Lomomatic 110の使い方 from フォトデポ彩色兼美

皆さんもうロモグラフィーの新商品 Lomomatic110 はご購入しましたか?今回、110フィルムの現像、データスキャンを受け付けているフォトラボ、フォトデポ彩色兼美 さんが、Lomomatic110 の使い方とコツをまとめてくださいました!既に Lomomatic110 を手にしている人も、まだの人もこのマガジンを読んで 110フィルムの世界にどっぷりつかりましょう!

LOMOMATIC 110の使い方とコツ

新発売のLomomatic 110はとても使いやすいカメラですが、ちょっとしたコツが必要になる部分があります。基本的な使い方と併せて確認してみましょう。

本体各部説明

取扱説明書 より抜粋

本体正面
真ん中のロモ坊やはレンズカバー。右の透明な部分がファインダーです。

本体両端をつかんで引き伸ばすようにスライドすると、カシャッと開いて撮影用レンズが現れます。Minicar CXマルチコートガラスレンズ23mmです。このレンズのおかげで、小さくてもシャープに写すことができます。左端にはゾーンフォーカスの切り替えスイッチがあります。撮影時に使用します。

本体背面
左の透明な窓がファインダーです。真ん中のオレンジのスライドスイッチは、フィルム出し入れのための裏蓋ロックです。右窓は加算式のフィルム枚数カウンターです。撮影してフィルムを巻き上げるたびに数が増えます。

現在はフィルムが入った状態です。フィルム窓からColor Tiger 200のフィルムが入っているのが見えます。右端は電池室の蓋です。

上面
銀色の大きい四角いボタンは、撮影のためのシャッターボタンです。2つの小さな丸い銀色のボタンはそれぞれISO感度設定とバルブスイッチです。左端の飛び出した銀色の輪にはストラップを付けられます。

下面
NIGHTとDAYの2段階の、絞りスイッチがあります。それぞれf/2.8とf/5.6に該当します。MXはMX(多重露光)スイッチです。

側面
フラッシュユニット固定ネジ用の穴と、フラッシュ用コネクタがあります。今回はフラッシュについての説明は割愛していますが、室内と夜間の撮影はフラッシュ必須です。

撮影準備

電池の入れ方
撮影するために、まず電池を入れましょう。CR2電池(別売)を1本使用します。本体背面の右端が電池室の蓋です。デザインと一体化していますが、右側へスライドすると開けられます。

奥が-極、自分側が+極になるよう入れてください。

フィルムの入れ方と裏蓋の開閉
フィルムを入れましょう。裏蓋ロックを引くとロックが外れ、裏蓋を開けられます。ロモグラフィーの110フィルムカートリッジをパッケージから取り出して用意します。

カートリッジをそのままカメラへはめ込みます。110フィルムはカートリッジ式のため扱いがとても簡単です。

裏蓋を閉めます。

<注意>
念のため裏蓋ロックを自分で左にスライドし、裏蓋のロックがかかっているかを確認してください。裏蓋を軽く閉じただけではうまくロックがかからないことがあります。そのままにしていると裏蓋が勝手に開いてしまいます。

フィルム巻き上げ
Lomomatic 110はいわゆるフィルム巻き上げレバー(兼シャッターチャージレバー)はありません。その代わり、本体両端を掴んでスライドして開閉する動作が同様の効果になります。本体を引き伸ばしてはぴったり閉じて戻すという動作を数回繰り返すと、フィルムカウンターに数字の1が現れます。これで1枚目の写真を撮る準備ができました。

基本的にはここから、
(1) シャッターボタンを押して撮影
(2) 本体をスライドして閉じ、またスライドして開いてフィルム巻き上げ
(3) 次の撮影
となります。

撮影時の設定

撮影についてもう少し詳しく見ておきましょう。いくつか注意点があります。

ISO感度の設定
ISO感度設定ボタンは、本体上面の小さな銀色のボタン2つのうち、「100・200・400」のLEDランプのすぐ隣のボタンです。ISOボタンを押すたびに100・200・400が切り替わります。

例えばフィルムにColor Tiger 200を使用した場合は、「200」の真横のLEDランプが光るようにしておきます。ここは一度設定すればあまり頻繁に変えることはないでしょう。

バルブモード
「B」=バルブ(Bulb)スイッチは、「B」のLEDランプ横の小さな銀色ボタンです。これを押すと「B」真横のLEDランプが光り、バルブモードになります。バルブモードはシャッターボタンを押し込んでいる間シャッターを開きっぱなしにできます。長時間露光をする際(動きの残像を写したい時やライトペインティングなど)に使用します。

