Instaxフィルムを透明なポジフィルムに改造する

発明というのは時には偶然の重なりです。インスタント写真が発明されたのは遡ること1947年。ある父親が娘から投げかけられた質問がきっかけでした。なぜ、撮った写真はすぐに現像されないの?このふとした子供の好奇心が今でも多くに人に愛されているインスタント写真の始まりでした。

ロモグラフィーのインスタントカメラ は撮影機能やアタッチメントが豊富で無限の撮り方が楽しめるカメラです。撮った写真はその場で見ることができるので思い出の瞬間を記録するのにもぴったりなカメラです。

多重露光、Splitzer、ライトペインティングなどロモグラフィーのインスタントカメラは他ではできない撮り方たくさんできますが、撮ったフィルムを加工する実験方法はあまり知られてないです。

Photos by Elisa Parrino

今回はInstaxフィルムに少し手を加えて、ポジフィルムように透明なフィルムに変化させます。この実験は時間との勝負なので水道(温水を使用します)にすぐアクセスできる環境で撮影をしてください。撮影後、フィルムの現像が終わる前に作業をする必要があり、猶予は1分ほどになります。

火傷しない程度のお湯を用意してください。あと、この実験ではフィルムに塗布された薬品を剥がすので必ず手袋をして作業をしてください。

Step 1: 撮影する
Step 2: フィルムの枠を切って中のフィルムと透明なフィルムを取り出します
Step 3: フィルムの黒い面をお湯の中で擦りながら落とします
Step 4: きれいなお湯にフィルムを移して残った薬品を擦って落とします
Step 5: フィルムを乾かして完成です

スポンジなどで薬品を落とすため、フィルムに傷が残ることを留意しておいてください。そのため、なるべく傷を少なく抑えるためにコットンなどの柔らかい繊維の物で優しくフィルムを洗ってください。フィルムにあえて質感を残したい方はスポンジでも大丈夫です。

インスタントフィルムの仕組みはとても特殊です。撮影時の環境や温度によって大体1 - 3分で現像が終わります。

Photos by Elisa Parrino

その反応を可能にするのが、不透明化剤、アルカリ、白色顔料などを混ぜ合わせた薬品です。その薬品はフィルムが排出される時に2本のロールの間に押し込まれ、露光されたフィルム面に塗られ現像されるのです。

そして、露光された粒子を画像に変化させるという原則は常に同じです。インスタントフィルムはポジフィルムの現像工程を踏襲しています。ポジフィルムでは、未露光の色素層が結合して色を形成し、それがポジ画像になります。

Photos by Elisa Parrino

化学反応でフィルムに像が定着し始める前に作業しなければならないので時間との勝負です。また、フィルム面を擦るためある程度の傷が残ってしまうことも覚えておいてください。

完成したフィルムはとてもきれいに見えます。擦るときの圧力で画像の一部が消え、幽霊がいるような不思議な光景が生まれます。そこにあるようで、ないような。化学反応の連鎖によって薄い層で存在できる写真という存在の儚さを、コミカルに表現しています。


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2023-06-14 #チュートリアル #ビデオ eparrino の記事

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