【ロモ実験室】世界をRGBで再構成:三色のカラーフィルターで多重露光

Instax Wide (ISO800) f/5.6, 赤:1/30秒, 緑:1/4秒, 青:1/8秒, モデル:Sanekatsu &Sota

アール、ジー、ビー。
R、G、B。
赤、緑、青。

写真編集や映像編集をしていると垣間見る字面ですね。編集をかじり始めた時、なにか複雑そうで今はあまり触れないでおこうと思いがちなあれですね。写真をやっていなくても、「光の三原色」という言葉を聞いた方は多いのではないでしょうか。私たちが見ているこの世界を、私たちの多くは、目の細胞をとおしてこの三色で認識しています。絵具の世界でも、赤、黄色、青からなる「色の三原色」というものがあります。それらを混ぜると、グレーやこげ茶、黒色が作られます。しかし「光の三原色」はどうでしょう。これらを重ね合わせると、白色の光になります。

この法則を応用して、カラーフィルムは作られています。フィルムの表面に塗布されている乳剤には、それぞれ三色の光に反応し化学変化をする3つの層が存在しています。これらがあることで、私たちは写真のイメージを色鮮やかに認識しています。

では、赤、緑、青のレンズフィルターを使って多重露光をしたらどうなるのでしょうか?
理論上正しくても、実証しなければ面白くありません。実験的でクリエイティブなロモグラファーの皆さん。ロモスタッフのSanekatsu が写真の原理に立ち返って実践してきました!

今回使用したカメラと装備は、
・大判カメラ TOYO-VIEW
LomoGraflok 4×5 インスタントバック
・Instax Wideフィルム
・赤、緑、青のカラーフィルター

結果はこちらです。

左:f/11, 1/125秒 | 右:f/11, 赤:1/500秒, 緑:1/60秒, 青:1/125秒

左が通常通りの撮影。右がレンズに三色のカラーフィルターをつけて多重露光をしたもの。フィルターをしたことで露出不足になりましたが、撮れています!!フィルターの色に合わせてそれぞれシャッタースピードを調整する必要がありますが、一度シャッタースピードの配分が決まってしまえば屋外・屋内は関係ありませんでした。

建物や道路、信号といった動かないものは偏りなく色味が出ていますが、動いている人や自転車はそのとき撮影したカラーフィルターの色にダブっています!なんだか3D眼鏡用の写真やサイバーパンク感がありますね。

<やり方>
・まず通常撮影の時の適正露出を設定します。
・絞り値を変えず、その時のシャッタースピードの前後の段階を使用します。
・使用するカラーフィルターの濃さによってそれぞれのシャッタースピードを調整します。
・通常撮影の時1/125秒なら、ひとまず青1/125秒→緑1/250→赤1/500秒の順で、カラーフィルターをレンズに装着し多重露光をします。
・その設定で出てきたインスタント写真を見てどの色味を抑えて、どの色味を増やしたいかなどを検討します。
・例えば赤色が強かったら、赤フィルター撮影時のシャッタースピードをさらに1段階もしくは2段階速くして抑えることができます。もしくはほかの色のシャッタースピードをさらに数段遅くしその色味を増やして調整します。

ポートレートでも実験してみました!モデルはスタッフのSota。

左:f/5.6, 1/15秒 | 右:f/5.6, 赤:1/30秒, 緑:1/4秒, 青:1/8秒

左が通常撮影。右が三原色多重露光。やはりポートレートなので多少動いており、人物の輪郭上にフリンジのようなダブりが見えますね。どこかVHS時代のレトロな合成映像感があります。

f/5.6, 赤:1/30秒, 緑:1/4秒, 青:1/8秒

いかがでしたでしょうか?皆さんも面白いアイディアがありましたら、コメント欄でぜひシェアしてください!やって欲しいリクエストも募集しています。今回はチェキフィルムで実験しましたが、次回はLomoChromeなどのネガフィルムでも実験してみたいと思います!


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