アナログでやりたいことリスト:3月 - コーヒー現像

2015年は毎月1つずつ12個のプロジェクトを計画しています。3月は、コーヒー現像。たぶんもうコーヒーとナトリウム、ビタミンCででモノクロ写真を現像できるという素晴らしい事実をご存じかと思います。以前私も挑戦したことがありますが、それほど目ぼしい成果は得られませんでした。とにかくいつも失敗してしまうのです。今こそ、何本かフィルムを使ってコーヒー現像のコツを掴むときです。

まずは材料を集めました。
滅多に飲まないような安いインスタントコーヒー(×コーヒー豆はだめ)と、炭酸ナトリウム(×重曹はだめ)と、アスコルビン酸(ビタミンCの錠剤でもOK、でも普通は香料や砂糖が入っていることも考慮してくださいね)。
私の持っている炭酸ナトリウムはキッチンで袋が開けっ放しになっていて湿ってしまったので、低温のオーブンに数時間入れて乾かしました。しばらくして、飽きたのでもう十分に乾いたということにしました。

次に、どのレシピを使うか決めなければなりません。
caffenol.blogspot.com(英語) ではとても正確なレシピを見つけることができますが、これを参考にして私は今までちゃんと成功したことがありません。レシピが悪いのではなく、おそらく自分が正確でないからなのです。
だからPhotojojoで見つけた以下のレシピに従うことにしました。

  • 水・350ml
  • コーヒー・ティースプーン5杯分、それを上の水の半量で溶かします
  • 炭酸ナトリウム・ティースプーン4杯分、残り半分の水で溶かします(Photojojoでは湿った分も考慮されていました)
  • アスコルビン酸・ティースプーン半分、コーヒーへ加えます

一度コーヒーと炭酸ナトリウムがそれぞれ水に溶けてから、二つを混ぜてその悪臭に驚いてください。

私の通常のやり方はこちらです:

  • 1~2分真水に浸ける
  • 現像作業:最初の1分は撹拌し続け、その後は1分につき3回揺り動かす
  • 水の中で3回すすぐ
  • 定着液を注ぎ、1分に3回撹拌させる
  • 3回以上徹底的にすすぐ
  • 最後のすすぎの時に、食器用洗剤を一滴水に加える

こちらがその結果です:

Roll #1: Lomography Earl Grey 100 / Zenit Eで撮影

現像時間: 14分
定着: 5分
結果: ネガは大体はっきりと現像できましたが、スキャンしたときとにかくごみがひどかったです。少し暗くて、ざらっとしているので、もうすこし現像時間を長くした方がいいとわかりました。さらに、ネガの上に乳白色の何かが残っているのは、定着時間が足りないからだとのこと。定着液にネガをもう一度浸けると、その白い点は消えました。

Credits: stratski

Roll #2: Lomography Earl Grey 100 / Holga 120 CFNで撮影

現像時間: 18分
定着: 7分
結果: 写真で見ると暗く見えますが、それは曇りの日に撮影されたからです。振り返れば、HOLGAにISO100のフィルムの組み合わせはあんまりよくなかったのですが、よく写ってくれました。定着が甘いのは、この定着液を使うのが二回目だったからかもしれません。

Credits: stratski

Roll #3: Lomography Earl Grey 100 / Olympus OM-1で撮影

現像時間: 20分
定着: 7分(新品の定着液)
結果: この時、端の方の現像液が届かなかった変な部分を除いて、完璧な現像をすることができました。イエローフィルターの効果を計算せず撮ってしまったので、まだ少し暗く見えます。8000枚写真を撮っても、まだまだこういうミスをすることもあります!

Credits: stratski

Roll #4: Fomapan 100 / Horizon Perfektで撮影

現像時間: 20分
定着: 7分
結果: Earl Grey(恐らくFomapan 100の再生産品)の現像をしたので、ちょっとリスクを冒して、だいぶ時間が経ってしまったフィルムを現像しました。たぶんしみもあるとは思いますが、私にはちょうどいいでしょう。

Credits: stratski

このときはISO400のLady Greyへ移行している最中でした。今なら、高いISO感度はより長く現像時間がかかるとわかりますが、実際にどのくらいの時間が必要なのか見当がつきませんでした。そこで、 現像テーブル(英語) を勉強して、3番目に長いものにしました。

Roll #5: Lomography Lady Grey / Agfa Isoly Juniorで撮影

現像時間: 28分
定着: 7分
結果: それではこれはどうでしょう?うまくいきました。ちょっとしみがあるけど、いいネガ、まともな写真です。わーい!

