↓
- 明るすぎる!→ 絞りを小さく(数値を大きく)・シャッタースピードを速く・感度の低いフィルムを使う
- 暗すぎる!→ 絞りを大きく(数値を小さく)・シャッタースピードを遅く・感度の高いフィルムを使う
動いているものを撮るときはシャッタースピードを速く、明るさは絞りや高い感度のフィルムを使うなど、コツがあります。うまく使いこなせば、どんな環境も怖いものなし!
もっと詳しい説明は以下のマガジンもどうぞ。
▶︎ ロモグラファーの為の基礎カメラ講座 : 絞り、ISO & シャッタースピード
現像しよう
フィルムを全て撮り切ったら、フィルムを現像に出しましょう!
撮影が全て終わると裏蓋を開けたくなってしまいますが、 巻き戻しが終わるまで裏蓋を開けてはいけません。 撮影したフィルムをキャニスターに戻すため、しっかり巻き戻しましょう。巻き戻しレバーが急に軽くなる感覚があると思います。これが巻き戻し完了の合図!裏蓋を開けて、フィルムを取り出しましょう。
※各カメラによって巻き戻し方法を検索してみてくださいね。
※オート巻き戻し機能が搭載されたカメラもあります。その場合は撮影が終わると自動で巻き戻しが始まります。
※Simple Use Cameraを含む、レンズ付きフィルムは巻き戻し不要です!
取り出したフィルムは、近くの現像所へ持っていきましょう。郵送で受け付けてくれるところもありますよ。前途のように、フィルムの種類によって、処理方法が異なります。さらに、お店ごとに処理できるフィルムや、仕上がりの所要時間も様々。珍しいフィルムに限らず、気になる場合はお店に確認しましょう。
参考▶︎ 家から近い現像所が知りたい!
撮影した写真をSNSに投稿するための画像として受け取るには 「現像とデータ化」 で注文しましょう。
- 現像: 最低限行ってもらう処理。撮影した像を浮き上がらせ、フィルムを光に当てても大丈夫な状態に定着させること。
- データ化: 現像したフィルムをスキャンし、写真の状態にしたデータとして受け取ること。CD-ROMやスマホ転送でもらえます。
- プリント: 現像したフィルムから(またはそれをスキャンしたデータを)、写真用紙などに印刷してもらうこと。
データ化とプリントはどちらか、または両方を選ぶことができます。
番外編:自家現像について
モノクロフィルムの場合は、比較的簡単にお家で現像することができます。暗室がなくても「現像タンク」があれば大丈夫。自分でコントラストや明るさを好きに調整することだって可能です。さらに一部薬品をコーヒーなどから手作りする方法もあります。
興味がある方はこちらへ ▶︎ コーヒー現像をはじめよう!
ネガはとっおこう
データがあればネガはいらないと思うかもしれませんが、ネガを元にデータ化もプリントも行うことができる、つまり 写真の原版 です。これがあればいくらでも同じ写真を印刷できるし、スキャンをし直すこともできます。データみたいに何かの拍子に全部消えちゃった!なんてこともありません。
データの画素数は、スキャンしたときよりも綺麗にすることはできません。でもネガがあれば、もっと高画質のデータが欲しいと思った時にスキャンし直すこともできます。
そしてなにより、ネガからプリントする方が データからプリントするときよりも高画質で美しく きめ細やかに仕上がります。ネガは撮影したそのままの状態で保存することができます。あとからいくらもでスキャンなどをすることができるので、ぜひ保管しておきましょう。
データを受け取ったらあとはSNSでシェアしたり、友だちに送ったりしましょう!特別な写真は、ZINEやプリントしてアルバムにまとめるのもいいですね。
SNSや ロモホーム に #heylomography をタグ付けしてシェアすると、あなたの写真がニュースレターや、SNSに掲載されるかも!
これで終わりです。お疲れ様でした!ちょっと盛りだくさんだったかもしれませんね。撮影していくうちにだんだん分かってくるので、まずはとにかく始めてみましょう!フィルムカメラを使っていて分からないことが出てきたら、またこの記事へ戻ってきてくださいね。
分からない言葉の確認は、以下を活用してみてください。
▶︎ ロモグラフィー ビギナーズガイド:初心者のための用語辞典
▶︎ FAQ
ロモグラフィーの 10ゴールデンルール のもと、失敗を恐れずどんどん撮影しましょう!
The Future is Analogue!
Lomography Japan: Instagram / Twitter / Facebook / ショップページ
▶︎ ロモホームをつくって無制限に写真・アルバムをアップロードしよう!
ロモホームには写真を無制限でアップロード可能。世界中のロモグラファーの写真を参考にしたり、自分の写真をまとめてシェアしてみては?毎月のトレンドをはじめ、マガジンなどでロモグラフィーでピックアップされることも!
written on 2015-05-28 in #110 #120 #35mm #camera #film #lab #lifestyle #lomo-lc-a #magazine #reviews #shop