フラッシュを使った多重露光:Diana Instant Squareで撮る

今回はフラッシュを使った多重露光のやり方と、確実に過剰露出にならないやり方をご紹介します。屋内にいる時は、薄暗い光のためにほぼ毎回フラッシュを使わなければいけませんが、二回もフラッシュを使ってしまえば、過剰露出のリスクも出てきてしまいます。

今回の小技では、廃れることのないクラシックカメラ:Diana Instant Square Camera with Flash Classic Edition を使いました。ですが、この小技はお持ちのどんな インスタントカメラ でも応用が出来ます。

Photos by Elisa Parrino

フラッシュの使い方

最初に、フラッシュを使いこなすためのルールについて考えてみましょう。フラッシュの光は強く一定で、そのパワーを変えることはできません。また、Instax フィルムは ISO 800 です。次に二つの要素を念頭に置いておきましょう。フィルムに感光させる光の量を調節する F値 と被写体からの距離は調節できるという事です。

被写体からの距離が離れれば離れるほど、被写体に当たる光量は弱くなります。逆に近づけば近づくほど被写体に当たる光量は強くなります。

調節のできる二つ目の要素は光の量です。Diana Instant Square では 、F11 からピンホールまでの4つの絞りが設定できます。一度扱える光の量を大まかに把握したら、それに応じて絞りを設定することができます。今回は3つの状況を設定しました。一つは窓からの自然光が入った屋内、二つ目は暗い光の屋内、三つ目は屋外での影です。

Photos by Elisa Parrino

撮影する写真の中で重要な役割を果たす3つ目の要素は、構図の中での白と黒の部分です。白は像の中の情報を失くしてしまい、逆に黒い部分は像を写すことが出来ます。さらに、2回目に撮影する像を決めるために、最初の撮影でどのようにフレーミングしたのかを覚えておくことも重要です。白い部分は2回目の撮影でより明るくなってしまうので、フラッシュを使うときの最重要要素です。注意不足で撮影してしまうと、像が完全に消えてしまいます。

光とセッティングに差をつける

最初のロケーションでは、最初の撮影をフラッシュ無しではじめ、次に50㎝の距離から f32 の絞りでフラッシュ撮影をしました。この設定では最初の撮影が十分に写し出されない結果となりました。2回目の撮影が正しく露光されていたにもかかわらず、私たちがいる環境では暗すぎました。

次に絞りを変えることにし、両方の撮影を f19 で、1回目の撮影を 2m から、2回目の撮影を 1m から撮影しました。適正な露出にも関わらず、白色の部分では最初に撮影した像が現れることはありませんでした。

次は、最初の撮影を f19 で 2m、2回目を f32 で 1m で撮影しました。この設定が一番成功したと思います。しかし、像を浮かび上がらせる構図において白色の部分がどこにあるかを考えるのは常に重要です。

Photos by Elisa Parrino

そしてさらに暗い場所での撮影も行いました。屋内で窓からの光がない場所を選びました。距離は同じで、同じルールに則って撮影を行いました。最初の試みとして同じ絞りで行いましたが、光量はいまいち足らずというところでした。

次に絞りを開けることを決め、最初の撮影を f11 2回目を f19 にしました。驚くべきことに、この暗所でも f19 は最適な解決策でした。おそらく、光が弱い場合は、最初のショットで被写体に近づくことが最善であり、こうすることで光の強度が増すのだと思います。ここでも、背景の白壁はイメージを消し去りました。

最後に、屋外でも撮影を試しました。日光は光量が強いので、撮影のために影を選びました。私たちの最初の試みは行き過ぎました。全閉を決めてピンホールムードになりました。しかし、フラッシュライトを使ってでも絞りすぎてしまい、距離感もわからなくなってしまいました。

Photos by Elisa Parrino

2回目のテストでは f32 ですら暗すぎ、最初の撮影は完全に闇に消えました。次のステップとして屋内の時と同じ設定にして功を奏しました。背景は常に考えなければなりません。光沢のある表面や窓はフラッシュを反射したり跳ね返したりするため、写真に斑点として現れることがあります。

まとめとして、撮影に急ぎ、どうしてもカメラの設定を考える余裕がない時は、絞りを f19 に固定しておくことがベストです。それぞれの撮影では、違った距離を取ることも忘れずに。2つ目のアドバイスとして、背景は賢く選ぶことと2回目の撮影で1回目に撮影した像がうまく表れるような構図を覚えておくことです。


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2024-01-26 #gear #チュートリアル eparrino の記事

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