Credits: stratski

Roll #6: Lomography Lady Grey / Olympus XAで撮影

現像時間: 28分
定着: 7分
結果: 最後に今までの結果を確かめました。少しスプロケット穴の周りにしみがありますが、どうやら強く撹拌しすぎたようです。生きることは学びつづけることです。でも私はこの結果に満足しています。そして、現像をがんばった自分に拍手をしました。

Credits: stratski

もっとコーヒー現像について深く知りたいですか?それなら この記事(英語) を参考に、実際にやってみてください。 ここ(英語) では私の使ったPhotojojoの方法も載っています。

4月は、 @fotoflix の撮影した このすごい写真 のような、流れる水の長時間露光に挑戦します。


関連記事:

2015-11-05 #lifestyle Maaike van Stratum (@stratski) の記事
翻訳 kotpa

他の記事を読む

  • LomoGraflok 4×5 インスタントバック in 辻堂

    2023-05-15 #gear #ニュース #people
    LomoGraflok 4×5 インスタントバック in 辻堂

    2023年3月、ストアスタッフのSaneが自身の制作として大判カメラを使った撮影を行うため、辻堂に赴きました。そこで、大判カメラを使うなら我らがLomograflokも使っていただこうということで、Lomograflokの試写もお願いしてきました!早速見てみましょう!

  • 110フィルムが愛される理由

    2024-03-08 #文化 #people #places sylvann の記事
    110フィルムが愛される理由

    なぜ私たちは110フォーマットをこよなく愛するのでしょうか?粒状感、コンパクトさ、使いやすさ、もしくはノスタルジック感ですか?全部そうですしもっといろいろあります!今回の記事ではコミュニティーメンバーの方たちにこのシンプルな質問をぶつけてみました。

  • 八百富写真機店のスタッフがDiana F+を使ってみた

    2024-02-09 #partners kota_97 の記事
    八百富写真機店のスタッフがDiana F+を使ってみた

    今以上に中判フィルムを身近な存在にしたいという思いから、フィルムを支える現像する立場の方に撮ってもらういつもとテイストの違う企画をスタート。初回は大阪に店舗を構える八百富写真機店さんのスタッフに中判カメラのDiana F+を渡しスナップ写真を撮っていただきました。

  • ショップニュース

    ロモグラフィックな写りを簡単に楽しめる!

    ロモグラフィックな写りを簡単に楽しめる!

    【ロモグラフィーの Simple Use Film Camera(レンズ付フィルム)】さあ今すぐ撮影開始!ロモグラフィーのユニークなフィルムでの撮影を簡単に楽しめます。フィルムが既にセットされているので、購入したらすぐに撮影スタート可能。

  • LomoChrome Metropolisをいつもと違うシーンで使ってみる

    2023-06-09 #文化 #people #places sylvann の記事
    LomoChrome Metropolisをいつもと違うシーンで使ってみる

    LomoChrome Metropolis は街中でのストリートスナップやポートレートにぴったりなのはみなさんご存知かと思います。でも、それ以外のシーンでは撮れない、ということではありません。ここでは普段LomoChrome Metropolisを使わないような撮影シーンで撮った写真をシーン別にご紹介します。

  • Nour Triplet V 2.0/64 Bokeh Controlの独特の描写力

    2023-12-23 #gear #people sylvann の記事
    Nour Triplet V 2.0/64 Bokeh Controlの独特の描写力

    10月から1ヶ月行ったクラファンで大成功を収めたNour Tripletは球面収差コントロールノブを搭載し、soft / classic / bubbleの3つの強力なボケ味を実現。今回はそのバブルボケの効果を詳しく見ていきましょう!

