Lomo'Instant Wide Glassで日常の一瞬を撮る by 鈴木文彦
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最近では「フィルムカメラ・ライフ 2024-2025」 を発売した、東京を拠点にリーランスエディター&フォトグラファーとして活動する鈴木文彦 さんに、ガラスレンズを搭載した新発売のLomo'Instant Wide Glass を使って日常を大きくシャープに、インスタントフィルムに写していただきました。
ロモグラフィーマガジンへ改めてようこそ!自己紹介をお願いいたします。
フリーランスエディター、フォトグラファーをしている鈴木文彦と申します。趣味で写真を楽しむ人に向けた雑誌・書籍制作をやりながら、フォトグラファーとしても活動しています。いまは「フィルムカメラ・ライフ」がライフワークです。これまで手掛けた雑誌の代表作に「オールドデジカメ・ファン」「31年目の写ルンです」「中判カメラの教科書」などがあります。
ロモグラフィーに出会ったきっかけは?
写真が好きだったものの、「写真をやっています」と言うのが好きではなかったり、カメラをぶら下げて歩くことにもなぜか抵抗がある天邪鬼でした。そんなときにロモグラフィーという「自由に楽しむ」ことを肯定するムーブメントがあることをインターネットで知ったのです。そのフリーダムな感覚、世界中の変わり者たちが一致団結して新たな風を吹かせようというような勢いが眩しく写り、僕もその仲間に加わらせてもらいました。もちろん最初に買ったのはLOMO LC-Aです。
あなたにとってロモグラフィーとは?
ずばり「恩人」です。僕はずっと編集プロダクションを経営していて、また映画ライターとして活動をしていました。でも仕事は頭打ちになり、また紙媒体が厳しい時代へと突入。だったらダメ元で大好きな写真の本を作り、うまくいかなければ仕事を変えよう、という決意で知り合いなど誰もいないロモジャパンへと突撃したのです。すると、企画内容を見るや、ロンドンへの世界大会「ロモグラフィー・ワールドコングレス・イン・ロンドン」に招待するから、ロモの特集をがんばって作ってくれ!と信じられない申し出をしてくださり、どこの馬の骨ともわからない僕をロンドンに連れて行ってくれました。その写真の本は「snap!」というタイトル。ロモグラフィー大特集の1号目はヒットし、定期刊行物としてその後続くことになりました。そして僕はそのときから完全に写真だけの世界で生きています。本当に恩人なのです。
Lomo'Instant Wide Glassの初期サンプルで撮っていただきましたが、全体的な操作性はいかがでしたか?
説明書もない状態でも戸惑うことなく使えました。つまり相当にストレスなく使えるカメラだと思います。大ぶりではあっても心地良い重さという感じ。撮ってからのフィルムの排出などもスピード感あって良かったです。
新たにガラスレンズが搭載されましたが、実際に撮ってみて写りはいかがでしたか?やはりインスタントカメラでもガラスレンズはあると嬉しい機能でしょうか?
チェキのWIDEフィルムの大きさを活かしてくれるレンズですね! かつてInstax WideにはAFモデルがあったものの、いまは2焦点切り替えのものしかなく、常々フィルムの良さを生かし切る高性能レンズとフォーカスシステムのあるカメラが欲しいと思っていました。
ロモでしかできないチェキの撮り方などあれば教えてください!
多重露光などロモグラフィー定番のテクニックも良いと思いますが、僕は「最高峰のインスタント描写」をLomo'Instant Wide Glassで楽しむべきかなと思います。露出とピントをしっかりと考えて、後から補正もできないので水平垂直にも気を遣うような写真。相当に充実した撮影体験になると思います。
Lomo'Instant Wide Glassで撮ってみたいシーン、合いそうなシーンはなんだと思いますか?
発色はとにかく良いと思いますので、カラフルなものは積極的に狙うのは鉄板かなと思います。今回はちょうど「フィルムカメラ・ライフ」最新号 のロケなどにも持ち出すことができ、異国感あるようなシーンでも使えましたが、やはり鮮やかさがありオシャレな場所との相性は抜群だと感じました。あと、人肌の滑らかさは相当に素晴らしい! チェキフィルムで人物撮影というと、記念写真やチェキ会みたいなものを想像しますが、しっかりとしたポートレートに使えると思います。
現像が必要なフィルムと違ったインスタントフィルムの魅力とは?
何枚でも撮り、後からセレクト・編集していくという写真と、インスタントフィルムの1点主義の写真は根本的に向き合い方と撮影者にとっての心情に違いが出てくると思います。写真にはさまざまな側面、楽しみ仕方がありますが、撮れた写真に対して潔く諦めが付きつつも大切なものになる、というのは尊いことだと感じます。しかし、Lomo'Instant Wide Glassで撮った写真はポジやネガで撮ったものに劣らない質で、これは本当にすごいこと。
Lomo'Instant Wide Glassで撮った写真でお気に入りのものがあれば教えてください。
この2枚は「フィルムカメラ・ライフ」最新号 の表紙ロケ中に撮ったもの。ロケバスのドライバーさんと現場の仕切りのディレクターさん。ポーズを指示して撮っています。その場の楽しさと、ただ撮るだけじゃなくてちょっとはこだわるみたいな面も出ていて好きです。
「楓(かえで)」というお店の前に咲きほこるツツジ。そういうくだらない1枚。

最後は「フィルムカメラ・ライフ 2024-2025」で、ロモインスタントを使ったコラージュ作品を掲載させていただいたCrasty The Crownさんによるグラフィティ。

唐突ですが、あなたにとっていい写真とは?
思い出を残した、好きなものを撮った、大切な人を撮った、というような写真が最高中の最高というのは当たり前なので敢えて別の意見を言うと、僕個人的には部屋に飾ってカッコイイと思える写真か、この写真が使われたレコードジャケットがあったら食指が動くか、ポスターにしたらハマるか、みたいな感覚です。写真に興味を持った経緯が音楽や映画だったので、印画紙ではない写真の使い方などに興味はあるほうです。
最後にフィルムカメラ・ライフ 2024-2025について教えてください!
2024年9月に「フィルムカメラ・ライフ 2024-2025」 を発売しました。いつも通り、企画構成、全ページ原稿執筆、写真家作品以外は自分で撮影もしています。今号は敢えてフィルムカメラをたくさん出すことを意識し、定番カメラ不在、ネット情報主体、フリマアプリ購入が興隆しているいまだからこそ、自分自身の愛機と巡り会う助けとなることを目標に記事制作をしています。ロモグラフィーのLomomatic 110特集もやっていますし、ロモインスタントを愛用しているグラフィティライター・Crasty The Crownさんのギャラリー&インタビューなども掲載しています。フィルム好きの皆様、よろしくお願いします!
鈴木文彦さん素敵なお写真のシェアありがとうございました!ぜひ、「フィルムカメラ・ライフ 2024-2025」 もチェックしてみてください!フィルムカメラ好き必読です!
Lomo'Instant Wideはオンラインショップ で予約注文をただいま受け付けております!発送は11月の第2週を予定しております。
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