自己表現のための自家現像:インタビュー with @knee_kakkun

フィルムには色んな楽しみ方があります。中でも撮ったフィルムを自ら現像、スキャンすることで最初から最後まで自分の手で自分の写真を作り出すことができます。フォーマットやフィルムの種類を問わず多種多様なフィルムで撮影をする@knee_kakkun も自家現像をしているフィルムフォトグラファーの1人です。

今回のインタビューでは彼の写真についてはもちろん、カラーフィルムの自家現像とスキャンについて聞いてみました。

初めに自己紹介をお願いいたします!

広島で会社員をしている「ひざかっくん」です!写真用のSNSアカウントを作る時にユニークな名前にしたいと思いもともと愛称で呼ばれていた「かっくん」をもじって活動名にしました。

普段はどんな写真を撮られていますか?また、フィルムを始めたきっかけは?

直感で”撮りたい”と思う人たちを撮っています。たまに、依頼でウェディングフォトやライブ写真を撮ったりしてます。

本格的にフィルムを始めたのは自家現像をするようになってからです。それまでもフィルムで撮影はしていたんですが、現像所にお願いすると良くも悪くもそのお店の色で仕上がるので、僕が撮った写真だ!って実感が湧かなかったんです。当時、モノクロフィルムは自分で現像していたのでそれならカラーネガも現像できるかな?と思ってネットで色々調べて始めたことでフィルムにハマりました。

自家現像をするようになったきっかけは?

現像所にお願いすると綺麗な写真で返してくれます。それはそれで嬉しいんですが、その写真で作品を作るのにずっと違和感があって。それで、自家現像で自分なりの表現ができたら面白そうと思ったのが始まりです。現像キットを揃えて、トライ&エラーを繰り返しながら日々楽しんでいます。

カラー現像をする際の流れを教えてください。 自家現像したい方向けのアドバイスもあれば是非!

カラーネガは、フィルムを入れたタンクに↓
①現像液...発色と像を出す薬品
②漂白液...現像液で反応した銀を剥がす薬品
③定着液...反応しなかった銀を剥がす薬品
この3つの薬品を順番に入れてフィルムと反応させると完成します。

現像液と漂白液は約38℃に温めて使うので低温調理器があると非常に便利です。必要不可欠です... 今回はC-41ではなく映画用フィルムを現像するECN-2の薬品を使って現像しました。C-41と比べて色味は若干変わりますが、好みの問題程度できれいに発色してくれると思います。

これから現像などを始めたい人は、レンタル暗室を利用してみるのが良いかもしれません。手軽に現像体験ができるし、手順を詳しくレクチャーしてくれるところもあります。

自分で撮影からデータ化まですることの良さは何だと思いますか?

表現の幅が広がることだと思います。
例えばこの写真は漂白中にタンクの蓋を開けてわざと感光させてみました。

そのおかげで反応した銀が落ちなかったのか霧がかった写りになりました。フィルムならではのノイズやカラーシフトを楽しみながら自分なりの表現を探していくのが楽しいです。

自家現像とスキャンをした110のLomoChrome PurpleとMetropolisがとてもきれいな色合いでした。スキャン時の設定や違うフィルムごとに気をつけていることがあれば詳しく教えてくだ

スキャナーは、エプソンのGT-X970でエプソン純正のソフトでスキャンしています。110フィルムのスキャン解像度は6400dpiにして色合いはスキャンソフトの自動補正でそのままスキャンして後でLightroomで補正。写真によって色相がズレるので一枚ずつ補正しています。

フィルムと言っても35mmだけではなく数多くのフォーマットがありますが、特に110はロモだけが作っていて、ある意味絶滅危惧種のような存在でもあります。そんな110に出会ったきっかけと110で撮る理由を教えてください。

中古カメラショップでPENTAX AUTO110を見つけて使ってみたいという好奇心で始めました。胸ポケットに収まるサイズでパッと撮れるし、フィルム名とイラストを一緒にスキャンする写真がとても個性的で大好きです。

逆に110や35mmよりも大きい中判フィルムでも撮影されていますが、中判フィルムならではの良さは何ですか?また、中判で撮る時は35mmや110で撮る時と心構えや撮り方に変化はありますか?

中判フィルムは、撮影枚数が少ないので、勢いよくバシバシ撮っていきたい気分になります。気持ちを昂らせたい時や動きのある写真を撮りたい時に使うことが多いです。

今回の撮影でのお気に入りの写真とその理由を教えてください

110のLomoChrome PurpleとMetropolisは、どちらも赤が映えるフィルムなので被写体さんもそこを意識して鮮やかな赤ジャケットで来てくれました。レトロな街でのスナップポートレートにフィルムが独特の空気感を足してくれてお気に入りです。

LomoChrome Purple 110 で撮影
LomoChrome Metropolis 110 で撮影

中判フィルムは、バルブシャッターでフラッシュを焚きながら夜の街をスナップしました。夜の撮影は現像するまで予想がつかないので、その分出来上がった写真の感動が大きくて楽しいです。

現像中に感光させて霧に包まれたような写りになったこの写真は一番お気に入りです。

最後に、あなたに撮っての「良い写真」とは何ですか?(ただ、良いという言葉は便利である一方とても抽象的な言葉なので主観的な解釈で構いません。)

感情が分かる写真です。ソール・ライター氏の「WOMEN」という写真集が好きなのですが、それは彼が親しい関係を持った女性たちを集めた写真集で、ページをめくるほど写真から愛情が伝わってきます。決して万人に受けないけど、誰かの心に残るような写真が好きです。


今回はインタビューにご協力いただきありがとうございました!インスタグラム のフォローもお忘れなく!


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2024-02-07 kota_97 の記事

LomoChrome Metropolis ISO 100–400 (110)

イエローやグリーンの発色、低い彩度と力強いコントラストが特徴のロモグラフィーオリジナル110フィルム

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