ネオヴィンテージ・コラージュ byサミー・スラビンク
1 Share Tweetかつては別々の世界を構成していたピースや断片をつなぎ、新しい世界を作り出す。この表現方法が現在アート界で流行しています。ベルギーのアーティスト、 サミー・スラビンク は新旧のイメージや技術を見事に融合させ、今と昔の中間である独創的な世界を表現しています。
サミー、あなたはコラージュアートやメディアミックスアートをどのようにして始めましたか?
最初は古い雑誌をただその見た目が好きだからという理由で集めていました。その後私はポストカードの会社を立ち上げ、初期のコラージュ作品はこれらの雑誌から切り抜いて作っていました。それ以来私は創作し続けています。
私たちはあなたがどのようにイメージをレイアウトしているのかとても気になっています。まずこのイメージたちはどこで手に入れているのですか?またレイヤーや配置はコンピューターでやっているのですか?
私が使うほとんどのイメージは、私の古い雑誌や本のコレクションから得ています。私は紙の素材をそのまま使って紙上に作ることもあれば、必要な画像をスキャンしてデジタル上で作ることもあります。作品を作るのはとても楽しいのですが、紙を使った時は自分の思い通りにイメージを配置するのにとても時間がかかることがあります。反対にデジタルを使って作業すると、作品のスケール感が一気に広がりますし、レイヤーも好きなだけ重ねることができます。なので時々アイディアが思い浮かんでも、紙を使って仕上げることができなければ、私はデジタルを使います。どちらも好きで、状況に合わせて使い分けています。
コラージュをする時、これはこうすべき、などイメージを配置する時のルールはありますか?
特にルールはありません。何でもあり!なのがコラージュのいいところです。私がいつも目指しているのは、ある意味複雑なシンプルさです。
あなたは、自分自身をシュールレアリスト(超現実主義)だと思いますか?またこの運動に共感しますか?
私の作品はよくそのように見らますし、私自身もこの運動には共感しますが、初期のシュールレアリストが活動し始めた頃と比べて時代はとても変わりました。新しいシュールレアリスティック・ムーブメントを提起する時だと思います。
あなたの作品に影響しているアートは何ですか?
私は様々に異なるものから影響を受けています。絵画、映画、音楽、書籍からの影響は特に強いです。
あなたがコラージュで表現したいものは何ですか?また作品に対する他人の解釈を受け入れますか?
メッセージ性を持ったものを表現することを私は目指してはいません。人々の潜在意識を刺激することで、物事を考え、また再考させることが私のやりたいことだと思います。また 私が自分の作品で表現していることは、それを見た人と同じ解釈になるとは思っていません。芸術は自分の好きなように解釈することができ、それが醍醐味であると私は考えます。なので自分の感情に沿った作品を作ってみるのもいいのではないかと思っています。
あなたの作品は、キュレーター的な目と直感力を必要とします。その技術はどのように磨いたのですか?
すべては実験によって得たと思います。よりたくさん何かに取り組むほどに、作り始める時の選択肢が豊かになります。『何をやっても失敗はつきものだ。気にするな。やり直して、前より上手に失敗すればいい。』- このS.ベケットの言葉がすべてを物語っています。
写真はコラージュに適している素材だと思いますか?
写真なしではコラージュは存在しません。
面白いことにソーシャルメディアの登場やメディアのデジタル化が進んだことによって、ヴィンテージ写真は再度注目を浴びているように感じます。これについてあなたはどう考えていますか?
現在は素材が溢れていて、何十年も前の素材も時の流れに身を任せ、使われるタイミングを待っているように思えます。たくさんのこういったヴィンテージ素材は長い間見向きもされなかったけれども、私にとってそれらは主要なものとなりました。画家にとって絵の具のような、私にとってヴィンテージはなくてはならない存在です。
古い写真は、プリント形式の方がより魅力的ではないですか?
そんなことはありません。しかしオリジナルの写真は、いつも特別なクオリティーを持ちます。
あなたは既存の写真を使ってたくさん制作していますが、あなたが偉大な写真家だと思うのは誰ですか?
日常に写真が溢れていることで、人々の目は訓練されていると感じます。そのため良い写真に巡り合う機会は増えました。ロモのカメラを持った子供でさえも写真家になりえます。私が写真において重要だと考えるのは、構成や写真のもつ物語性です。そのため偉大な写真家というと、ヘルムート・ニュートンやアンリ・カルティエ=ブレッソン、マン・レイそしてロバート・ロンゴなど一昔前の人々の名前が思い浮かびます。
あなたの作品がオンラインで見られることの利点は何ですか? それは作品がギャラリーの壁に掛けられる場合とどう違いますか?
作品をオンラインで見せることによって、多くの観客を得ることができますし、シェアされてさらに広がることもあります。とにかく可能性が一気に広がります。ただ願わくば、オンラインで私の作品を見つけた人が、オフラインで実際の作品を見たいと思ってくれると嬉しいです。
現在取り組んでいるプロジェクトは何かありますか?
今いくつもの作品を制作しています。インターナショナルな雑誌のために付録を作ること、アルバム・カバーを作ること、あといくつかのストップモーション・プロジェクトが進行中です。
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