汚れたネガをきれいにする方法
Share Tweet乾いたネガに水痕や、定着液の残留物で線ができていたりした経験はないでしょうか。ですが、そこで諦める必要はありません。写真をダメにせず、かつ何時間もかけてデジタル処理をするよりも簡単にネガをきれいにする方法があるからです。 必要なのは、まずどのような汚れがあるのかを見極めて、可能な限り最善の方法でそれぞれの場所をクリーニングすることです。
水垢編
水垢はフィルムの光沢面で水滴が乾燥することによって生じます。水道水をフィルムの洗浄に使用する場合にこの問題が起こりやすいです。水道水(特に硬水)にはミネラル分が多く含まれており、乾燥時に水分が蒸発し残ったミネラルが水垢となりスキャン時に写真に写り込むことがあります。
フィルムの光沢面のクリーニング作業は乳剤面と比べネガを傷つける危険性が少ないです。乳剤面の清掃は写真に引っ掻き傷を作るリスクがあります。 作業を進める前に、必ずネガの両面に付着したホコリをブロワーで取り除いておくことをお忘れなく。
必要なもの
- ライトボックス
- マイクロファイバークロス
- 精製水
- ブロワー
- コットングローブ
- ルーペ
- 現像タンクとリール
- ピペット
- 水滴防止剤
ネガが透けて見えるようにライトを設置します。水道水の水垢のシミは丸く残ります。シミがフィルムの光沢面にある時、精製水で湿らせたマイクロファイバークロスを使い、優しく落とすことが出来ます。清掃後にライトボックスを使い、傷がないか確認をしましょう。
ブロワーを使ってホコリを飛ばし、マイクロファイバークロス (サングラスについてくるようなもの) で乳剤面を傷つけないように濡れたネガを優しい力で拭います。
これで、水垢をきれいに消すことに成功したはずです。同じ方法でネガの指紋を取り除くこともできます。
定着液の場合は?
残留した定着液のシミは、不規則な形をしています。ちゃんと水洗を行わなかった場合にバラバラの線状や、白い波のような見た目で現れます。もし乳剤面にシミが再度浮き出てきた場合、再度慎重に水洗を行う必要があります。ネガをもう一度洗うことに反対する人は多いですが、これはネガをきれいにするには有効な解決策です。
乳剤面はとてもデリケートなので、いつも以上に注意を払って作業してください。乳剤面を清掃する前にそのままスキャンするのがベストです。少なくともこの方法で、最悪の事態に備えてデジタル・バックアップを取ることができます。
再度水洗を行った後、精製水と水滴防止剤 (緊急の場合は食器用洗剤) を使います。少量の水滴防止剤を使用するのが一番良い方法です。多量に使用すると、同じ問題を引き起こし、ネガにシミを残す可能性があるからです。ピペットを使い、1~2ml計り、精製水と混ぜましょう。
2分間水洗を行い、タンクを満タンにして1分間ほど攪拌しましょう。一度空にしてまた満たします。この時、水滴防止剤は使いません。再度空にし水切りを行います。ホコリの無いきれいな環境でネガを乾燥させましょう。
私たちができる最善のアドバイスは、シミを避けるために現像後すぐに精製水でネガを洗うことです。何度も洗い直すのに時間を費やすより、一度できれいなネガを手に入れましょう。
現像後のフィルムに水垢を見つけたとき、ネガをきれいにするためにどうしていますか?あなたのやり方をコメントしてください!
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