<注意>
Lomomatic 110は三脚穴がありません。長時間露光の際は手持ちではなく何か安定した台の上に設置して、像がブレないよう工夫してみてください。

注意:バルブスイッチはシャッターボタンの真下にあるので、意図せずバルブモードにならないように気を付けて撮影してください。

ピント合わせ
ゾーンフォーカスの設定をします。0.8m、1.5m、3.0m、∞(無限遠)の4段階設定ができます。撮影する時はカメラと被写体との距離を目測でだいたい何mあるか掴み、黒いつまみをスライドして距離を選択します。写真では0.8mを選択しています。

絞り
絞りはスライド式の絞りスイッチで切り替えます。NIGHT(f/2.8)かDAY(f/5.6)の2つから選択しましょう。大まかに言うと明るい日中の屋外はDAY、日陰や曇りの日中の屋外はNIGHTになります。

<注意>
フィルムカメラは、スマートフォンのカメラやデジタルカメラとは違い、フィルムに像を写すためにはかなりの強さの光源を必要とします。室内と夜間はフラッシュを使用して撮影するのがおすすめです。

多重露光
多重露光をしたい時は、MX(多重露光)スイッチを使います。これをスライドすると、いわゆる「シャッターチャージ」ができます。シャッターがチャージされると、もう一度シャッターボタンを押せるようになります。フィルムを巻かず同じコマのままで撮影像を重ねることが可能です。

<注意>
多重撮影はMXスイッチを使うことで何度でも重ねることは可能ですが、たくさん重ねるとその分フィルムは露光しすぎになって撮影像は真っ白に近づいてしまいます。2回までくらいのほうが撮影像がよく現れます。

ファインダー
ファインダーを覗いて撮影したい構図を決めます。

<注意>
Lomomatic 110の撮影用レンズと、構図を取るためのファインダーは分かれています。夢中になってファインダーを覗いていると、いつの間にか指がレンズのすぐ近くに来ていて写り込んでしまうことがあります。ストラップや髪もかからないよう注意して持ってください。

また、Lomomatic 110のファインダーは約4:3ですが、実際の撮影像は4:3フレームより右側までワイドに露光されて約16:9になります。16:9は映画のビスタサイズ比で、予想以上に横広です。これはかなりユニークな特徴です。

フォトデポ彩色兼美 ではこのLomomatic 110の特性を活かしきることを考え、撮影像が全部入るようにスキャンしてデータをお仕上げしています。(※他のお店に現像をご依頼の際は各々ご相談ください)撮影する時にも、フレーム外まで広がることを意識して撮影していくと面白い効果が出せるかもしれません。フレーム外の写り具合は絞り設定や個々の状況によって違いがあるようです。

シャッター
銀色で四角く大きいボタンがシャッターボタンです。これを押し込んでシャッターを切り撮影します。

<注意>
シャッターボタンは二段階のクリック感があります。言い換えれば、ボタンの感触にわずかな遊びがあって、本来の押し込むべき部分はその奥になります。このため、押したつもりが押せていないこともあります。奥までしっかりボタンを押し込んでください。

もしもちゃんと押せていないと、次のシャッターを切ってもフィルムを巻き上げられずフィルムカウンターの数字が変わりません。その際はもう一度シャッターをきっちり奥まで押し込んで撮影してみてください。数字が変わるようになるはずです。撮影時は念のためフィルムカウンターの数字もチェックしておきましょう。

フィルムを撮り終えたら
24枚を撮り終えたら、必ずフィルムの終端まで巻き上げてください。本体をつかんで何度かシャカシャカと開閉させて、フィルムをどんどん巻き上げます。フィルムの最後まで来ると、[////]斜線のマークがフィルムカウンター窓に現れるはずです。

<注意>
もしもフィルム終端まで巻き上げずに[24]付近ですぐにカメラから出してしまうと、最後の24コマ目や23コマ目が感光して写真が消えてしまいます。

フィルム取り出し
[////]斜線のマークがフィルムカウンター窓に現われていることを確認したら、オレンジの裏蓋スイッチをスライドさせて裏蓋を開け、フィルムカートリッジを取り出します。

フィルムを現像に出しましょう。
仕上がりを楽しみにお待ちください。


フォトデポ彩色兼美さん、分かりやすいご説明をありがとうございました!フォトデポ彩色兼美さんの Instagram のフォローもお忘れなく!


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2024-04-22 #gear #チュートリアル

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