映画における一般的なアスペクト比は？

アスペクト比とは、視聴者がスクリーン上で見る画像の比率を示します。16:9や1.77:1のように、コロンで幅と高さを区切って10進数で表す形式（幅÷高さ）がよく見られます。映画撮影では、標準的な基準点として画像の高さに「1」の値が割り当てられます。したがって、1.77:1のアスペクト比は、1単位の高さに対して画像の幅が1.77倍であることを意味します。

アスペクト比が画面サイズと異なる映画やテレビ番組を見ると、上下（レターボックス）または左右（ピラーボックス）に黒いバーが表示されます。レターボックスとピラーボックスは、元のアスペクト比を維持したまま、ビデオを画面のサイズに合わせるためのものです。

アスペクト比は映画制作に不可欠な要素で、ショットのフレーミングや構図など、映画のさまざまな要素に影響を与える。また、映画が伝えようとしているメッセージやテーマを補完することもできます。例えば、『グランド・ブダペスト・ホテル』（2014年）では、1932年を舞台にしたシーンでは1.37:1、1968年を舞台にしたシーンでは2:40.1、現代を舞台にしたシーンでは1.85:1と、3つの異なるアスペクト比を使って時代ごとのシーンを表現しており、それぞれのシーンの時代で最も人気のあるフォーマットに合わせています。

映画の歴史を通じて、さまざまなアスペクト比が使われてきた。16:9のスクリーンで視覚化される最も一般的なものをいくつか見てみましょう：

4:3 or 1.33:1

映画のサイレント時代、映画は35ミリフィルムで撮影され、デフォルトのアスペクト比は4:3でした。これは長年テレビの標準的なアスペクト比であったため、古いテレビやコンピューターのモニターも同じ形をしていることに気がつくでしょう。このフォーマットは、人間の目により近いと信じられていたより広いアスペクト比に取って代わられましたが、4:3はクリエイティブな選択として今でも広く使われています。

Mid90s （2018年）はアスペクト比が4:3で、スケートビデオがVHSカムコーダーを使って撮影されていた1990年代のスケートカルチャーをよりよく表現するために16ミリフィルムで撮影されました。

16:9 or 1.77:1

このアスペクト比は、– 最も狭いアスペクト比から最も広いアスペクト比まで – レターボックスとピラーボックスによって最高の解像度ですべてのアスペクト比を表示するための最良の選択肢であると考えられていたため、ワイドスクリーンの標準として世界的に認知されています。 2009年以来、このアスペクト比はテレビやコンピュータのモニター、ビデオカメラで最も一般的なアスペクト比となっています。NetflixやYouTubeなどのストリーミング・サービスでは、ほとんどの動画がこのアスペクト比で表示されます。

1.85:1

16:9フォーマットに近い1.85:1のアスペクト比は、映画界における2つの業界標準フォーマットのうちの1つで、もともとは映画をテレビよりも映画的で没入感のあるものに見せるためのものでした。16:9のテレビフォーマットよりは少し広いですが、極端なワイドスクリーンのアスペクト比ほどではありません。

2.39:1 (also rounded up to 2.40:1)

1950年代にアナモフィックレンズが使われるようになると、1.39:1というさらにワイドなフォーマットが導入され、今日に至るまで映画のもうひとつの業界標準として保持されている。この広いアスペクト比は、SF映画やアクション映画のような映画の風景や画面の水平方向の動きに最も適している。

Ford v Ferrari （2019年）と The Fast and the Furious （2001年）は同じテーマで、レースシーンで車のスピードを表現するためにこのアスペクト比を利用しています。

2:1

2:1のアスペクト比は1950年代から存在していたが、近年、映画制作者や制作会社の間で人気が高まっている。もともとこのフォーマットは、テレビと映画の折衷案として90年代後半に注目されたもので、家庭でも劇場でも同じように映画を楽しめるようにすることを目的としていました。