「Exposing Both Side of the Film (EBS)」によるシンメトリー写真の撮り方
14 37 Share Tweet“Exposing Both Side of the Film (EBS)”は、ロモグラフィーの数ある撮影スタイルの中でも独特で変わったもののひとつです。今回、「シンメトリーなEBSショット」を撮るためのTipsをお教えします。難しそう?ちょっとね!でも忍耐力と集中力、そして運が味方すればできますよ。
【フィルムのセット方法】
一回目(通常面)のフィルムをセットします。(LC-Aを使う場合の説明です)
カメラの状態は、必ずフィルムを巻き上げて止まった位置にしておきます。
フィルムの先端を右側のスプール(芯)の位置まで出します。
下のギアの噛み合う位置にマジックで印をつけておきます。これで二回目のセットがしやすくなります。
フィルムにたわみがないようにピンと張っておきます。たわみは巻き戻しクランクを回して取り除いてください。
裏ぶたを閉める前に、デジカメでその状態の写真を撮っておきます。(←コレ大事!)
そして裏ぶたを閉め、シャッターを押し、巻き上げノブを回します。このとき少しでも空回り(巻き始めるまでの遊び)のような感触があった場合はもう一度入れ直します。
それでは一回目の撮影を行います。
天気のよい明るい日に、ISO400か200の設定で、正しい(ノーマルの)フィルム面の撮影をします。(使用フィルムはISO800)
被写体は、ハイコントラストで背景のすっきりしたものを選ぶとよいでしょう。青空を入れると結果がより引き立ちますよ。
レンズの下半分はスプリッツァーでマスクします。
数枚ずつ同じ場所で撮るようにしておくと成功の可能性が高くなります。
一本撮り終わったら巻き戻して、暗室に持っていきフィルムをひっくり返します。( レッドスケール作成はこちらを参照 )
※この方法ですと、フィルムの順番が変わらないため二回目の撮影の順番も変わらず、コマの整列もしやすくなります。
これで、そのフィルムは実質的に約2段ダウンの、ISO200の感度を有するレッドスケールフィルムになりました。
そのフィルムを一回目と「正確に」同じようにセットします。もしミスったら仕上がりはシンメトリーではなくなってしまいます。一回目のときに撮っておいたデジカメ画像を参考に慎重にセットしてください。
そして、裏面(レッドスケール面)の撮影を開始します。
曇った日を選ぶのがコツです。(曇った日のほうが仕上がりのコントラストをより引き立てます)
ISO設定は200をメインにします。
一回目と同様、レンズの下半分をスプリッツァーでマスクすることをお忘れなく!
そして一回目とまったく同じ順番、同じ場所、同じアングルで撮影をします。
そんな細かく覚えてられないよって?私もだよ!なので私は細かなデータをメモしておくようにしています。順番、場所、構図、細かいセッティングについて、など。そしてときどき携帯のカメラで記録するようにしています。
カメラは逆さまに持つのかって?いいえ、そのフィルムは暗室で裏返したときに「すでに逆さま」になっています。なので一回目と同じ撮り方でOKです(縦位置の撮影を除く)
撮影後に現像します。ネガフィルムなので、通常のC-41現像でOKです。特別な指示は必要ありません。
ただ、コマとコマの間のずれは多かれ少なかれ発生しますので、フィルムを取り込む際はフィルムのスキャン位置に注意する必要があります。
さあ、赤と青のシンメトリーな世界に出会えましたか?
難しいチャレンジだけど成功したときは最高だよ。
ぜひやってみて!
Enjoy your EBS life!
Author: hodachrome / 山本穂高
岐阜県出身のカメラマン。2007年にトイカメラの代表格であるLomo LC-Aと出逢い、その魅力の虜となる。世界のロモグラファー・フォトグラファー達と研鑽を重ねながら、国内外を問わず写真展への参加、写真集・グッズ販売、写真講座・ワークショップ等、幅広く活動する日々を送る。
2012-10-02 #gear #チュートリアル #lc-a #redscale #multiple-exposure #tipster #double #doubles #double-exposure # # #select-type-of-tipster #select-what-this-tipster-is-about #hodachrome #ebs #exposing-both-sides-of-the-film hodachrome の記事
14 Comment