Diana F+と写真における信頼関係の重要性を語る by Regine David

フォトグラファーがビッグブランドとのプロジェクトで芸術的な立場を維持することと、独自のビジョンと芸術的方向性によってブランドイメージに影響を与えることができることは、全く別のことだ。Regine Davidが高級ファッション・ブランドや国際的に有名な雑誌のために撮影した親密な写真には、後者のような特徴がみられる。

こんにちはRegineさん、簡単な自己紹介とご自身の活動について教えてください。

フィリピンのマニラ出身で、ポートレートとファッションフォトグラファーとして活動しています。幸運なことに、仕事を通じて香港、ニューヨーク、そして現在は東京と複数の都市に住んできました。

個人的な事だと、どこに行っても面白い人や顔を探すのが好きです。スマホや色んなカメラ、ビデオを録画したり日記を書いて記録しています。

© Regine David

東京での生活や仕事はどうですか?

新しい発見の毎日です。電気的なエネルギーも感じます。時には文化や言語の壁に当たることもありますが、文化の違いを乗り越えることは創造的な過程で成長するのに素晴らしい方ことだと思います。

写真に限らずワークショップや講演などのイベントも行われていますが、あなたにとってその重要性とは何ですか?

フィリピンで育った私特有のものなのですが、 私たちが受けた写真教育はドキュメンタリー用途や商業目的で使用されるものに限られていました。でも私には向いてませんでした。写真は感情を動かすと知っていたし、表面的な技術のレベル以上に学ぶべきところがあることも知っていました。それに、撮影現場が秘密主義でカメラマンが自分の技術について口を閉ざしていた時代でもあり、若い女性カメラマンが撮影現場でアシスタントを務める可能性は限りなくゼロに近かったです。

私は国際的な複数のアートスクールに出願してSavannah College of Art and Design (SCAD)に入学しました。教授や他の学生たちが、自分の知識を分かち合うことにとてもオープンであることに驚きました。私は母国に帰っても同じように情報にアクセス出来ないことに苛立ちを覚えました。アートを学ぶために遠くへ行く必要はないです。学びたい人なら誰でもアクセスできるものでなければならない。写真には私たちの世界観を支配する大きな力があり、それを理解する最良の方法は教育であると考えています。

© Regine David

クリエイティブ産業におけるクィア(Queer)の見方について一言お願いします。 特にアジアではなぜクリエイターの間での支持が重要なのでしょうか?

クリエイティブ産業は一般的にクィアに対してとても友好的だと思います。逆に言うとそれが当たり前すぎて外の現実が違うことを忘れがちなのです。私たちがいかに多様な人間であるかを強調することが重要です。しかしアジア圏では、クィアを含むLGBTQに対する風当たりが強いです。まだ多くの固定観念があり中には否定的なものもあるので、対処が必要だと思います。 とはいえ、私の個人的な目標は、識別子を人間であることの二の次にすることです。

繊細さは時に、私たちが心を開き健全なつながりを築くためのツールですが、それはあなたにとって常に自然なことですか?どうすれば、親密で繊細な写真を撮ることができますか?

私は繊細さは信頼につながると思います。 親密なレベルで人と接するためには、コミュニケーションができることがとても重要です。私は、撮影する人々が自分自身を表現し、彼らがどのように見られたいかを見てもらう機会を持って欲しいと思っています。それによって私が自然な姿の彼らを撮影することも可能にしています。これは文化や言語を超越していることです。

あなたは「時々、自己同一性について考えずに投稿したくなる」といいましたが、写真家としての仕事は、あなたの世界観をどのように形作ってきましたか?

私たちの写真の撮り方は私たちの個人的な人生の旅路を物語っています。撮影する時、重要だと思われるものにピントが合っている。これが計画的なものであろうと偶然のものであろうと、それは世界に伝えているのだと思います。 時として、これは私たちが何者であるかについて多くを明らかにするため、少し恐ろしく感じるかもしれないですが、もし私たちが写真に自己投影しなければ、世界の中で自分の居場所を確立する機会を失うことになります。

© Regine David

建築、文化、人々との関係、リトグラフ印刷を選んだ理由。 すべてのことが、一緒に働く人々や、自分がいる場所との密接なつながりを物語っていると感じました。一緒に働いている人たちは皆、オープンな人が多いですか? また、身近な人や物事と仕事をすることが重要なのか、あるいは、あなたとプロジェクトとの間に許容できる距離があるのでしょうか?

私の作品の多くは親密なものになりがちです。だから私は、オープンマインドな人を惹きつけるのだと思います。計らっているわけではないですが。撮影するときはいつも、大まかな指針を持っていますが、偶然が起こることを許容しています。時には、こうした偶然は自分の頭の中にあるものよりも良いものでさえあるかもしれないからです。

Diana F+ の第一印象を教えてください。Diana F+の使用感や結果は他のカメラと比べてどうですか?

Diana F+は、シンプルなコンパクトカメラとして非常によく機能するにもかかわらず、多彩なフォーマットから、カラーフラッシュまで、多様な拡張機能を備えています。実はロモグラフィーとは個人的に長い付き合いがあります。 高校生の頃お金を貯めて Fisheye No.2 を買うのが夢だったんです。大学時代に新聞記事を撮影して給料をもらったときにFisheyeようやく買いました。これが私が遊び心のある写真を好むようになったきっかけです。 特殊なカメラを使うのは初めてで、自分の視点が魚眼レンズでどのように変換されるかを見るのは本当に楽しみでした。実は、今回撮った写真の数枚を新しいプロジェクトのための踏み台として使っています。

© Regine David

影響を受けた人物はいますか?

写真に関していえば、Martin Parr, Wolfgang Tillmans, Nan Goldin, Carlijn Jacobs, Matt Lambert, 蜷川実花, 森山大道, Steven Meisel, Sebastian Faenaですね。もっと言えば、友人や映画などの短な環境からもインスピレーションを受けています。

あなたがもっと探求したくてたまらないものは何ですか?

この東京でラブモーテル・シリーズを続けたいです。 東京ののラブホテルのキッチュな美学はとても魅力的だと思います。

今後の予定を教えてください。どのようなプロジェクトが進行中ですか?

2021年にBad Student Pressから出版された『Fever Dream』というリゾグラフを使った本をリリースし、今年中にもう一冊本を作る予定です。今回は、アジア人の顔に焦点を当てた本を制作する予定で、非常に楽しみです。それと、東京での展示も計画中ですので、ご期待ください。

© Regine David

初めてDiana F+を使う時のアドバイスはありますか?

Diana F+の操作に慣れるには時間が必要ですが、何も考えずに撮って間違うことも楽しさの一つ。とにかく楽しんで使ってみてください!

最後に一言!

もう20年近くロモグラフィーの大ファンです。今回のインタビューに参加できてとても光栄です。このような機会を頂き本当に感謝しています!


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