ターコイズブルーの世界を楽しむためのコツ
3 Share Tweet皆さんは新しく発売されたネガフィルム「LomoChrome Turquoise XR 100-400」をもう試してみましたか?「淡い色は透き通ったアクアブルーに、真っ青な空やエメラルドグリーンの海は輝くゴールデンカラーに変色する衝撃的なフィルム」と銘打って発売されたこのフィルムですが、実際に使ってみた感想とその特徴などをまとめてみましたので、まだ使っていないという方はぜひ参考にしてみてください♪
この写真は、ある高原の花畑で様々な色のチューリップの花を撮ったものです。元の花の色がわからないのでピンと来ないかもしれませんが、どことなく不思議な色合いに見えますよね。そして空の色が鮮烈なオレンジ色に染まっているのも印象的です。これはロモグラフィーから最近発売された LomoChrome Turquoise(ロモクローム ターコイズ) で撮った写真なのですが、さて、この写真の元々の色はどんなものだったでしょうか。それでは次の写真を見てみてください。
この写真が、最初の写真の正しい色です。空はきれいな青空で、様々な色のチューリップの花々はターコイズで撮ったものとは全くちがいますよね。このフィルムは、ターコイズという名の通り、鮮やかな青色をもたらすのが最大の特徴ではありますが、色の種類によって実に多種多様な変化をもたらしてくれます。今回数本のテスト撮影で私が感じたその特徴を、作例と元写真を比較しながら説明していきたいと思いますので、これから使ってみたいという方はぜひ参考にしてみてください♪
※色の変化はISO感度や被写体の照度・輝度・色温度によって、また現像ラボによっても変わってきます。あくまでも参考ということでお願いします。
※カメラはLC-A+、ISO感度は基本的に200で撮っています。
1. 作例と解説
作例① 花の写真
元の写真には、黄色いチューリップと緑の茎・葉、そして青空が写っています。黄色い花びらは鮮やかな青(ターコイズブルー)に染まりました。そして青空はオレンジ色になり、茎・葉っぱの色はくすんだ青緑っぽい色になりました。
作例② 建物の写真
元の写真には、赤い(赤茶色い)レンガ作りの建物と、逆光気味で色が乏しいですが銅色っぽい彫刻、そして青空が写っています。建物の赤かった部分は落ち着いた青色になり、空はオレンジに、彫刻はやや青みがかっています。
作例③ 木と葉の写真
元の写真には鮮やかな新緑の黄緑の葉が写っており、他にはあまり色はありません。葉の色は青みが強く現れやや青緑系になっています。
作例④ 人物の肌、花の写真
元は赤い服、人物の肌、そして黄色い花が写っています。赤い服は落ち着いた青紫系になり、肌の色は青系に、黄色い花は鮮やかなターコイズブルーになりました。土の色も黄色っぽい(黄土色)ので青みがかっています。
作例⑤ 様々な色の花の写真
花は下から濃いピンク、明るめの赤、濃い赤紫、黄ばんだ白、鮮やかな黄色、そしてまた赤、となります。それぞれ、明るめの紫、濃い青(紺色)、濃い赤紫(変化があまりわからない)、青みがかった白、鮮やかなターコイズブルー、そして明るめの紫、となりました。森の木の緑はくすんだ緑(青緑)に、澄んだ青空の色はオレンジになりました。
2. 色の傾向
以上の例から、大まかに以下の色変化の傾向があるようです。
- 赤→やや落ち着いた青または紫
- 黄→鮮やかな青(ターコイズブルー)
- 青(空の青など)→オレンジ
- 青(濃い青)→濃いめの赤
- ピンク→青紫系
- 紫→濃い紫(大きな変化はなし)
- 緑→くすんだ青緑
- 黄緑→くすんだ緑
- オレンジ→シアン系の強めの青
- 肌色→シアン系の青。明るさ・顔色により強弱が変わる模様
わかりやすく下にイラストにしてみました。撮影の際の参考にどうぞ(^_^)
3. 感想
以上の考察から、このフィルムには実に様々な色変化が起こることがわかりました。色によってはとてもビビッドで劇的な変化が起こり(黄色や青など)、逆にビビッドだった色が地味な色になる場合もあります(赤や紫など)。どういう結果になるかある程度予想がつけば被写体選びや作品作りのイメージがわきやすくなることでしょう。私もこのフィルムばかり使っているときは、茶色っぽい猫を見ただけで「あ、真っ青な猫発見!」と脳内変換できてしまうほどでした。ぜひ皆さんのイメージに合った撮り方をしてみてください。
表題の「ターコイズブルーの世界を楽しむ」を存分に味わいたい場合には、黄色や肌色の被写体を選んでみましょう。そうすれば仕上がる写真は鮮烈なターコイズブルーに染まっているはずです。
今回の考察は、数本のフィルムによる様々なシーン・被写体をもとに行われましたが、もし「それちがうよ!」っていう部分がありましたらぜひご指摘ください。
こちらの記事も参考になります。あわせてどうぞ。
LomoChrome Turquoise: 日本のスタッフで使ってみました!
それでは最後にこのフィルムによる作品ギャラリーをご覧ください♪
Author: hodachrome / 山本穂高
岐阜県出身のカメラマン。2007年にトイカメラの代表格であるLomo LC-Aと出逢い、その魅力の虜となる。世界のロモグラファー・フォトグラファー達と研鑽を重ねながら、国内外を問わず写真展への参加、写真集・グッズ販売、写真講座・ワークショップ等、幅広く活動する日々を送る。
2015-06-04 #people hodachrome の記事
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