Making a Moment: 多重露光の裏側 by Amp Puttipong

この Making a Moment シリーズでは世界各国のフォトグラファーの方たちにお気に入りの1枚を選んでもらい、その撮影秘話をご紹介しています。

今回は、タイ在住で実験的なフィルム写真を得意とする写真家 Amp Puttipong (@amp_puttipong) の撮影秘話をお送りいたします。ロモグラファー歴の長いAmpは ロモグラフィー10ゴールデンルールチャレンジ ではFisheye No.2を使って魚眼の面白い世界を表現していました。

このMaking a Momentでは彼の忘れられない1枚をシェアしてもらいました。

Credits: amp_puttipong

Amp Puttipong: この1枚こそが自分の写真人生の始まりです。

当時僕の友達4人と旅行の計画をしていて、そのうちの1人が彼のビートルを出して旅行に行くことになりました。旅の途中、自分は車の一番後ろの座席に座っていました。驚くことに車の調子が悪く、アクセルが全然効かなかったのです。そのうち熱と何かが焼ける匂いがして、僕の隣に座っていた友人がエンジンから炎が上がっているのを見つけました。みんな驚きを隠せず急いで路肩に車を止めました。炎はますます大きくなっていました。

車を止めてすぐみんな外に出ました。一番後ろに座っていたので何もかも押し出すように逃げました。恐怖に怯え、全てがスローモーションに感じました。すぐにみんなでエンジンの炎上を止めようと水を探し始めました。

この写真はレスキューを待っている間に撮影しました。Nikon FM2に50mm F1.4のレンズの組み合わせで、フィルムはKodak Color Plus 200だったと思います。

本当に奇跡的な偶然で車を止めた横が花屋でした。レスキューを待っている間時間があったのでそこら辺を歩いて写真を撮っていました。当時カメラを買ったばっかりだったので多重露光機能を使って試し撮りしました。写真では車の正面が美しく花に彩られて写っていますが、写真に写っていない後ろは完全に燃え尽きていました。

ショッキングな事故の中でありながらも、思っていた何倍も美しい写真が撮れました。ボンネットに映った花がまるでその車の本当のデザインのようでとても気に入っています。


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このMaking a Momentシリーズでは皆さんの写真の誕生秘話を紹介しています。もしあなたのストーリーを紹介して欲しい場合はalex.gray@lomography.comまでメールをお送りください。件名にMaking a Momentを必ず入れて応募ください!


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2022-09-12 #people alexgray の記事

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