LomoApparatで作り出す多重露光の異次元世界 by ゴトウヨシタカ


ごっちんの名でも活動するロモグラファーのゴトウヨシタカはロモグラファー歴も長く、誰よりもロモグラフィーの概念を理解していると言っても過言ではありません。
そんなゴトウヨシタカはSplitzerと多重露光機能を組み合わせた創作的な写真表現で有名です。LC-Aをはじめ、Lomo'Instantシリーズを使ってクリエイティブでコミカルな写真の数々を撮影してきました。今回はLomoApparat を使ってごっちんワールド全開の写真を撮ってきていただきました!

──久々のマガジンへようこそ!初めての方へ簡単な自己紹介をお願いします!

フリーランス写真家の後藤芳貴です。主にロモグラフィーのカメラで多重露光やクロスプロセス現像によるアナログな作品作りをしています。作品は個展やアートフェアで展示、さらにアートワークとして小説の装丁や広告などに提供しています。最近ではナオト・インティライミさんのシングル曲「Rule」に作品が使用されました。

──ごっちんさんの多重露光の世界観について教えてください

多重露光は現実と現実を写しているのにも関わらずその結果は非現実の世界が生まれます。それはSF映画のワンシーンのようでもあります。私はそれを意識して多重露光を撮影しています。特にモノクロの多重露光では、世界中で多くのファンを持つ映画監督のクリストファーノーラン氏の作品の世界観をヒントに多重露光のアイデアを考えることが多いです。

──LomoApparat を実際に手に取った時の第一印象を教えてください

軽い!いつもはLC-A+ を使うことが多いのですがそれよりも軽くてびっくりでした。

──今回のLomoApparat の撮影ではテーマなどはありましたか?また、何を意識して撮影しましたか?

付属のアタッチメント(カレイドスコープアタッチメント、Splitzer)を楽しみたいと思ったので、モデルさんに協力をしてもらってコミカルな感じに。また21mmの広角レンズなのでそれを活かしてカメラの角度を意識しながら高層ビルなど迫力のある撮影をしてみました。

Splitzerを使った多重露光

──今回撮影した写真でお気に入りのものがあれば教えてください

カレイドスコープアタッチメントを使ったモデル3人の写真です。両手を斜め上に伸ばしたポーズをとったのですが、手が倍に伸びた感じに見えるようになって意図しない面白い結果になって気に入ってます。

カレイドスコープを使って撮影

──LomoApparatで多重露光をする場合のコツやアドバイスを教えてください

多重露光の操作自体はとても簡単です。しかもこの多重露光のスイッチはカメラ上部にあります。これは何を意味しているかと言うと多重露光で三脚が使えると言うことです!なぜあえてこれを話すかと言うと、LC-A+LC-Wide の場合は多重露光スイッチがカメラの底にあるため三脚が使えないのです。しかしこのカメラでは三脚が使えるアドバンテージがLC-Aシリーズよりあり、付属のSplitzerも三脚を使って多重露光の撮影ができます!

さてそのSplitzerを使用する場合、レンズに装着するとファインダーがSplitzerで覆われてしまい構図が確認できないというロモグラフィーらしい愛嬌があります(笑)。心の目で撮影するにはリスクがあるので(それも面白かも!)、Splitzerを使用する場合は三脚を使うことでその問題を解決できます。

例えば右半分、左半分の2分割にして撮影する場合は以下の手順で撮影します。

1. カメラを三脚に固定してSplitzerを付けずにまずは構図を確認します。
2. 構図が決まったらSplitzerを装着して右半分(または左半分)を撮影。
3. 次にSplitzerをレンズから一旦外して1回目に撮影した逆側の構図を確かめます。
4. 構図が決まったら再びSplitzerをレンズに装着して左半分(または右半分)を撮影。

このようにファインダーから構図が見えなくて三脚を使えば問題ありません!

──多重露光はもちろんですが、他にLomoApparatが活躍するシーンなどはありますか?

21mmの広角レンズなのでワイドに撮影したい時にぴったりです。また、今までロモグラフィーのアタッチメントになかったカレイドスコープアタッチメントが付いているのでこれを楽しむ手はありません!このアタッチメントはレンズに装着する前に直接目に当ててみてどのようなイメージになるかを確認するといいですよ。そして何よりもカメラ本体がコンパクトで軽いのでポケットに入れてシャッターチャンスを逃さずに撮影できます!しかも暗い場所でもフラッシュが付いているので安心です。

──来年の豊富など、最後に一言お願いします!

このLomoApparatはとても軽くて多重露光も操作しやすいので初心者の方でも楽しめるカメラだと思います!是非付属のアタッチメントも使ってロモグラフィーらしい写真を撮って欲しいです。

来年はモノクロの多重露光写真集「Mission」を233PRESSより出版します(現在クラウドファンディング実行中!〜12/29 )。それに合わせて各地で個展も予定していますので、多くの方に多重露光の面白さをお伝えしたいと思っています!


ごっちんさん、素敵な写真の数々ありがとうございました!

LomoApparat は見た目はクラシカルでコンパクトなカメラですが、撮り方次第ではクリエイティブな写真が撮れる万能なカメラです。
毎日のスナップはもちろんですが、多重露光機能を駆使すればごっちんさんようにコミカルな写真を撮ることができます!LomoApparatを手に入れたら色んな写真を撮ってみてください!


ゴトウヨシタカ (写真家)
京都産業大学経営学部卒。digmeout (FM802/FM COCOLO) 登録アーティスト。2008年にLomography社製のフィルムカメラに出会い、それまで使っていたデジタル一眼レフカメラを封印。既成概念に捉われず、撮影を楽しむユーザーに触発され多重露光に没頭。CGやSF映画の様な世界を多重露光やクロスプロセス現像といったアナログの手法でいかに表現できるかを常に考えて作品制作を行う。それらの作品は時に幻想的で時にクレイジーな作品として様々なコンペで評価を受ける。作品発表は東京、大阪を中心に個展を開催し、国内外のアートフェアにも出展。作品の多くはLomographyの公式サイト、SNSにてサンプルやプロモーション写真として採用される。また各種広告やフライヤーのアートワークも担当。そしてフィルムカメラによるワークショップの自主企画及び専門学校での客員講師を勤める。またトークイベントのゲスト出演などの活動も国内外で行う。

Web: www.photobox.jp/
Lomohome: gocchin
Instagram: lomogocchin


ロモグラフィー:Web Site / Instagram / Facebook / Twitter

2022-12-14 #gear #people #チュートリアル kota_97 の記事

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