【テクニック記事】セルフフィルムスワップの方法

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ロモグラファーの皆さんが大好きな 多重露光 (重ね撮り)。ロモグラフィーのカメラには多重露光(MX)機能を備えたカメラがたくさんありますが、多重露光機能のないカメラではトライすることができないでしょうか?いえ、そんなことはありません。皆さんの持っているカメラでも多重露光が可能で、しかも素敵な作品が撮れる方法があります。今回その方法を紹介します♪

セルフフィルムスワップとは

多重露光機能のないカメラで(または多重露光機能を使わないで)多重撮影を行う方法を「セルフフィルムスワップ多重露光」といいます。基本的にどんなカメラでもトライすることが可能で(ブローニーフィルムを使うカメラは除く)、異なる場所・時間の別々の被写体をフィルム上で重ねることができます。この方法を用いると、幻想的で創意工夫に満ちた多重写真を撮ることができ、撮影の幅がぐんと広がります。

多重露光の種類

セルフフィルムスワップの説明の前に、多重露光の撮り方には二つの方法があることを紹介しておきます。それぞれの特徴についてかんたんに説明します。

1. その場多重
文字通りその場で二回重ねて完成させていく撮り方です。一回目の露光を行った後、続けて二回目をその場で撮って重ねていきます。 Lomo LC-A+Lomo LC-Wide のように多重露光(MX)機能があるカメラや、押しただけ重ねることのできるカメラ( Diana シリーズ、Holga等)が必要となります。

■メリット
その場の出会い・インスピレーションを生かして自由に気軽に撮ることができる。事前に綿密な計算などせず撮影を楽しめる。コマの位置がずれない。

■デメリット
その場でいい被写体が見つからないと撮影がなかなか進まない。二つの被写体の間を何度も行き来する手間がかかる。

2. セルフフィルムスワップ
一枚ずつ撮ったフィルムを、再度カメラにセットして二回目にまた一枚ずつ撮って重ねていくという方法です。多重露光機能がないカメラでも基本的にトライが可能です。(ブローニーフィルムを使うカメラはフィルムの構造的に難しい)

■メリット
綿密に計算した撮影プランを立てられる。撮りためておいた素材の上に重ねていくので成功率が高まる。

■デメリット
撮っておいた一回目の内容に縛られる(現地での偶然の出会いなどに対応しにくい)。手動巻き上げのカメラの場合はフィルムのコマの位置がズレる可能性がある。一回目に撮った内容を覚えておかなければならない。
※ちなみに私が多用するのがこちらの撮り方です。

撮影方法

それでは、「セルフフィルムスワップ」による多重露光の方法を紹介していきます。

① フィルムをセットする
この方法では、一回目と二回目のフィルムの入れ方がと~っても重要となります(Lomo LC-A+等、手動巻き上げのカメラの場合は特に)。一回目と二回目のフィルムの入れ方が極力同じでないとコマがずれてしまいます。

【ポイント】
1. フィルムに印をつけておくと二回目にフィルムを入れるときの目印となりコマずれが防げます。
2. 巻き上げレバーをしっかり巻き切った状態にしておく。巻き切ってないとズレが生じます。
3. フィルムがたわんでいない、ぴんと張った状態でセットする。これもズレを防ぐために重要。
4. 巻き上げるときに異音がしたり、巻き始めるまでの「遊び」を感じたら再度入れ直します。

② 一回目の撮影
セットしたら一回目の撮影をします。通常の撮影と同じように一枚ずつ撮っていきます。

【ポイント】
1. 一枚ずついろいろ変えて撮るのではなく、数カットずつ同じものを撮るようにする。そうすることで成功率も高まります。
2. 一回目に撮った内容はメモしておく。さらに、必要ならばその時の撮影構図をデジカメやスマホで撮影し記録しておくとより二回目の撮影時にイメージがしやすくなります。
3. 露出は基本的にマイナス0.5~1補正(ただし被写体による)

③ フィルムを巻き戻してカメラに再度セットする
フィルム一本撮り終えたらフィルムを巻き戻します。その後二回目の撮影の出番がきたらフィルムをカメラにセットします。付けておいた印を頼りに一回目と極力同じようにセットします。

【もしフィルムの先端が引っ込んでしまったら】
巻き戻した際にフィルムの先端がキャニスター内に完全に入ってしまった場合は「フィルムピッカー」を使って先端を取り出します。これで再度カメラにセットすることが可能です。

フィルムピッカーはカメラ量販店等でかんたんに購入できます。

④ 二回目の撮影
一回目と同様に一枚ずつ撮っていきます。メモや参考画像を見ながら、アイデアを生かして二回目を撮ります。露出補正は一回目と同様です。

⑤ 撮影終了
像が重なる二回目の撮影を終えたら現像します。全てのコマが一枚ずつ重なっています。異なる場所・異なる被写体が重なり合うため不思議で幻想的な印象が強くなります。また、数カット同じものが撮ってあるため成功率も高くなります。

【コマがずれてしまったら…】
もしコマがずれてしまうと、下の画像のようにコマとコマの間のラインが入り込み、せっかく位置を計算して撮影した写真も失敗となってしまいます。

以上が、セルフフィルムスワップによる多重露光の方法です。
ぜひ皆さんのカメラでもトライしてみてください♪

ちなみに、ロモグラファーの間で流行っている「フィルムスワップ」(一本のフィルムを自分と他者とでそれぞれ一回ずつ撮り合い、重なった結果を楽しむ撮り方)も、撮る者が自分だけなのか、他者と行うかという違いだけで、撮り方のコツは全く同じです。フィルムスワップをトライする際のTipsとしてもご活用ください。

それでは最後に、セルフフィルムスワップだからこそ撮れた不思議な多重写真をご覧ください!
Enjoy your “self-filmswap” life!

水族館のイルカと公園のチューリップ。
カメラ:Lomo LC-A+/フィルム:Fuji Superia400(ネガ現像)
日本の工場とイギリスのストーンヘンジ。フィルムスワップwith @fotobes
カメラ:Lomo LC-A+/フィルム:Lomography X-Pro Chrome100(クロス現像)
女性モデルと通称「モネの池」
カメラ:Canon EOS7S/フィルム:Lomography Turquoise XR100-400(ネガ現像)
日本のコスモスと香港の夜景。フィルムスワップwith @gocchin
カメラ:Lomo LC-A+/フィルム:Kodak EBX100(クロス現像)
日本の寺とイギリスの夕日、アメリカの国立公園(3回露光)。フィルムスワップwith @fotobes & @grazie
カメラ:Lomo LC-A+/フィルム: Kodak EBX100(クロス現像)

2018-03-17 hodachrome の記事

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1 Comment

  1. metaluna
    metaluna ·

    Thanks very much for this valuable information.

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