LomoChrome Turquoiseで彩る非日常的な日常の瞬間 @金曜日のミニシアター

「シーン」とはただの切り取られた一瞬なのではなく、前後の物語や連続性を内包したものだと、@金曜日のミニシアター ことナカムラユウスケさんは考えています。今回、「日常に近い普通の場所」をLomoChrome Turquoise 35mm ISO 100–400 を使ってシフトさせることへ挑戦しました。このシリーズはまさに、彼が降り立った異世界での旅を、私たちに物語っているようです。その異世界ではどんな物語が織りなされたのでしょうか。

自己紹介をお願い致します。

香川県で活動しているナカムラユウスケと申します。フィルムカメラに限らず、デジタルカメラやスマホカメラなどいろんな機器を使うのが好きですが、最近はフィルムにお熱です。よろしくお願いします。

インスタグラムの名前の由来は何ですか?

元々映画館で映画を観ることが好きなのですが、金曜日の仕事終わりにミニシアターでレイトショーを観た帰り道の、何とも言えない感情の芽生えと、世界の温度が変わって感じる空気感がとても好きで、同じような感覚を表現や発信したいという想いを込めています。また、こだわりや世界観を持ちながらも、様々なジャンルや時代背景の作品が上映されるミニシアターのように、幅の広い発信をしたいとも考えているからです。

写真を撮りはじめたきっかけはなんですか?

今のスタイルで撮りだしたきっかけは、大学生の頃に読んだ川島小鳥さんの「BABY BABY」と認識しています。元々小さいころから家にあったフィルムカメラで写真は撮っていたようです。その時からずっと、「シャッターを切る」とう行為がシンプルに好きだったのだと思いますが、「BABY BABY」を読んでからはきっと「感情や時間、温度」を撮りたいと強く思い始めました。

普段はどんな写真を撮っていますか?

人物写真が好きです。多くの場合、どのような写真を撮る時も「人」といったものを意識して撮っています。あと、SNSなどで発信してませんが、家族写真みたいなのも割と撮ってます。

フィルムで撮る理由を教えてください。

その時の光や空気を化学反応で表現することに浪漫を感じているからです。そしてほんの少し、言語化できない曖昧な要素を捉えてくれる素材だと考えています。また、ロモグラフィーのユニークなフィルムはデジタルでは再現ができないような世界へ連れて行ってくれて刺激的です。その刺激が癖になってもいます。

撮られている写真はどれも、物語やバックグラウンドのようなコンテクストが強く感じられますが、何を意識してシャッターを切っていますか?

アカウント名の話とリンクしますが、「シーン」ということは意識しています。写真である以上、一つの時点を表すことになりますが、それが「ただの一瞬」であるとは限らないと思います。私の写真はノンフィクションである必要もなければドキュメンタリーでもありません。「ただその瞬間をワンシーンとして切り取る」のではなく、その前後の感情の流れや今後迎える出来事の暗示など、広い意味でのワンシーンであることを意識しています。

また、今回だけでなく過去のシリーズを見てみてもモデルと光の関係性や、幾何学的構図も特徴的だと思いますが意識はしているのですか?もしそうであれば詳しく教えてください。

写真を撮っている人の多くが「光」に対して強く惹かれていると思いますし、私もその一人です。ただ、光が強いと深い影が生まれることに更に惹かれています。光によって作られる影の形についてはよく意識します。その形がユニークであればあるほど、世界の多面性や狭間を感じることができます。モデルは、その写真の中で主役であると同時に、撮る私や見る人の投影先とも考えています。光や影、建物などの構成で、絵画的な違和感と物語的な共感性を共存させたいと考えています。この考えを基本的な構図にどう組み込みかを意識しています。

今回のLomoChrome Turquoiseで撮られたシリーズのコンセプトは何ですか?何を大切にしましたか?また撮影に使ったカメラは何ですか?

使用したカメラはNikonF3です。コンセプトとしては、日常シフトをイメージしました。Turquoiseという、ユニークなカラーシフトを特徴に持った未知のフィルムだからこそ、シチュエーションやロケーションは「日常に近い普通の場所での撮影」を意識し、目の前にある世界が、どのように変化するのか、その変化の幅を楽しみたいと思いました。
撮影時にスパイスとして多重露光を行いましたが、それ以外は本当に普段の撮影感覚をキープすることを大切にしました。

普段モデルさんとはどういったコミュニケーションや距離感を取って撮影に臨んでいますか?

写真から受ける印象とは全く別物のコミュニケーションだと思います。写真の話をするとどうしても真面目になってしまうので、そこはほどほどで、あまり関係のない話をよくしてると思います。場合によっては緊張感も必要ですが、多くの場合はリラックスしてもらえるように心がけています。友達や先輩、場合によっては兄弟や家族ぐらいのポジションであれたらと思いながらコミュニケーションをとっています。

過去メトロポリスやパープルでも撮られていますが、それらと比較してターコイズはどんなフィルムだと思いますか?

メトロポリスもパープルもとても好きなフィルムです。それぞれが反応しやすい色があるため、適したシチュエーションをレシピのように自分の中に持っています。その中でもターコイズはパープルと似ていて、普段の日常を完全に異世界にしてくれる強さを感じます。その強さが「容赦ない」といった印象であると感じました。このフィルムと一緒に撮っているというよりも、このフィルムに連れ去られていく!といったイメージです。もちろん良い意味です。

これからターコイズを使ってみたいと思っている読者へアドバイスはありますか?

いとも容易く非日常へ連れ去っていってくれるフィルムです。正直言って、かなり楽しいです。割と直感のままや普段と同じように使うと、仕上がりの世界に感動できるのではないかと思います。強いて言うならば、少しだけ露出オーバー気味に撮影した際の階調が好みでした。

現在進行中、今後計画中のプロジェクト、次挑戦してみたいことはありますか?

久しく展示をしていないので、写真展はやりたいなと考えています。また、紙媒体での発信についても挑戦していきたいといった思いはあります。同時に、フォトウォークを企画して、色んな人と関われる場所を作ると同時に、ユニークなフィルムやカメラなどを知ってもらえる機会を作っていきたいと取り組んでいるところです。

最後に一言お願いします!

これからも、実験的でユニークで、そして楽しいをLomographyと一緒にチャレンジしていきたいです!!

素敵なインタビューありがとうございました!ナカムラユウスケさんのInstagram のフォローもお忘れなく!

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2022-06-03 #文化 #people

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