Lomomaticに記録する新しい110の世界 by ナカムラユウスケ

香川県で活動している金曜日のミニシアター ことナカムラユウスケさんに新発売のLomomatic 110 を使って110のスナップショットを撮っていただきました。2年前にDiana Baby に出会いそれ以来110フィルムを愛用しているナカムラユウスケさん、どんな写真が撮れたでしょうか。

普段はどんな写真を撮られていますか?また、フィルムを始めたきっかけは?

一番古い記憶では、5歳頃に親のフィルムカメラを持ち出してよく写真を撮ってたようです。
人物写真を撮りたいと思ったきっかけになった写真集があり、それらがフィルムカメラで撮影されていたこともあり、フィルムでの表現にはずっと惹かれていましたが、何度撮影しても自分の心を強く動かしてくれるフィルムに出会えていませんでした。

そんな中、LomoChrome MetropolisとPurpleに出会った時に、その独特の色味とコントラストに「フィルム楽しい!」と強く感じたのを覚えています。それ以降フィルムでの撮影が増えていき、結局は自分がフィルムに向き合い切れていなかったと感じて、今では色々なフィルムを使って撮影するようになりました。「シャッターを切る」とう行為がシンプルに好き、というだけでなく「感情や時間、温度」を撮り残したいとより強く思い始めました。

110を始めたのはいつ頃ですか?出会ったきっかけは?

2年ぐらい前だと思います。SNSでDiana Babyの存在を知った時に、そのおもちゃのようなカメラと見たことなかったカートリッジタイプのフィルムにワクワクしてすぐに手にしていました。初めてユニークな枠ごと現像された写真が返ってきた時はときめきました!

Lomomatic 110を使ってみての感想と気に入った機能を教えてください。

コンパクトなスティック型のカメラはカバンやポケットにスッと入り、ちょっとしたお出かけや旅行につれて行くのに最適だと感じました。男子としては、ガシャガシャとリロードする仕組みには心躍りました!

小さな機体でありながら、ストロボが使えたり(しかもストロボを付けても形がスティック型をキープしてるのはとても素敵!)簡単に多重露光できる仕組みになっているのはロモらしくてすごく好きです。撮影した写真をみても、鋭い描写から、柔らかい描写まで、いろんな表情を撮り残すことができる点には可能性を感じました。

ストロボを使用したスローシャッターの撮影は、110フィルムでこの表現ができるのはシンプルに楽しい!となりました。

数ロール撮っただけではまだまだこのカメラの力と可能性を引き出し切れなかった分、もしかしたらこのカメラはいろんな写真や感情との出会いをくれるのではないかとワクワクもさせてくれました。

今回撮影していただいた中でのお気に入り写真とその理由を教えてください。

Lobster Redscale 110 ISO 200

色味はもちろんですが、絶妙にぼやっとしたピントが記憶を思い返した時のような情景に仕上げてくれて、温かくも切ない時間を残してくれました。24については、少しコマズレしていることも相まって、写真というより感情に近いものが写ってるように感じますし、あまり構えすぎずに撮れるこのカメラだから残せたと思います。

Color Tiger 110 ISO 200

Tigerは素直に、そしてノスタルジックに色がでます。遊園地へ行った際に何気なく撮った観覧車の写真が、ノスタルジックな色付けをされていて感動しました。21もあまり考えずに多重露光での撮影をしたものですが、露出も大きくズレることなく撮影できていたのは優秀なカメラだと思いました。

LomoChrome Color ’92 110 ISO400

私にとって一枚目は、普段であればスマホで撮るような写真です。さっと取り出してサクっと撮れるから撮ってみた。その結果、瞬間と捕まえたような写真を残すことができました。考えて恰好付けて撮るだけじゃない、素直で楽しい写真のことを思い出させてくれる大好きな写真です。一方で、2枚目のように、ストロボを使って、夜に光線を残すような格好良い写真も残すことができる。このカメラはどこにでも連れていけると思いました。

LomoChrome Purple 110 ISO 100–400

帰宅して一息ついた時に撮ったのが一枚目です。一眼のカメラを構えてまで撮る物じゃなければ、スマホでも撮らなくて、このカメラだからか、撮ってみようかなと思って撮った一枚。このカメラが導いてくれたように思えるのが好きなところです。2枚目は多重露光してみました。深く考えずに撮影しましたが、文字の部分がさりげなく浮き出るようになっていて、日常の1コマにほんのりスパイスがかかるような写真になっていて好きです。

110フィルムならではの良さとは?

コマ番号とフィルム名、キュートなロゴが記された枠とともに現像される写真は、ポジにも見える独特の可愛さがあります。これは他のフィルムにはないユニークさです。また数字が刻まれていることで、前後の写真との関連性が生まれることも撮り方を考えたりする楽しい要素です。また枠付きで現像されるとトリミングされない撮ったまま、見たままの状態を楽しむことにフォーカスしやすいのも良い点だと思います。

そしてなんといってもユニークなフィルムの形状とコンパクトなカメラは、どこにでも持ち出したくなる、そして見せびらかしたくなるフォルムであり、所有欲と携帯欲を満たしてくれるのはかなり強い魅力ですね。

110フィルムこその課題と将来の110への望みは何ですか?

使用できるカメラの種類がまだまだ少ないところは課題かと思います。中古品で良いものに出会うか、トイカメラでの撮影に限られるのは課題です。今回のLomomatic 110のリリースは、その点で110フィルムを取り巻く環境にとって明るいニュースであることは間違いありません。ポケットサイズである強みにとらわれ過ぎて、拡張性やマニアック性がおろそかにならず、色々挑戦的なカメラが出てきて、35mmフィルムのように「フィルム撮影といえば」といった時に当たり前の選択肢になっていくことを望みます。ユーザが増えて、カメラの拡張性(レンズ交換式やレンズフィルターなど)に繋がるととても嬉しいです。

110のモノクロフィルムが複数種類リリースされたり、110フィルムの自家現像用簡易キットや110フィルムのハーフカメラがリリースされるとすごく面白いのでは、と勝手に期待しています。


素敵なインタビューありがとうございました!ナカムラユウスケさんのInstagram のフォローもお忘れなく!


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