モデルと親しくなることの重要性 :Mafalda Silvaへのインタビュー

今日は、イギリスを拠点とする写真家 Mafalda Silva にプライベートでの作品、そしてプロとしての仕事について語ってもらいました。Mafalda はフィルムをメインで使う創作活動の過程と、撮影においてモデルと親しくなることの重要性を語ってくれました!

© Mafalda Silva

こんにちは、Mafalda!まず自己紹介をお願いできますか?

Mafaldaは変わった名前だと思う方も多いかもしれません。生まれはポルトガルですが、写真家として働きながら、イギリスに8年間住んでいます。

仕事をしていないときのMafalda Silvaはどんな人物でしょうか?休みの日は何をしていますか?

私はいつもなにかを撮っていたいんです。プライベートの作品は大体休みの日に撮影しています。自分の生活や友達を撮影するのが好きなんです。8年間ロンドンの街に住んでいますが、この街の賑やかさが好きで、よく外に出かけるようになりました。時間があればいつでも、森に長い散歩に出かけたり、海辺に行くのが大好きです。知らない街で迷子になるのも、休みの日のお気に入りの一つです。ほかには読書、映画鑑賞、音楽鑑賞も好きですね。それに今度ピアノを習い始めるつもりなんです!とっても楽しみです。

© Mafalda Silva

写真を始めたきっかけについて教えて下さい。撮影技術は自然に身につきましたか、それとも習ったものでしょうか?

初めてカメラを使ったときのことや、正確にいつから写真を始めたのかはよく覚えていないんです。

15歳のときに母から初めてのカメラをもらって、友達や生活の写真を撮り始めました。それは今続けていることにも繋がっていると思います。それから写真コースを修了して、ファッションフォトグラファーのアシスタントを始めました。それが写真家としての仕事のスタートでした。

プロとしての仕事と、プライベートで撮影する作品の違いは何でしょう?

私のプロとしての仕事とプライベートの作品は、とても密接に結びついていると思います。それに、どちらも含めた全体を私の作品として考えています。プライベートの作品は、モデルと築く親密度の度合いによって、プロとしての仕事に関係してきます。どんな状況での撮影においても、作品に親密な雰囲気を生み出すために、モデルとの関係性を築くことが非常に重要なのです。

© Mafalda Silva

具体的には、私は何か出来事を引き起こして、まさにその瞬間を捉えたいんです。ですが、それはいつでも出来ることではありません。ファッションの撮影では、いつもある程度のプランやコントロールが必要になります。それでもカジュアルな撮影現場では、まるで友人を撮影しているかのように、モデルとの間に親密な関係性を築くようにしています。

どんな仕事をしているかに関係なく、いつもとてもカジュアルなやり方で何かを起こそうと試みているんです。

一番自分のスタイルに合っているのはどの分野の写真だと思いますか?

ポートレートを撮るのが好きですね。新しい人に出逢って彼らの話を聞いたり、それを写真に反映したりすることが凄く楽しいんです。ポートレートでもう一つ気に入っていることは、ロケ撮影に出かけたときに他の人の世界を訪れることができるところです。

たとえば、Bella Freudとの撮影は忘れられないものになりました。それは暖かい夏の日に、ロンドンの西部にある彼女の家で行われたんです。窓からは美しい光が差し込んでいて、階段を上がると、壁には彼女のお父さん(Lucian Freud)による素晴らしい絵画と写真が飾られていました。もしもこの仕事を受けていなかったら、これらの美しい作品に出逢うことも、Bellaという愛らしい女性に出逢うこともなかったでしょう。

写真を撮っていなければ行く機会のなかったであろう場所へ行って、新しい人と出会う機会に恵まれていて、この仕事ができることを本当に幸せに思います。

写真を撮るのが好きな被写体はありますか?普段はなにからインスピレーションをもらいますか?

友達、映画、本、光など、インスピレーションはあらゆるものからもらうことができます。私の作品はとても個人的で、写真日記のようなものなんです。見返していると、毎日の些細なことも思い出させてくれます。自分にとってでも、他の誰かにとってでも、私の作品が親しみを感じられるものであればいいと思います。

自分の写真スタイルを表現する言葉を5つ挙げてください。

それは私の写真を観た方に考えていただきたいですね。

良い写真の特徴はなんだと思いますか?

私は技術的なことよりも、写真を観たときにどんな印象や感情を抱くかだと思います。

© Mafalda Silva

自分の作品のなかでお気に入りのものはどれですか?理由もお聞かせください。

文字通り毎日変わってしまうのですが、いまなら最近のファッションショットのなかの1枚ですね。女性のモデルが2人の子供に囲まれて、公園のベンチの上に立っている写真です。もともと子供たちを撮影する予定はなかったんですよ。撮影中、私の後ろで何人か子供が遊んでいて、私の知らないうちにこの2人の子供が入り込んできてカメラの前でポーズをとっていたんです。私はどんな風に映るかも気にせずに、すぐにシャッターを切りました。

35㎜フィルムで撮影していたので、写真をその場で確認することはできなかったんです。現像所からネガを受け取ったあと、最後にはこの写真がファッションストーリーに選ばれました。

まったく予想できなかった仕上がりがとても気に入っています。写真をみると、自信満々の子供たちの表情と撮影のときの可笑しな状況を思い出して、いつも笑わずにはいられません。

© Mafalda Silva

プロとしての仕事にはいつもどのカメラ/フィルム/アクセサリーを使っていますか?

なんの仕事かによりますね。デジタルで撮影するコマーシャルの仕事でなければ、だいたいフィルムを使っています。フィルムの種類は色んなフィルムを試すのが好きなのですが、いまはFuji Venus 800がお気に入りです。

プライベートの作品には、毎日持ち歩いているOlympus mju IIをメインで使っています。ポートレートの場合、中判のMamyia RB 67 proで撮影するのが好きです。ファッションの仕事での撮影では、Canonの一眼レフとContax G2を使用しています。デジタルを使うときはCanon 5Dですね。ポラロイドも大好きで、最近はPolaroid Land 320でも撮影しています。

© Mafalda Silva

今後のご予定があれば教えてください。

ずっと本の自費出版をやってみたくて、いまはそのための時間を探しています。

写真家になっていなかったら何をしていたと思いますか?

猫と一緒に本屋さんを開きたいですね。写真家を続けながらでもできるかも。

© Mafalda Silva

お気に入りの写真家やアーティストはいますか?

たくさんいすぎて、誰を挙げればいいのかわかりません!

Louise Bourgeoisも大好きで、 最近コペンハーゲンにあるルイジアナ美術館で彼女の素晴らしい展覧会を観ることができたんです。この展覧会は本当にオススメです!

Sophie Calleと草間彌生の作品にもいつもインスピレーションをもらっています。

Egon Schieleの作品と彼のねじれた身体の描写もずっと好きでいると思います。

写真の分野では、Corinne Day、Mark Brothwick、Jamie Hawkesworth、Hart+Leshkina、William Egglestonですね。他にも本当にたくさんいますが、ここには書ききれません。

© Mafalda Silva

ありがとうございました!最後に一言お願いします。

今すぐ外へ飛び出て、迷子になって知らない人に話しかけてみましょう!周囲に気を配って、生活の些細なことにも目を向けてみてください。本当に大切なことはそういうところにありますよ。


インタビューに協力していただき有難うございました!

Mafaldaの作品をもっと観たい方は Instagramホームページ もチェックしてみてください!

2017-01-31 #文化 #people cheeo の記事

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