Gerardo BonomoとLomoGraflok 4×5 インスタントバック

モノクロ写真を専門とするジャーナリストで写真家のGerardo BonomoがLomoGraflok 4×5 インスタントバック で撮影をしてきました。彼のフィルム写真に対する哲学も情熱的に語ってくれました。

© Gerardo Bonomo - LomoGraflok

ロモグラフィーマガジンへようこそ!簡単に自己紹介をお願いします。

初めまして!1958年生まれの写真家でジャーナリストのGerardo Bonomoです。黒白フィルムが得意分野で、 自分のYoutube チャンネルウェブサイト を通じてフィルム写真の楽しさや魅力を発信しています。

© Gerardo Bonomo - LomoGraflok

ご自身の写真歴についてお聞かせください。フィルム写真に没頭するようになったのはいつ頃から?

1970年に写真を始めるようになりました。当時はモノクロしかない時代だったのでもちろん黒白フィルムから始めました。 モノクロ写真を使った表現は、カラーネガやデジタルなど他の写真表現の基礎となっています。モノクロは非常に厳格で色に惑わされることなく光を理解し、観察したものの象徴的な側面を探すことを教えてくれるからです。

YouTubeやブログではビューカメラやカメラの歴史のこと、撮影や現像のチュートリアルまで様々な分野を取り上げていますが、ご自身が一番好きなものは何ですか?

ビューカメラですね。構造や使い方はかなり複雑ですが、実際にプリントした時の階調の良さは他のフォーマットでは真似できません。もちろん、とてもデリケートなフィルムのバックアップを取ると言う意味ではフィルムスキャンも大切な作業の一つです。個人的にはスキャナーは使わず、デジカメにマクロレンズをつけてスキャンしています。デジカメの方が高画素に記録できるので後で大きく印刷できるのが強みです。

© Gerardo Bonomo - LomoGraflok

LomoGraflokを使って撮影をしていただきましたが、いかがでしたか?撮影に関してアドバイスやコツがあったら教えてください。

かつてはPolapan 55を使ってモノクロで撮っていましたが、それはもう過去の話。今回LomoGraflokを使ってみてまずその頑丈な作りと直感的な操作感に驚きました。グラフロック機構があるカメラでしか使えないのが唯一の弱点ですが、それでもビューカメラの9割ほどはグラフロックに対応しているので良しです。

40枚ほど撮ってどの写真もしっかり写っていました。結果はとても驚き。カラーで撮影したほうが、独特の正確さと風景の再現に真実性性があったのでカラーの写真の方が気に入っています。まるでポジフィルムを専用の印画紙に焼いた時のような感覚でした。 一枚一枚のプリントの独自性はまさしく絵画のよう。それはスキャンしない限り同一になることはなく、複製という写真の哲学を超えた価値観です。

モノクロで撮影された理由を教えてください。モノクロ表現はあなたにとってどんなものですか?

若い時はモノクロしかありませんでした。それは表現の選択肢としてではなく、技術的にモノクロしかありませんでした。しかし、モノクロフィルムは撮影からプリントまで全て自分の手で行える上、それにより最終的なプリントの調整を自分でできるということです。例えばコントラストを高くなるように調整したり。構図を直したりクロップすることには興味がありません。写るもの全てが印画紙の上に写し出されるのを意識しながら撮影しています。もちろん、クロップと言う手段も写真表現の一つですが。

写真はそもそも技術的な面からモノクロの言語として生まれましたが、カラーがある今では表現の仕方の一つとして使われています。100年以上の歴史を持つ写真は今でもたくさんの人の芸術的表現技法として使用されており、その中でも本当に多くの使い方があります。しかし個人的にはモノクロを使うことで余分な要素を排除し、その結果写真にとって基本的な要素である光や質感をより意識することができます。目に見える世界はもちろんカラーですが、モノクロにすることでその"essence"(本質)を写し取ることができる。

© Gerardo Bonomo - LomoGraflok

普段は撮らないカラーで今回撮りましたが、撮ってみていかがでしたか?

モノクロよりよかったです。インスタント写真は天才エドウィン・ハーバート・ランドの手によって発明されました。もちろん最初はモノクロからでしたが、10年以上の努力を経てカラーのインスタントフィルムを開発しました。その天才が目指した物だからこそ、カラーで撮る理由がありました。

自身のウェブサイトで "フィルムで撮って印画紙にプリントするということはどれだけ自分が熱中できるか" と仰っていますが、フィルム初心者の方に何かアドバイスはありますか?

予算の90%をフィルムや印画紙に投資して、残りの10%をカメラに使ってください。世の中にはカメラを集める人と使う人の2種類に分かれます。集める人は所有欲に満たされ、後者は実際に写真を作ることに熱中します。芸術家は道具そのものより作り出した作品大事にします。カメラのことは考えすぎず、実際の写真を大切にしてください。

© Gerardo Bonomo - LomoGraflok

計画中の新しいプロジェクトなどはありますか?

私のプロジェクトは私のようにフィルム写真を愛する人たちに技術的/感情的/精神的な考え方を伝えることです。 私自身今まで学んできたことの90%は繰り返しの失敗からで、本や教科書を読んだ成果ではありません。この考え方を他にも伝えたいと思っています。 また、マンツーマンの写真講座も続けていきます。ワークショップとは違い、先生と生徒の間に人間的な同調が生まれるからです。その他にも撮影は続けていきます。私の長期プロジェクトは、一見取るに足らないような被写体や物でありながら、私の写真の中で独自の価値やアイデンティティを見いだすという、ローカルなものです。

最後に、機材を考えればデジタルはフィルムと違い安定していて撮った写真をすぐに確認できる、などの利点が多くあります。しかし、撮影したものは画像である限り2進数の羅列に過ぎず、今の時代であればクラウド上に保存されているケースも多く、コンピュータやスマートフォンの画面に表示させないと人間の目には見えません。その反面、紙のプリントは手に取って見ることができる物質的なものです。寿命が長く、データ変換を必要とせず壊れる可能性のあるハードディスクにバックアップを取ることなく、引き出しやポートフォリオに入れて保存できるので信頼性が高いのです。これがフィルム写真の良さです。


素敵な写真と興味深いお話をありがとうございました! GerardoのウェブサイトYoutube も併せてご覧ください!

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