【テクニック記事】予期せぬアクシデントを楽しもう
2 4 Share Tweetフィルムカメラを使っていると思わぬアクシデントに見舞われることがありますよね。光カブリ、コマずれ、傷、感度劣化など。それらはせっかくの写真を損なう困ったものですが、一方でフィルムでしか味わえない魅力であったりもします。今回はテクニックではなくてそんなフィルム写真の思わぬ魅力について紹介していきます。
1. 光カブリ
アクシデントの代表的なものといえば光カブリ、全面に感光してしまえば終わりですが部分的に現れるカブリは時に写真を魅力的なものにしてくれます。いくつか種類がありますので紹介します。
・蓋パッカーンによるカブリ
撮影途中でカメラの裏蓋が開いてしまったことによる光カブリ。誰もが一度はやったことがあるという悲劇ですがこれがもたらす奇跡もたまにあります。
・フィルム詰め替え(自作レスケ・フィルム両面露光等)によるランダムなカブリ
フィルムを他のパトローネやカメラに移し替えることで生じる意図しない光カブリ。自分はフィルムを裏返してレッドスケールフィルムを作る際にときどき豪快にカブりました。
参考記事▶︎ 「レッドスケールフィルムの作り方」
・フィルム先頭のカブリ
フィルム一枚目が部分的にカブってしまうことは誰しも一度は経験あるはず。それがなんとなくいい味となって現れることがあります。
・HolgaやDianaによる蓋からの感光
Holgaや Dianaシリーズ のようなじゃっかん作りのチープなカメラは、裏蓋からの感光でカブることがあります。それも含めて作品と思えばヘコむことはありません(ヘコんだことも数え切れませんが…)。
2. コマずれ
続いてのフィルム特有のアクシデントはフレームとフレームの間のズレ(コマずれ)です。これもロモグラファーなら何度か経験があるはず。私のような多重露光好きにはこれで何度も痛い目にあっていますが、これすら時に名作を生むことがあります。
・カメラの巻き上げ不良によるコマずれ
Lomo LC-A+ 等手動で巻き上げるカメラでは、フィルムのパーフォレーションの噛み合わせ不良等により巻き上げがうまくいかずコマが部分的に重なってしまうことがあります。これにより時に写真の神様が思わぬ味方をしてくれることがあります。
・フィルムスワップによるコマのずれ
他のユーザーと「フィルムスワップ」を試みる場合、コマのズレが生じることがあります。ランダムな結果を楽しむ意味合いの強いフィルムスワップではそんなコマのズレも楽しみの一つといえます。
参考記事▶︎ 「セルフフィルムスワップの方法」
3. 勘ちがいによるアクシデント多重
フィルム装填まちがえやうっかりミスによるアクシデント多重露光。これもときに予想外の結果につながる。
④期限切れ、傷、熱、湿度による退色、感度劣化
期限切れフィルムやその他フィルム特有の化学変化による思わぬアクシデントも時に面白い写真を生むことがあります。これらはもはや確信犯的なものともいえますが…。
参考記事▶︎ 「期限切れフィルム、その魅力と特徴にせまる」
いかがでしたか?フィルム写真の楽しみ方は予想外のアクシデントも含めて実にさまざまです。皆さんもフィルムならではの愛すべきアクシデントをぜひ楽しんでください。
最後に、アクシデントに満ちた他の写真をお見せします♪
Enjoy your analogue life!
Author: hodachrome /山本穂高
岐阜県出身のカメラマン。2007年にトイカメラの代表格であるLomo LC-Aと出逢い、その魅力の虜となる。世界のロモグラファー・フォトグラファー達と研鑽を重ねながら、国内外を問わず写真展への参加、写真集・グッズ販売、写真講座・ワークショップ等、幅広く活動する日々を送る。
2018-07-26 hodachrome の記事
2 Comment