hodachrome、10の質問に答える!

多重露光のスペシャリスト 山本穂高( hodachrome さんが、写真展や写真教室のときによく聞かれる質問を分かりやすくまとめてくださいました!写真に詳しい方から初心者まで、実にさまざまな疑問を投げかけられる hodachromeさん。素敵な作例と共にご紹介しますので、撮影術や撮影時の心得など参考にしてみてください ♪


Q1. どっちを先に撮るの?

左:花を先に撮影、右:建物を先に撮影

たぶん一番聞かれる質問です。例えば上の見本のような、「花と建物」の多重写真の場合、花を撮るか建物を撮るかどちらが先かということなのですが、私の経験ではどちらでもいいです。大事なのは「明と暗のバランス」なので、二つの像が重なった時に適切な露光量になってさえいれば順番は関係ありません。

>>参考記事 「花と重ねて撮ろう」

Q2. どうやって二回撮るの?

左:その場で二回撮影して重ねる、右:一回撮ったフィルムをもう一度カメラに入れて撮る(セルフフィルムスワップ)

多重露光には二種類あり、「その場多重」と「セルフフィルムスワップ」があります。気軽に多重撮影が楽しめるのはその場多重(LC-A+等、多重機能を備えたカメラでその場で二回露光する方法)で、綿密に計画を立てて撮っていくのはセルフフィルムスワップ(一枚ずつ撮ったフィルムを再度カメラに入れて二回目を撮っていく方法)が適しています。

>>参考記事 「一匹狼なフォトグラファーのためのフィルムスワップ方法」

Q3. 何回重ねられるの?

左:4回露光(スプリッツァー不使用)、右:8回露光(スプリッツァー使用)

これもしばしば聞かれるのですが、簡単に答えるなら「何回でも可能」です。被写体の明暗により、露出の加減により、またはスプリッツァーを使用することにより回数は自在に操れます。多くて8回重ねたことがあります。

>>参考記事 「LC-A+ Splitzerとセルフフィルムスワッピングで時空を超えた作品を作ろう!」

Q4. 1回目に撮った内容覚えてるの?(セルフフィルムスワップについて)

左:メモを細かく取る、右:スマホで構図を記録しておく

撮った内容を全カットすべて明確に覚えておくことは不可能なので、撮った際にメモをするようにしています。そして必要に応じてスマホのカメラでその構図を記録しておきます。そうすることで二回目の撮影の際に一回目の内容を具体的に思い出すことができ、完成イメージもよりリアルにふくらんできます。

Q5. 最初から完成イメージを描いて撮ってるの?

左:始めから完成形をイメージして撮った写真、右:一回目の時点では完成形のイメージがなかった写真

一回目の撮影の時点ですべて完成形をイメージして撮っているものもあれば、一回目の時点ではまだ決まっていない場合もあります。二回目の撮影内容は後から考えたり、訪れた先での偶然の出会いを生かしてインスピレーションで撮ったりといろいろです。

Q6. なんでこんなにくっきり重なるの?私だとうまくいかない。

左:一回目の撮影(明るい空と暗い木)、右:二回目の撮影(明るい花と暗い地面)
完成した写真( LC-Wide 、Kodak EBXによるクロス現像)

上でも答えてるけど、多重露光における大切な要素「明と暗のバランス」ができているからだと思います。明るいものと明るいものが重なってもだめ、暗いものと暗いものが重なってもだめ。その単純だけど重要な原理をよく踏まえて撮ればそれぞれの像がくっきりと現れてきます。その他露出の制御や現像時のオペレートなども関わってきますが。

Q7. 現像後にフォトショップで重ねたりしないの?レタッチ全然しないの?

左:レタッチした(合成した)と疑惑の出た写真、右:写真の原版(ネガ)

たまにですがこういう質問もあります。「合成だ」と決めつけられたこともあります。フォトショップ等の編集ソフトで合成して満足できるのなら最初からフィルムカメラは使いません。フィルムの味わいのある描写で重ねるからこそ意味があるんです(という感じで説明しています)。レタッチは現像時の取り込み(ラボで自分でオペレートしてます)でほぼ理想の形にしているため基本的に必要ないです。場合によって色かぶりの補正やトリミング、キズの除去などは行います。

Q8. なんでそのカメラ(Lomo LC-A+等)でやるの?

フィルムらしい粗さ、ゆるさ、光カブリなどが表せる魅力

例えば、一番好きな Lomo LC-A+ で撮るのは、フィルムらしい欠点(いい意味で)がよく表れているから。周辺のゆるいピント、光量不足(トンネル効果)、粗い粒子、カブリや収差など、愛すべきフィルムカメラの欠点が全部詰まっており、そこに多重露光という独創的な撮影手法が加わることでとてつもない魅力が生まれると思っています。

Q9. 写真が絵画みたい、日本ぽくない。

日本です

たぶんカメラやフィルムの特徴、現像方法がそう感じさせるのだと思います。Lomo LC-A+等のクラシックなカメラはピントが周囲はゆるめで絵画(特に油絵)のタッチと似ているのかもしれません。フィルムは、彩度・コントラストの強いリバーサル(によるクロス現像)や個性的な発色のものが多いのもその印象を強くさせる一因かもしれません。

写真が日本ぽくないのは多少意識して撮ってきたところです。日本的な被写体(例…電柱とか日本家屋とか日本ぽいストリート等)はあえて排除し、ユニバーサルな被写体(外国的な建築物、どこの国にでも見る自然物)が多い傾向はあります(特に初期)。でも日本的な古い建築物(城とか寺とか)も大好きだよ!

Q10. タイトルどうやって考えるん?

「Gone With Wintry Wind」(某小説/映画名より拝借)
「ホンキー・陶器ー・クレイジー」(某曲名より拝借)

これは外国の人からよく聞かれます。タイトルについては何気に重視してて、その由来・元ネタはいろいろです。好きな単語、フレーズ(日本語英語問わず)を作品に応じて使ったり、好きな文学作品や楽曲名や歌詞を一部拝借したりパロったり。日本語でしっくりくるものもあれば英語でしかピンとこないものもあります。タイトルは作品の大事な構成要素なのでおろそかにしないように心がけています。

ということで、皆様の写真ライフのご参考にでもなればと♪
Enjoy your film life!


Author: hodachrome山本穂高
岐阜県出身のカメラマン。2007年にトイカメラの代表格であるLomo LC-Aと出逢い、その魅力の虜となる。世界のロモグラファー・フォトグラファー達と研鑽を重ねながら、国内外を問わず写真展への参加、写真集・グッズ販売、写真講座・ワークショップ等、幅広く活動する日々を送る。

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