  • 【ロモ実験室】LomoChromeフィルムをポジ現像する

    2023-11-22 #チュートリアル kota_97 の記事
    【ロモ実験室】LomoChromeフィルムをポジ現像する

    ポジ→ネガのクロス現像ほど有名ではありませんが、身近なカラーネガフィルムをクロス現像でポジにすることもできます。しかも今回は専用のポジ現像液を使わずに、モノクロの現像液とカラーネガの現像キットで、しかもLomoChromeカラーシフトシリーズ3種類のクロス現像にチャレンジしてみました!

    1
  • ショップニュース

    全てがクラシカルなポートレートレンズ

    全てがクラシカルなポートレートレンズ

    Lomography New Petzval Lens は85mmのポートレートレンズ。周辺のボケが渦巻くように現れ、中心の被写体へ視線を惹き付ける画を写し出します。Nikon FとCanon EFの2種類のマウントでご用意があり、こちらのマウントに対応するデジタル及びアナログカメラに対応しています。オンラインショップではその他のマウントアダプターやフィルター各種を取り揃えています。

  • 【お知らせ】ロモスクール開校!

    2023-04-12 #gear #ニュース #チュートリアル kota_97 の記事
    【お知らせ】ロモスクール開校!

    4月12日はフィルム写真の日!この大切な日を記念して新しいページを公式ウェブサイトに設立いたしました。その名もロモスクール。誰でも無料で使えて、ロモグラフィーのこと、フィルム写真に関する基本的な情報からロモグラフィーらしいユニークで実験的な撮影方法まで、たくさんの情報が掲載されています。

  • 自己表現のための自家現像:インタビュー with @knee_kakkun

    2024-02-07 kota_97 の記事
    自己表現のための自家現像:インタビュー with @knee_kakkun

    多種多様なフィルムで撮影をし、現像からスキャンまで全て自分でこなす@knee_kakkunさんにインタビューをさせていただきました。110と120フィルムで撮影した作例もたくさん紹介しています!

  • Robert Vinczeが撮る美しいモノクロポートレート With Lady Grey B&W ISO 400

    2023-05-17 #gear #people
    Robert Vinczeが撮る美しいモノクロポートレート With Lady Grey B&W ISO 400

    イングランド北西端に位置するカンブリアを中心に活動しているRobert Vinczeはフィルム写真独自のプロセス全てに楽しみを感じています。彼の撮影するポートレートは至極の逸品です。そんなこともあり、彼に Lady Grey B&W 35mm ISO 400と期限切れのColor Negative 120 ISO 800託し写真を撮っていただきました。

  • ショップニュース

    あなたの大切なひと時を円形に閉じ込めて...

    あなたの大切なひと時を円形に閉じ込めて...

    170度の魚眼レンズで見る世界。いつもよりも、より一層愛らしく!動物の顔をアップで撮影して、デカ鼻のユニークな写真も面白い!

  • カメラはスズキ主催「LOMOGRAPHY FILM WORKSHOP 2DAYS」開催

    2023-09-11
    カメラはスズキ主催「LOMOGRAPHY FILM WORKSHOP 2DAYS」開催

    カメラはスズキ主催にてロモグラフィーのカメラやフィルムを楽しめる「LOMOGRAPHY FILM WORKSHOP 2DAYS」が横浜市内にて10月に2日連続で開催されます!両日参加も1日だけの参加ももちろん可能です。新しいカメラやフィルムを知って体験できるワークショップとなっています。そしてこの機会に新しいロモグラファー仲間を作ってみよう!

  • コミュニティギャラリー: 喧噪と慌ただしさの中で

    2024-02-14 #people #places sylvann の記事
    コミュニティギャラリー: 喧噪と慌ただしさの中で

    写真に割く時間がないときはどうする?喧噪と慌ただしさに巻き込まれても、数秒でも周囲を見渡して、写真に収める価値のある何かを見つけましょう!

  • ライトペインティングをする際にさけること

    2023-06-07 #gear #チュートリアル reiga の記事
    ライトペインティングをする際にさけること

    一部の人にとって、ライトペインティング写真はまばたきを止めてしまうことさえあり、クリエイティブな直感のエッジを刺激します。しかし、これを行う時に、ミスを考慮したいいくつかのことがあります。結果として、ただ疲れただけで奇妙な写真になったり、たくさんの気に障る要素が写っただけでは嫌ですよね。だからここでは私の写真をベースにして、ライトペインティングの間に避ける必要があることをお話します。

    1