Life on Mars : クマガイユウヤ

私が初めてLomographyのフィルムに出会ったときはもう既に販売されておらず、ターコイズの作例をネットで見てみては、どんな風に写し出されるのだろうと思いを馳せたりしていました。とは言っても復活するなんて思ってなかったので気付けばLomoChrome Purple やLomoChrome Metropolis に夢中になっていてしばらく忘れていました。
そんな中復刻したLomoChrome Turquoise 、以前のバージョンの作例で見ていたよりも、現在の作例を見ているよりも、はるかに不思議な世界に迷い込んでしまうそんなフィルムでした。
ファーストショットは街中ではなく自然に関係する場所が良かったので、年末に長野県の美ヶ原高原に友人と撮影をしに向かいました。

このフィルムを現像した後で私自身の事に関して気づいたことがあります。ターコイズは良くも悪くも私自身がが扱うものでなければならない、撮らされてはいけないと。それほどに特別な風合いを演出してくれるので、どうやっても面白くなってしまうからこそ、カラーで撮ってる時と同じようにシャッターを切ってはなんだかちぐはぐに感じてしまいますし、LomoChrome シリーズ。
それにしてもどれも不思議な迷路のようにフィクションを突き付けてくる感じがたまりません。昔見たターコイズの感動とはまた違う感動がそこにはありました。
「知らない星に行ってたみたいだね、まるで火星だよ。」そんなことを言ってくれたカメラをやってない友人は、どうやって撮影したか、どこに行ったのかなんてことはどうでもよくて、ひたすら写真の世界に魅了されていました。
絵画のように美しくも、生感のある色彩。砂のようになったり、何かにすり代わった雪たち、車は探査機となり、人々は宇宙飛行士になってしまった。友人の顔は青ざめて人型エイリアンになってしまった。

LomoChrome Turquoise は街中ではどんなフィクションを映し出してくれるのでしょう？
そしてどんな撮影者かを、そこに映し出されるリアルがより色濃く写し出してくれるでしょう。

使用カメラ：Canon AE-1

クマガイユウヤ (from THE NAAV)
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2023-05-26 #places